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Web制作業界の制作者ほど、昇給の交渉をしないと給与は上がらない!経営目線でみたその理由と給与交渉のメリットについて。

日本のエンジニアの給料は海外に比べて低すぎる、などの意見をネットで見かけることがあります。
たしかにエンジニアやデザイナー、特にWeb制作業界の給与水準は低めであることは感じます。

実際にWeb制作業界に所属していて、専門性の高い分野でありながら、他の業界の技術職と比べて、ちょっと低いよな、と転職してから感じることがありました。

もちろん、その会社の売り上げ規模などにもよりますが、大手企業の同年代や勤続年数などを加味すると、低めなのではないかと思います。

私はWeb制作業界へ転職してから、試用期間から正社員になるタイミング、査定月などで、給料の交渉をなるべくするようにしています。

毎年するわけではなく、自分の中で成果を上げられた、仕事の内容が変わってきた、など給与交渉しても良いだろう、と思うタイミングで交渉するようにしています。

大手のシステム会社に所属していた時は、黙っていても少しずつ給料が上がったり残業代や賞与が普通に出ていたので、特に年収アップについて意識はしていなかったのですが、Web制作業界の中小企業に転職してから、意識するようになりました。

なぜかというと、自分でいくら頑張ったと思っていても、給与は必ず上がるものではありませんし、むしろ上がらないことの方が多いと感じたからです。

給与交渉することで、会社が自分に対して期待している成果や、昇給のゴールが見えることもありますし、なにより会社が自分のことをどう考えているのかを知る機会にもなります。

なぜ、制作業界の技術者が給与交渉をすべきなのか、自分の経験談と経営側の視点から解説してみたいと思います。

Web制作業界の技術者の仕事は、経営者からみると成果が分かりくい。

社長だったり査定をする経営層の人間が、技術面に疎い方だと、その人のスキルに対して、給与が妥当なのかどうかわかりにくいものです。
転職する際に、年収を聞かれることがあるかと思うのですが、その年収をベースに考えるのがほとんどです。

前職で年収500万円の人にいきなり600万円払う、というパターンはすごくまれです。(個人で目立った実績をあげている方などは別です)

会社の経営というのは、スキルというよりは利益・売り上げありきなので、当然と言えば当然のこと。

制作者のような技術職の仕事というのは、営業職のように、いくら売り上げを上げたなど、売り上げに対しての成果が分かりにくい部分があります。

たとえば、大きなプロジェクトに関わったからといって、それなりに色々な人が動くわけですから、自分が頑張ったつもりでも、客観的にみるとそのプロジェクトの一員としか見られないことも多いです。

自分一人がいくら頑張ったとしても、プロジェクト全体の実働工数がかかってしまえば、個人のがんばりを評価するといったことはないわけです。

ですので、給料交渉やアピールをしないと、制作業界の技術職の人間は、スキルを評価して給料をアップしてもらうのは難しいのです。

交渉しなければ、中小企業の給与は上がりにくいのが現実。

私は中小・零細のWeb制作会社を3社ほど経験していますが、給与は交渉しなければ上がらないことも多かったです。

会社全体の売り上げが良くて、決算賞与という形で賞与が支給されることはありますが、ベースの年収は上がりにくいのが現状です。

私は現在、経営側の人間なので分かるのですが、雇用している側からすると、給料そのままで文句も言わず、継続して働いてくれる社員はすごく助かるんです。

特に中小企業の社長さんによっては、言われなければ査定もしないし、決算が良ければ賞与を少し出すという程度の会社も少なくありません。

売上が増えていても、社員に還元しようとはせずに、事業拡大のために人員を増やすとか、新しいオフィスに移転するなど、人件費ではなく、経費を使うことを優先する経営者も多いです。

声を挙げない限りは、給与というのは、従業員にとってブラックボックスなのです。
会社に搾取される」という表現を使う人もいますが、あくまでも経営者は会社という規模で物事をみています。

搾取というと言葉はあまりよくありませんが、会社というのは集団で利益を追求するのが基本ですので、利益を延ばすための人員強化や設備への投資は悪いことではありません。

ですが、個人のレベルで考えた時に、自分に対して注目してほしい、評価してほしいと思ったなら、それなりにアピールしていかないといけないのです。

給料交渉をしないと、がんばりのさじ加減は分からない。転職の判断材料にも。

会社にもよりますが、淡々と制作業務を日々こなしているような制作会社だと、どこまで自分が頑張って成果を出せば給料がいくら上がるといった指標がないことも多いでしょう。

冒頭でも書きましたが、営業マンでインセンシティブのように成果報酬型であれば話は別ですが、Web制作業界だと制作者個人の、目に見える成果というのは明確にはわからないものです。

会社の売上が上がったなどの成果はありますが、では自分がどこまでその売り上げに貢献したかというのは、結局、上層部の心象によるところが多いでしょう。

ですので、自分なりに成果に対して貢献したと感じたのであれば、それを主張しなければ、給料は上がらないのが現実です。

また現状の給与に不満で、転職を考えている方であれば、一度給与交渉をして、どんな成果を出せば自分の給与が上がるのか、また所属している会社でそれは可能なのか、ということを考える機会にもなります。

少なくとも、給与アップするのに、自分のゴールが見えないような会社であれば、転職のきっかけにもなると思います。

何もなしに給料を上げてくれはNG。
給料交渉には根拠をきちんと用意しよう。

給与交渉の理由として「生活が厳しい」「実は両親に仕送りをしていて・・」など、自分の生活や個人的な都合で給料を上げて欲しい、という方もいます。

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