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5月の緑に生きる力を分けてもらった休日

皆様、今年のGWはどのように過ごしましたか?
行動制限が大幅に緩和されたこともあり、多くの方がお出かけを楽しまれた一方で、のんびりと自宅で過ごした方も、社会活動を支えるためにお仕事に励まれた方もいらっしゃることでしょう。
私は、自然と触れ合う日々を過ごしていました。

実はGW前の数週間、心が悲鳴を上げながらなんとか日々を過ごしているような状態でした。
色々と要因はあるのですが、信頼していた方の行動に矛盾を感じ、不信感を抱いてしまうような出来事が立て続けに起きたことが大きかったです。
また、副業(撮影と執筆)、本業(会社員)、家庭生活を並行してつつがなく営むことの難しさに悩んだり、本業で信じられないような失敗をしてしまったことなども影響し、飲酒量が増えに増え、結果として肌は荒れ体は重くなり、最悪なコンディションでGWを迎えました。
そんな私が過ごした休日の思い出を、写真と共に振り返ります。

るうふTiny House Campで過ごした最高な夏の入り口

GWの前半は、2年前の夏にも利用させていただいた(記事はこちら)、山梨のキャンプ施設である「るうふTiny House Camp」で過ごしました。

るうふさんは一棟貸し古民家宿も運営されており、他の利用客の存在を気にせずに寛げるので、そちらもかなりおすすめです(記事はこちら)。

1日目は生憎の雨だったのですが、Tiny House Campに着く頃には雨が止んでくれました。

まずは、初めてのバレルサウナを体験しました。
もうだめだ、というところまで我慢して、外に飛び出した時の開放感は格別です。
雨上がりの森林の中、すぐ下に流れる川の音を聴きながら火照った体を冷やすのは、想像以上に気持ちの良いものでした。

たっぷりと汗をかき、クラフトビールを迎え入れる準備は万端です。

今回はクラフトビールの飲み放題がプランについていて、夫も私もそれはもう楽しみにしていました。
この日は4種類のクラフトビールが準備されており、夫は苦味のしっかりしたものを、私はホワイトビールをいただきました。

明るいうちからビールを飲みながら、食事もスタートです。
ここに掲載しているのはほんの一部ですが、中でも、前菜として出された芦川町で手作りされている刺身こんにゃくが美味しすぎて、Tiny House Campをチェックアウトしてすぐ買いに行きました。

日が長くなってきたとはいえ、山の中なので暗くなるのも早いです。
ふと予感がし、空が開けた場所まで駆けていくと、怖いほど美しい赤色の夕焼けが広がっていました。
その時の写真は、また別の機会にお見せできるかなと思っています。

私は1日目の夕方から30分おきに天気予報を更新するほど、2日目こそ晴れてほしいという気持ちで一杯でした。
朝、小鳥のさえずりで目を覚ますと、空にはまだ分厚い雲がかかっています。
カメラを手に雲が晴れるのを2時間ほど待ち、今日も駄目か・・・と部屋で諦めかけていた時、夫が私を呼びました。
ドアを開けると、目の前がぱっと明るくなり、待ち望んでいた光が差したことが分かりました。

早く朝食を食べたい夫を待たせることになってしまい申し訳なかったのですが、この光の粒を前にして、シャッターを切る手を止められなくなってしまいました。

朝食のお供は、自分で焙煎して挽いたコーヒー。

私たちが泊まったのは、2人で泊まるのに丁度良いサイズのお部屋「KOGANE」です。
優しい青色の壁が、個人的にとても好みでした。

るうふさんで時を過ごして毎回感じるのが、いたわりとおもてなしの気持ちを込めた、人に優しい空間作りを大切に運営されているんだろうなということです。
BBQをしている際は屋外にいながらも、木の葉(この記事のトップ画像にしています)に包まれているおかげでプライベートな空間を楽しむことができました。
また、制限時間ぎりぎりにクラフトビールを頼んだ意地汚い私にも嫌な顔ひとつせずビールを注いでくださったのもありがたかったです。

ガラス作家の友人と仙元山でハイキング

お友達であり憧れの方でもある藤井友梨香さんと、逗子の仙元山に登ってきました。
藤井さんはガラス作家さんで、葉山で暮らしながらガラスの器などの作品を制作されています。
約1年前に、藤井さんの制作風景を撮影させていただいた(記事はこちら)ことがきっかけで仲良くさせていただいており、一人の女性としてとても素敵だと思える方ですし、クリエイターとして刺激を与えてくれる貴重な存在です。

