2020.9.11(金)虹の都と12羽の鳩
今日も空は目まぐるしく雲が見事だったので、夕暮れに近くなった頃、見晴らしのいいビルの屋上に登って、じっくり写真を撮っていた。
日差しが眩しいままかなり傾いた17時過ぎ、ふと東の空を見ると、ちょうど都庁の上辺りに太い虹がかかっていた。地上からは見えづらい位置だったし、それほど濃くない虹だったので、ほとんどの人は気づいていないはずだ。こっちはずっと快晴だったが、あの入道雲の下では雨が降っているのかもしれない。
撮り続けて15分くらい経った頃だろうか、虹の向こうの入道雲が切れて、ちょうど虹が上空の雲と地上を結ぶ梯子のような格好になった。
すると、飛行機が雲の上に飛んできた。白い機体が濃い色の雲に差し掛かるタイミングを狙ってシャッターを切る。思いがけず、レンズの前を鳩の群れが飛んだ。今日一番の写真が撮れたと、プレビューを観る前から分かった。
僕のコンピューターには「虹」というアルバムがあって、今まで撮ってきた虹の写真が大量にストックしてある。
虹は、だいたい雨上がりに出る。
いくつかの条件が重なったときだけ、偶然に出会える。
そして、儚く消えてしまう。
退屈な日常に妖精がふりかけた魔法の粉のように。
思わず絵も描いてみたが、写真が絵画のように神秘的だったので、遠く及ばず。鳩はうまく描けたかな。もう少し時間をかけて仕上げてみよう...
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