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【車中泊旅2024夏7/2~】7/7 Day6:島根県松江市観光!八重垣神社、松江城、小泉八雲、江戸時代の屋敷、自炊の目玉は「トビウオのお刺身」

今日は松江観光。全然知らなかったんですけど、古代スサノオ、江戸時代の松江藩の歴史、明治時代の小泉八雲と様々な時代の痕跡をたどる事ができる!松江は観光スポットとしてはポテンシャル高い所なんですね。

しかも食も魅力的。昨日はクロヤ(ぐれ)の刺身と宍道湖のシジミの味噌汁。今宵はトビウオの刺身。地物の安くて美味しい魚介類が目白押しなので、そこら辺の情報もご報告します。


〇八重垣神社

松江市郊外にある神社で、主祭神は素盞嗚尊(スサノオノミコト)とその妻の櫛稲田姫、他。素戔嗚尊が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)退治に出かける際に、森の大杉の周囲に八重垣を作って櫛稲田姫をお隠しになった場所とされています。

大蛇を退治して戻られてから、ご両親にお許しを得て姫と夫婦となり、この地に宮を作ったそうです。その時に喜びの気持ちを詠んだ次の歌から、「八重垣の宮」と呼ばれたそうです。

「八雲立つ 出雲八重垣 妻込めに 八重垣造る その八重垣を」

本殿の奥の森には、姫が匿われている最中に飲み水を汲んだり、姿を映して身支度したと言われる泉がありました。八岐大蛇の話など子供の頃には現実とはかけ離れた神話の世界の出来事だと思っていました。しかし、こうして所縁のある土地を訪ねてみると、神話がにわかに現実味を帯びて感じられるのが不思議でした。

朝はまだ閉じている本殿
八雲立つ 出雲八重垣 妻込めに 八重垣造る その八重垣を と刻まれた石
姫が水を汲んだり姿を映した池
立ち去る事に神社オープン!

〇朝マックでプチ作業

次の見どころは松江城なのですが、天守に入れるのが朝8時半からなので、マクドナルドで朝ご飯を食べながら作業をさせてもらいました。今日も朝マック。お世話になりました。

〇松江城、ボランティアガイドさんがブラボーでした

朝8時半。松江城の駐車場に車を停めて観光開始。城門にさしかかると、ボランティアガイドの方に声をかけられたのでお願いする事にしました。

ガイドの方は有料の天守の中にも一緒に入って説明してくださいました。所要時間1時間。自分たちだけで回ったら見過ごしてしまう所も説明して頂いて、非常に楽しく有意義な時間を過ごすことができました。全国の有名観光地で出会うボランティアガイドの方たちには、本当に頭が下がります。

ガイドさんおススメのスナップポイント

さて、今回のお城見学で知った松江藩のプチ歴史。

豊臣政権下 → 毛利家の支配
関ヶ原の戦い後 → 外様大名の堀尾氏が近江国浜松から転封。初代藩主は27歳で亡くなる
          跡継ぎの息子は5歳だったので、初代藩主の父の堀尾吉晴が後見となり、実質の藩主となる
          吉晴は家康から許可を得て、城の場所を島根県安芸市から松江に移して、1611年に松江城築城
1634年 → 堀江氏は跡継ぎができず改易し、京極氏が入城
1638年 → 京極氏は跡継ぎができず改易し、松平直政(家康の孫)が18万6000石で信濃松本藩より転封。以降、雲州松平家が出雲国を継いだ

ということで、毛利→堀尾→京極→松平という流れでした。松平家のエピソードとして面白かったのは二つ。

一つは、初代直政が松本藩から来る時に蕎麦職人も引き連れて来た。そのために、出雲そばが有名になった。
二つ目は、七代目の松平治郷、不昧(ふまい)という号が有名、は財政を大いに立て直したが、晩年は茶の湯につぎ込みすぎて再び財政難を引き起こした。この人もそば好きで茶懐石にそばを入れるなど出雲そば普及に一役買っているんだそうです。

またガイドさんから聞いた中で面白かったのは、松江城が国宝に認定されるまでの顛末。

松江城は1935年に国宝に指定されていたのに、戦後の1950年の文化財保護法の施行では国宝ではなく重要文化財に位置づけられてしまいました。築城年を記した祈祷札が1937年以来、行方不明になってしまって、天守が創建当時のものである確証がないというのがその理由だそうです。

翌年の1951年から松江市は再三に渡って国宝への陳情を繰り返しますが、確たる証拠を提出しないと認定できないという回答ばかり。

とうとう市は、祈祷札の発見に500万円の懸賞金をかけて探すことにしたんだそうです。そして、2012年、天守からすぐ南の松江神社において、松江市史編纂事業の基礎調査を行っていた市職員らが偶然これを発見。この札に開いている釘穴と城の内部の柱にある釘穴のいずれかが合致すれば証拠になると検証が始まりました。松江神社の左手奥に残る白い土塀の蔵が、お札が見つかった場所だと教えてもらいました。

神社本殿左手にかすかに見える白い蔵が建立の証拠の札が見つかった蔵です。
松江城、堂々たる姿です。
天守最上階に再認定された国宝指定書が飾ってあります。

城の中には300本を超える柱があり、検証は途方もない時間がかかると予測されていましたが下の階から始まった懸賞は1階の柱で釘穴が合致した事で、割と短い時間で確証が得られたんだそうです。札がかかっていたという柱も城内で教えてもらい、エピソードに臨場感が添えられました。

ということで、2015年に晴れて国宝に返り咲いたというエピソードでした。因みに証拠を発見したのが市の職員なので懸賞金を受け取れず、浮いた懸賞金は現在、別の懸賞案件にあてられているんだそうです。その懸賞案件とは、城の大手門の上の櫓。現在、この櫓がどんな設計でどんな形だったのかという証拠がなく再建できないんだそうです。もし櫓が残っていた明治時代の写真や設計図などの証拠を提出できる方がいらっしゃったら、懸賞金500万円はその人に渡されるという事だそうです。

このnoteを読んで、思い当たる節のある方は是非松江市役所へご連絡くださいね!

