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マナーの悪い外国人観光客の共通性


最初に言っておくと、ほとんどの外国人観光客はマナーを守ろうとしているし、自分が訪れた場所に住む人々の生活に配慮するべきだと思っていると思う。

近年、一部の外国人観光客のマナーの悪さが問題になるまでは、日本に来る外国人観光客は、もともと日本が好きで、日本語を勉強したり、日本の文化を尊敬する人が多かったのだと思う。

しかし、これまでにないほどの日本ブームや円安の影響もあって、大量に外国人観光客が訪れるようになると、特に日本の文化に興味もなく、日本人の生活に配慮できるだけの品性を持たない人も混ざるようになったのだろう。

彼らの共通性は、教育が足りない、ということ。(学歴の話ではない。)

自分とは違う文化やマナーを尊敬し、配慮する必要性を理解する機会を持てなかったのだろう。

私は今年、コロナ禍をはさんで6年ぶりに2か月間日本に帰国した。

今までも、帰国するたびに外国人観光客や外国人労働者の増加を目にしてきたが、幸運なことに、これまで一度もマナーの悪い人には会ったことがなかった。

しかし、今回京都に行ったときには、ショックを受けた。

鴨川の河川敷に積みあがった大量のゴミ。

神社の鳥居に寄りかかる人。

賽銭箱の前で寝そべってポーズを取る人。

写真のスポットをみんなが並んで待っているのに、周りを見ずに順番抜かしをする人。

それでも、ヘンな人は大勢の一部であり、ほとんどの人は日本が好きで、日本人の生活を尊敬しているように見えた。

多くの外国人が、日本語が話せなくても、レストランやお店でサービスを受けた時に、お辞儀をして「アリガトウゴザイマス」と言っているのを見て感銘を受けた。

(神社仏閣への落書きなども問題になっているが、それらの犯人については、マナーとかの話ではなく、カルト的な偏った思想や、個人の精神の歪みが原因と思われるので、ここでは「マナーの悪い観光客」からは除外したい。そもそも犯人らは観光に来たわけではないだろう。)


私がここで問題にしたいのは、マナーの悪い観光客が西洋人の場合である。

特に「日本人が英語を話さないこと」をバカにする、知性のない西洋人のことだ。

彼らには、自分が人種差別主義者であるという自覚がない。

人種差別主義者とまでは言わなくても、一部の西洋人は「西洋人(白人)は有色人種より地位が高い」という無意識の観念(偏見)を持っていることを隠さない。

私がそれを意識するのは、日本だけではない。

今まで、西洋人の国ではない観光地、タイで、バリで、フィジーで、クック諸島で感じた不快感。

それを、今回、日本で感じることになった。

異文化への尊敬を示す能力がない、その必要性も理解できない彼らの無知と無関心には、必ず、歴史上、世界中で起こった野蛮な植民地政策との関連がある。

彼らの無意識は、有色人種を自分たちと同じ人間と見なしていない。

だから、野生動物を駆除するように、先住民を大量殺戮できたのだから。

だから、アフリカ人も奴隷にできたし、ベトナムで枯葉剤を撒いたし、日本に二発の原爆を落とした。

アメリカは先住民の住む地区で原爆の実験をし、フランスは自国ではなく、南太平洋で水爆実験をした。

西洋人の国では決して起こらなかったこと。

「白人は、有色人種に何をしてもいいと思っている。」

「なぜなら、同じ人間とみなしていないから。」

彼らがその無意識に気づけることが教養であり知性なのだ。

もっというと、人間としての品性である。

私が住むニュージーランドという移民の国、かつて植民地化政策により元イギリス領だった国では、先住民が未だにその被害と傷に苦しんでいることをデータが明らかにしている。

統計は、いまだに先住民の貧困率が西洋人より高く、寿命が短いことを示している。

明らかに社会の中に構造的差別があるのだ。

つまり、世界中で起こったジェノサイドである植民地政策は、まだ続いている。
構造的差別は、人の無意識からも影響を受ける。

有色人種は被害を被り続けている。

だからこそ、社会を良くするために、不平等をなくしていくために、NZには植民地政策への反省が(充分とは言えないが)あり、故に、世界で最も多様性に理解があり、人種差別を含む、あらゆる差別に敏感な国になった。

人権意識が高い国だから、国民は人種差別主義者を軽蔑し、恥ずかしく思う。
(トランプ支持者に対する態度も然り。彼が無知で野蛮で下品な人種差別&性差別主義者だと思っているから。)

なぜなら、人種差別する人は無知(ignorant)ということになっているから。

自分と違う立場や文化に配慮できないのは、教養と品性の欠如だという認識があるからだ。

差別する人や、無神経な人のことを英語でignorantと言う。

余談だが、偏見を承知で書くと、世界からのアメリカ人の印象は「傲慢で無知」だ。

もちろん、いろんなアメリカ人がいるのが事実である。

知性と教養のある、上品なアメリカ人もたくさんいるのでしょう。

でも、ハリウッド映画を見るだけでも、アメリカ人が世界をどのように認識しているか、他の国、他の文化への配慮があるかどうかがわかるでしょう。

私は日本に住んでいたとき、既にハリウッド映画に憤慨していた。

まるで世界はアメリカのものだと思ってるみたい。

アジアの国々を軽く扱っている。

なんて無知で傲慢なのかしら。

それって品性に関わること。

そう思っていた。

アメリカ以外の国に移住して再確認できたことの一つに、「世界の中では、アメリカ人は無知で他の国々の人種や文化への配慮がなく、『アメリカが世界で一番で、自分たちは他の国でも好きなように振舞ってもいい』と思っているバカに見えている。」ということがある。

ヨーロッパへ旅行したときにも、そのことを再確認した。

ヨーロッパの現地の人にとっても彼らは「傲慢で無神経(=下品)。わざとらしくウザいヘンな英語(アメリカ英語)を話す、うるさくて迷惑な観光客」と思われていることを知った。

誤解のないように補足すると、私はアメリカ人が嫌いではない。

NYに留学中は、差別された経験は全くなく、フレンドリーで親切な人ばかりだった。

ただ、アメリカ以外の国々で、びっくりするくらいアメリカ人は嫌われているのが事実である。

アメリカ人だけではない。

インドネシアの観光地バリ島で、現地の人たちが、彼らの文化や生活への配慮もなく、バカ騒ぎをするオーストラリア人たちを、顔をしかめて煩わしそうに、軽蔑の混ざった目で見るのを何度も目にした。

私たちを自宅にまで連れて行ってくれ、妻と娘さんにも会わせてくれた、日本語の堪能なバリニーズのあるガイドは、オーストラリア人観光客について日本語で「あいつらはバカ」と言い、中国人団体客を「喧しい」と形容した。
もちろん、だからと言って、彼らが日本人観光客を手放しで歓迎しているわけではないことくらいわかる。私たちだって現地の人には何を言われるかわからない。


日本でも、外国人観光客が増えれば増えるほど、彼らを不快に思うことも増えていくのだろう。

現地の人々の生活する場と、観光客が入れる場所を分けるのも一つの方法だと思う。


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