読書感想文:バベル17/サミュエル・ディレーニィ

SF語りに来ました。
と言ってもどれとか誰とかについて語ったか忘れた。

いくつかSFというものについて印象深かったことについて。
「視点」の違和というもの。
それが非常に興味深かったことについて。

ええと、とても古いSF作品なのですが、私が好きなうちのひとつ(…語った?)。

サミュエル・ディレーニィというひとの
「バベル17」
という作品

内容はスペースオペラに近いと思います。
美人の女主人公、記憶喪失の男。
宇宙人の侵略。

実のところ、私が惹かれたのは本筋の部分ではなく、その「仕掛け」にあたる部分でした。
バベル17というのは言語の名前、三人称だけで構成された言語というものが登場するのです。種明かしは、「ああ」というようなものでむしろチープに感じたのですが、最初に「三人称だけで構成された言語」という概念を読んだときには強烈な衝撃があって、非常に楽しかったのを覚えています。
…なんだか、普通ミーハーするところとはずいぶんずれているのかもしれませんが、物語の中で女主人公が男に「I(私)」と「You(あなた)」を教えようとするところがあるのです。
女主人公が「I」と自分を指します、そして次に男を指し「You」と教える。
けれど男には一人称と二人称の概念が理解できない。出来ないものにどうやって「I(自己)」の概念を教えるのか?
非常に面白かった。
ちなみに、ラブシーンではありません(笑)。

それはだいぶんのちの展開です(苦笑)。

やっぱりね、燃えどころ(萌えどころ、というのですか?)は
「三人称だけで構成される言語」
だと思うのですよ、他にも色々あるんですが、ときめくところ。
何がどう「燃える」んだと言われても、説明しにくいのですが、なんというか、「私(俺)」という自己概念とそれに対照される「貴方(お前)」概念がない言語という考え方って画期的だと思うのですがどうか!(どうかって言われても)
物事を客観的に見るというレベルではないですよね、主義主張をどう主義主張したらいいんだそんな言語?
それとも主義主張という概念すら存在しないのか、愛を語るときには?
た、楽しくない? 


(これも2006年の既に住人も管理人もさった後の映画・読書感想交流掲示板に気楽に独り言のように落としていたもの)


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