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既に過去の くだらない記憶を 捨てろ 脆い白い骨を 粉々に砕くべきだった 何をしそうかは分…
奨学金を借りた男がいた。 借りて返さなかった。 男は就職した。 就職して結婚した。 この結…
金が好きか? 嫌いか? 本当は好きだろう。 嫌いな者はおそらくほとんどいない。 言えないだ…
十年一昔と言うが 四半世紀がひと昔のように 思える そのうち 半世紀がついこの間のように…
信号を待っていた。 押しボタン式であるような、地方都市の郊外の住宅地の交差点だった。…
何度も 書いたものを消す 書いて書いて書いて ほとんど似たようなことを繰り返しているこ…
年の瀬だ 本当は時に刻まれた目盛りはない 暦は 月日は 人が刻むものだ ひとであるならば、時を刻まねば過ごしゆけぬ 限りある定命なればこそ (本当は正月ではなく年末に出すつもりだった、十年以上前のもの)
切れる それだけで 指先がすぱりと切れる そのような 冬の空気 凍てつく その最中に 吹き…
冬の朝 ひょいと首出す ひんやりと 底冷えのする朝ぼらけ ひゃっと戻りておそるおそる 再…
誰かの夢を 誰かの言葉を拾い そして磨く 輝くといい 月の光のように
零れ出す言葉は 今日は 勢いがあるものではないけれど ふくふくと 軽い羽根のクッション…
落ちそうだ またしてもどこかに 冬の空の色に わたしは かつて あのひとのことばを …
奇妙に気が焦るのは なにか 拾ってはならないものを拾っているからだと思う 例えば 己に向…
そういえば 今日 空に 雲がよぎっていた 刻む 掛け合わせたような 空をよぎる雲 そんな日に