【詩】 沈黙

黙って


誰とも話したくない時があるだろう
誰にも

話せば楽になると
なんの共感もなくとも
ただ聞いてもらえれば楽になると

それが真実と知っていても

呑み込んで
喉の奥に熱い鉄の塊を
腹の底に溶けた鉛の塊を
呑み込んで

ただじっと

誰にも何も聞いて欲しいわけでもなく
誰かに何を言って欲しいわけでもなく
自己憐憫すらしたくない


そのことを
あるがままに
言葉という形にする前に

ただ
呑み込んで

深く静かに蹲って
長い夜を繰り返すのだろう

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