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『漫画:マネーの拳』感想 "会社"を知りたきゃこの本を読むべし

結構昔、漫画喫茶で何気なく手に取った漫画『マネーの拳』を紙の本で大人買いしました。仕事の内容ががらりと変わり、モチベーションが下がる中で、仕事の面白さを思い出すためというのが主な理由です。

作者は、ドラゴン桜やインベーダーZなどで有名な三田紀房先生です。2005年~2009年に単行本が全12巻発売されており、今回はまとめ買いサービスで紙の本を12巻すべて購入しました。

余談ですが、何度か読み返したいなと思う本は、紙で持っておきたいですね。もう少し電子書籍のガジェットが紙ぽく進化すればよいんですが、まだまだ紙の気軽さには勝てません。

話を戻して、マネーの拳。この漫画の内容は、三田先生らしさ全開の『お仕事系(ビジネス)』です。と言っても、毒にも薬にもならない自己啓発本とは違って、この本は会社の成長について丁寧に教えてくれます。

この本の始まりの部分を簡単にご紹介すると、

主人公の花岡拳は、元ボクシングチャンピオン。アスリートのセカンドキャリアとして飲食店を経営(よくあるパターンだ)するも、経営は赤字続き。そんなとき、テレビ番組で共演した実業家の塚原会長からアドバイスを受け、新たにビジネスを始める... というところが1巻です。

この漫画の面白ところは、後続の巻で、

①飲食店の立て直し⇒②新ビジネスの発見・受注⇒③大手企業との取引⇒④自社の強みを見つけ、独自の立ち位置を築く⇒⑤下請けビジネスからの脱却を図る、直接顧客との接点を作る⇒⑥大手企業との競争に、独自のポジションと強みで打ち勝つ⇒⑦上場と社内の軋轢⇒⑧上場企業としての社内規則の整備と人事上の葛藤⇒⑨企業買収(の攻防)⇒・・・(この後はネタバレのため省略...)

と、会社の誕生から成長を丁寧に描いているところなんです。ただ淡々と描くだけではなく、人間関係の描写も生生しくて(でもちょっと漫画っぽく、すっきりしていて)、会社の成長に伴う痛み・苦しみ・喜びを丁寧に書いています。あっあと、主人公の花岡拳がかっこいいです。

本作は、ビジネス版のドラゴン桜と例えても良いかもしれません。(でも本作、先生役の塚原会長は油断ならない人物なので、ちょっと違うところもあります)

これまで下請け中心だった零細企業が、強みを見つけ、認知され、独自に市場を切り開き、ついには大企業に躍り出るという、シンプルですが気持ちのいいお手本のようなストーリー。だけれども、その中の人間関係は事業の成長とともに少しづつ変わっていく。その中で主人公 花岡拳は頭のキレと周囲を見る目、度胸でもって、会社を成長させていきます。

周囲の人間も丁寧に描写されていて、非常に人間臭いです。会社にとってマイナスにしかならない彼らの選択も納得感があり、実際の会社の中で起こるコンフリクト(葛藤)を丁寧に表現できていると思います。

ちなみに読んでいると最初は嫌なキャラだった『井川さん』という人がいるんですが、彼女の行動原理にも一貫性があり、最終巻では好きなキャラになりました。仕事で立場が変われば受け取り方が変わるように、見る角度では魅力的な人物なんですね。そういった、登場人物の成長(というよりは、見る観点の変化が近いか。人の本質は変わらない) も本作の魅力です。

私自身は中小企業診断士をやっているのですが、こんな感じで会社の成長に伴走できたら幸せだろうなと思いました。むしろ、自分で起業したくなります。(いっそ起業しようかな。)

というわけで、簡単ですがマネーの拳の感想でした。

#マンガ感想文 #ビジネス #企業 #企業 #上場 #マネーの拳 #お仕事系

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