山に登る前に、逗子の「逗子茶寮 凛堂-rindo-」さんでお昼をいただきました。
りんどう、というお店の名前の響き、なんだか涼やかで良いですよね。

数多くある中から気になるお茶を選び、目の前で亭主の山本さんがお茶を淹れてくださる、なんという贅沢。
お茶そのものが美味しいのは、もう言うまでもないのですが、お茶の香りに包まれていただくご飯も、繊細で上品な味わいでした。

逗子茶寮 凛堂さんでは、季節よりも更に細かい二十四節気のうち、それぞれの節気に合わせたお茶菓子を提供してくれます。
私たちがいただいた季節のお菓子は、ずんだやピスタチオ等を使った(真ん中の奥に写っているものです)、苔のような見た目のお菓子でした。
こっくりと甘くてまろやかで、永遠に食べていられそう・・・。

お茶の残り香を感じながら、仙元山の入り口にバスで向かいました。
仙元山はゆっくり歩いても2時間程度で登れる山で、整備されたハイキングの道があり、写真を撮りながら軽く汗をかくにはぴったりです。

よく晴れていて、地面に落ちた木漏れ日が目に眩しかったです。

私は外を歩いていると、写真に収めることのできる景色を忙しなく探してしまい、いわば頭が臨戦態勢になってしまいがちです。
ただこの日、初夏の爽やかな風が汗ばんだ体を撫でた時、ふっと緊張が解けたような気持ちになり、私の周りで鳴り響いている様々な音がやけに大きく聞こえました。

木々の擦れるざわざわとした音、小鳥の鳴く高い声、土を踏み締める自分の足音・・・。

藤井さんは草花がとても好きで、よくガラス作品のモチーフにされています。
普段は目に留まることもない、さりげなく咲いている草花を見つけて駆け寄り、嬉しそうに私に教えてくれる藤井さんを見て、私も自然と幸せな気持ちになりました。

途中は急な階段があったものの、頂上まで無事登り切ることができました。
軽いハイキングでも、運動不足の体にはこたえるものがあります。
最近は毎日のようにジムに通われているという藤井さんを見習って、私もランニングを再開しないといけませんね。

夫の実家で人生初めてのタケノコ掘り

感染症の影響でこれまで訪れることができていなかったのですが、やっと夫の実家に足を運ぶことができました。
新幹線が停まる駅の近くとは思えないほど長閑な田園風景が広がっており、ここで人を撮影したい気持ちが湧き上がりました。

夫の実家の裏には竹藪があり、この季節になるとタケノコを掘ることができます。
常識かもしれませんが、タケノコは放っておいても勝手に生えてくると聞き驚きました。
スーパーで買うとなかなかなお値段のするタケノコが、何もしなくても手に入るなんて羨ましいと思ってしまいましたが、竹藪の管理や手入れが面倒で負担になるという現実があるそうです。

折角の機会なので、人生で初めてのタケノコ掘りに挑戦してみました。

周りの土をかき分け、根が見えるくらいまで掘り、根元めがけて鍬で一撃!文章にすると単純に見えるかもしれませんが、力をかける加減と位置の調整が難しく、結構な重労働でした。

だからこそ、やっとの思いで掘れたタケノコには特別な愛着が沸きましたし、農作業をする方々の苦労を垣間見た気がしました。
この日に見た景色や体験したことを、実はとある撮影で自分なりに表現しました。
写真は近いうちに皆様にお見せできると思いますので、楽しみにしていてくださいね。

家に帰ってから、夫が堀ったタケノコを使って料理を作ってくれました。
タケノコのアクを抜くために、掘ってからできるだけすぐにゆがく必要があり、しかも短時間でゆがきを済ませてしまうとえぐみが残ってしまうので、扱いが難しい食材でもあります。

筍ご飯は絶対に食べたいとリクエストしていました。
夫が土鍋で炊く筍ご飯は絶品で、身内贔屓だけではなく本当にお店に出せるくらいなのではないかと思っています。

タケノコは、生えたままの状態からだと想像もできないくらい食べられる部分が少ないこと、そして、掘るのにも料理をするのにも、多大な労力と手間がかかるのだということ。
実際に目の当たりにしないと分からないことですが、そういったことを意識して咀嚼すると、より美味しく感じられる気がしました。


私の過ごしたGWの思い出、いかがでしたでしょうか。
文章を書きながら振り返ってみると、自然に触れることで、疲弊して荒んでいた心がみずみずしさを取り戻していったことを実感できました。
天候をはじめとし、自然は思い通りにいかないことも多いですが、自然の「人間一人一人のことなんて気にしていられないよ」と突き放しつつも、分け隔てのない恵みを人間に与えてくれる包容力になんだか救われる気持ちになり、これからも頑張って生きていこうという活力を与えてもらいました。


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