因みに昨年高知城に行った時、ボランティアガイドの方が「高知城もいずれは国宝を狙う!」とかおっしゃっていました。松江城の例にもあるように、確たる証拠が揃えば国宝になれるんだと知り、高知城の国宝への夢もあながち現実味がないわけじゃないんだと知ったのも今回の発見で面白かったですね。

〇小泉八雲ってこんな人だったのね

さて城を出てお堀沿いに来ると、江戸時代の武家屋敷が連なる場所があります。その一角に小泉八雲が家族と住んでいた場所があり、現在は小泉八雲記念館となっているので訪ねてきました。

外国人でありながら日本に興味を持って帰化し、出雲の国を愛して小泉八雲を名乗ったというくらいの認識で記念館を訪れました。

小泉八雲の人生をたどり、どういう経緯で日本の文化に惹かれていったのかという説明がされている展示で、非常に面白かったです。ギリシャ人の母とアイルランド人の父の間でギリシャに生まれたのに、2歳でアイルランドに移りイギリスとフランスのカトリックの教育を受けた時から彼の中で疑問が生まれていったという説明。

ギリシャと言えばギリシャ神話を思い出します。いわゆるキリスト教世界というよりは日本の神話の世界に近いと思えるギリシャ神話。2歳までしかいなかったとしても母親から流れる文化的な物の影響が強かったので、キリスト教世界になじめなかったのだろうかと思いました。

その後、アメリカに移住してからもニューオリンズでクレオール文化に触れたり、マルチニーク諸島に住んでみたりと、彼の関心は私の感覚だと八百万の神とか土着信仰という物に向いていたんだろうと思います。だから出雲の国は彼の関心にぴったりと合ったんだろうという想像は難くないですね。

日本人女性と結婚して4人の子供をなしたハーンは、54歳で心臓発作により生涯を閉じたそうです。記録展示を見る限り、80代まで生きていたかのように濃い駆け抜けた人生を感じました。

〇江戸時代のお屋敷

小泉八雲記念館の通りをお堀沿いに進むと武家屋敷が連なっています。和食料理の店になっていたり土産物屋になっている中に、内部を見学できるお屋敷があります。

高級武士のお宅なので、広々として掛け軸などもあってしつらえもいいのですが、例えばフランス貴族の家などと比べると装飾品は質素で、かなり渋い詫び寂びの感じがしました。海外からいらっしゃる方から見ると、こういうのが逆に素晴らしい!って事になるのかなぁとも思いました。

武家屋敷入口
客人をお迎えするお座敷
色々解説付き

〇「松江ホーランエンヤ伝承館」で知る十年に一度のお祭りとは?

1648年に出雲で大凶作となった事を受けて、時の藩主、松平直政(初代松平家藩主)が五穀豊穣を祈願して始めた祭りだそうです。

日本三大船神事だだそうです。

城山稲荷神社の御神体を船に載せて阿太加夜神社まで運ぶという祭りは、9日間に渡って行われ、途中川に繰り出される船は100隻を超えるというから、かなり壮大な光景となる事が想像できます。

こちらの記念館では実際の祭りの映像とともに、歌舞伎のような恰好をした踊り手の実物大の人形も展示していて、祭りの華やかさを実感できるようになっていました。次回は2029年5月開催だそうです。

〇日曜日のショッピングモールのフードコートは大混雑

さて、無事に観光も終えましたので午後は作業でもしたいと、県立図書館を訪れました。しかし、こちらの図書館の自習室には中高生が塾のようにひしめいていて、しかも使える電源もありません。

そこでイオンモールのフードコート。カウンターにコンセントがついた席がありました。しかし日曜日の昼間という事で、家族連れや中高生のグループがびっしり。何とか席を確保して作業する事ができました。

〇ちどり湯は400円でも立派な温泉

銭湯の位置づけです。シャンプー、リンス、ボディソープなどは一切置いていません。しかし、入浴料は400円と銭湯よりも安く、しかも「松江しんじ湖温泉」のお湯をひいている立派な温泉でした。設備も新しめで非常に快適。

ちどり湯入口

〇念願の「トビウオ刺身」でBARタイム

島根県に入ってきて、スーパーで何度か「トビウオ刺身」を目にしていました。値段はブリや鯛の刺身と同じくらい。しかし、昼間はみかけても夕方に行くと常に売り切れ。地元の人に人気が高いんだろうなと思い、食べてみたい気持ちが募っていました。

ようやく買えた!

そして今日、大手のイオンモールでトビウオの刺身を買うことができました。

今夜の宿泊地は松江市役所隣の「末次公園」。こちらでトビウオ刺身を肴にBARタイムスタート。昨晩はクロヤという魚の刺身を食べたのですが、それに負けず劣らずトビウオも美味しい。刺身が美味しい場合、「脂がのっていて美味しいねぇ」と脂で旨味を感じるというのはよくあるんですけど、クロヤやトビウオみたいに魚の味自体が美味しい魚というのは初めてかもしれません。トビウオは「あごだし」の元になる魚ですから美味しいのも当然かもしれませんね。西日本でメジナ、あるいはグレと呼ばれる真っ黒な皮の魚は、ここではクロヤと呼ばれているそうですが、こちらも上品で旨味が強い味。

島根で出会ったクロヤとトビウオ。いい思い出になりました。

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