ニコチン電子タバコによる禁煙はうまくいく?

禁煙に興味がある人は割と多いけど、意外に成功しないのが現状。それにはいろんな背景がありますね。
今回は禁煙の論文を読んでみます。

Efficacy and Safety of E-Cigarette Use for Smoking Cessation: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials

pmid:37148992

アブストラクト
背景 従来のタバコを吸う人が禁煙への道として電子タバコ(e-cigarettes)を利用するケースが増えているが、禁煙に対するe-cigarettesの有効性と安全性は依然として議論の余地がある。

方法 MEDLINE、EMBASE、Cochrane CENTRALデータベースの系統的検索により特定したランダム化比較試験(RCT)の系統的レビューとメタ分析を実施した。対象は、追跡期間が6ヶ月以上のRCTに限定された。主要評価項目は、最大追跡調査時に生化学的に検証された禁煙という最も厳格な基準であり、主要比較項目はニコチン電子タバコと従来の(すなわち、電子タバコではない)禁煙療法との比較であった。バイアスの評価にはCochrane Risk of Bias Toolを用いた。相対リスク(RR)とそれに対応する95%信頼区間(CI)を推定するために、逆分散加重を用いたランダム効果モデルを用いて、試験間でカウントデータをプールした。研究プロトコルをOpen Science Framework Registries(osf.io/26fkq)に登録した。

結果は以下の通り: 合計5件のRCT(n=3,253)が含まれた。従来の禁煙治療と比較して、ニコチン電子タバコの使用は、報告された最も厳格な禁煙の基準で定義された禁煙の増加と関連していた(RR: 1.77; 95% CI: 1.29-2.44).また、ニコチン電子タバコは、非ニコチン電子タバコと比較して禁欲度(最も厳格な基準で定義)を増加させた(RR: 1.56; 95% CI: 1.13-2.15).死亡またはSAEの発生率は、最大フォローアップ期間中、すべての試験で低かった。

結論 禁煙を試みる個人において、ニコチン電子タバコは従来のニコチン補充療法や行動的禁煙療法よりも有効であり、喫煙に関連する健康リスクの低減に有益であることが証明されるかもしれない。

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。

PECOで整理してみます。

P(どんな患者に?)
 5件のRCT(ランダム化比較試験)。対象は禁煙希望者でよさそう。
E(どんな介入を?)
 ニコチン電子タバコの使用
C(何と比較して?)
 従来の禁煙治療
O(どのように評価した?)
 生化学的な禁煙ってなんだろう?

論文のチェックポイントは?

☑ランダム化は?
RCTを集めているのでOK
☑真のアウトカム?
真のアウトカムといえる


【どう感じたか?】
ニコチン電子タバコが出始めたときに、これで禁煙できるのか?と話題になったような気がする。
今回の論文はメタ解析ということもあり、エビデンスの質自体は高め。ただ、全文読めないのと、個々の論文をみないとまだぼやけている部分がおおい。
例えば参加者の禁煙に対する意欲。ブリンクマン指数などはどうだったのだろう。
結果だけを見れば、ニコチン電子タバコが禁煙の補助として否定されることは少なくなりそう。薬局での相談の引き出しとして持っておこう。

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