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散文詩

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そのまま。もうちょっと若いころ(十数年前)書き散らした散文詩です。短歌の収納は今後考えます…。
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2021年1月の記事一覧

【詩】 闇を覗く

ひとは たまさかに 闇に惹かれる それを 誰が咎められようか 人は 闇から出でて 闇に還る …

高梨 蓮
3年前
7

【詩】 嵐が来る

嵐が来る ぐるりと渦を巻いた 嵐が来る 吹きすさぶ風に 吹き曝されたままで いろという…

高梨 蓮
3年前
7

【詩】 月夜に吠えろ

繰り返し 繰り返し いつも覚えているわけではなく いつも忘れているわけでもなく 繰り返し…

高梨 蓮
3年前
10

【詩】 どこかの土地で

一宿一飯の 礼を述べて またそこを出る 行き着くあてがあればこれほどには 生涯を旅に終わ…

高梨 蓮
3年前
7

【詩】 誰かに優しくあれ

俺には分からない 多く人が正義とし 守るべき規範としていることが 永遠に「正しい」のか…

高梨 蓮
3年前
8

【詩】 罪

人の世に もし 本当に 罪が存在するのならば お前が犯したほどの それ以上のものはある…

高梨 蓮
3年前
5

【詩】 傍観の熱

愛していると その一言を 好きだ と たったそれだけを告げられずに 離れゆくその人を引き止められない君を 慰める言葉を俺は持たない 何故躊躇うのか それも分からない 本当は 手に入れたくなどないのではないかと そう思ってしまうほどに 告げられない言葉を抱え込んだ日々は長い 何故伝えようとはしないのか 君がそう主張するほどの、それほどの熱情であるならば

【詩】 沈黙

黙って 誰とも話したくない時があるだろう 誰にも 話せば楽になると なんの共感もなくとも …

高梨 蓮
3年前
10

【詩】 月と詩人

つきが みたい やみとつきが そらにかがやいていると そのときだけは 何かを思い出せる…

高梨 蓮
3年前
3

【詩】 砂に残す足跡

砂に残す足跡 日本一になりたいと そのひとは言った なんでもいいのだ とにかく日本一にな…

高梨 蓮
3年前
4

【詩】 死と謎と閾

最後に 最後にきたるものは 何か 死だ 使い古された謎かけ 繰り返し問われる 繰り返し…

高梨 蓮
3年前
5

【詩】 奇妙な愛

めぐるめぐる 車輪のように 言葉と 人生が 回る 世界の片隅で 奇妙な愛を 君に囁こう…

高梨 蓮
3年前
3

【詩】 痩せ衰えた

痩せ衰えた その姿は 本来あるべき重さの 半分ほどしかない 血管そのものに 無理に栄養…

高梨 蓮
3年前
1

【詩】 天涯孤独

天涯孤独の 意味を そいつは知っている どうやって 生きていけばいいのか それを知らないだけだ 教わるにも遅すぎて 父親に母子で捨てられて 母親に顧みられず 祖母に育てられて 学校に馴染めなくて 街に飛び出して 群れることを覚えて その間に母親は男を見つけ 父親は妻を見つけ 祖母は墓に入って どこにも帰る場所がない 言われるがままに 金になる仕事をしたら非合法で 蜥蜴の尾が切られるように そいつだけが取り残された 職を探そうにも 家も