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島セルフレポ3 ミッドサマーは去りゆきて

 生まれて初めて「決してクソゲーではないのに完全に無理ゲー」という希有なゲームに遭遇してしまった。
 その名も「I Am Bread」。PS4でゴールデンウィーク時期にセールだったので買ってみたんだけど、セールプライスで良かった。でなければ立ち直れまいよ。
 パンがトーストになる為に縦横無尽に駆け回るゲーム。もうこの時点でわけがわからなくて面白がってカートに入れた自分が愚かだった。完全に「俺がパンだ!」のノリ。
 二日ぐらい全力で頑張って「俺はトーストに……なれない……」と判断、極めて理性的にPS4の電源を切りました。コントローラーの尊い命は今回も救われた。
 ゲームとしては本当に面白いのでもったいないなあ。だってパンが意思を持って部屋を荒らすとか、普通の脳みそじゃ思いつかないでしょ。おかげで部屋の住民は精神障害を疑われる有り様だし。
 パンになってやりたい放題できるよ!ってだけならファンタジーなんだけどその住民が実害を受けたせいで精神科が乗り出すとかいう謎のリアリティがゲームとして最高に楽しい!
 だけど操作が難しすぎる!難しすぎて二時間かけても車のエンジンをかけられない!これではトーストになれない!!
 老後を迎えたころ私がゲーマーとして多少の成長を遂げていたら日なたぼっこしつつリベンジしたく思います。クリアできたら神ゲーになりそうだし。
 (ところで気になったのは2015年ごろのゲームなのに車がシフトレバーなんだけどさすがに珍しくない?免許を持ってない私でも違和感がある。制作者がちょっとお年を召した方なのかな?それであのゲームクリエイトセンスか……やばいな)


 そんなことんなでゆるゆるな「あつまれ どうぶつの森」(以下あつ森)に帰ってきました。
 良いねあつ森。二時間おなじことにトライするとかいう無茶ぶりがなくて。ほんと良いよねあつ森。とてつもない安心感。
 というわけで島セルフレポその3です。


 本日は最北の畑周辺からずっと離れて南側の話。

マップのピコンのあたりの話。
そういえば前のセルフレポのマップが島クリ真っ最中のやつでした。
こちらが現行版です。


 畑まわりの次に作ったのがここ。

音楽は「あいりっしゅそんぐ」。さあ踊ろうぜ。

 
 ここって何?
 と聞かれたら「なんでしょう……」としか答えられない。

 
 そもそもの話、島クリをやろうと思ったきっかけはメイポールだったのです。
 夏至祭でお買い求めできるイベント家具。

これ。昔の島、なつかしいなあ。


 私の島は南半球にあるので、昨年末のアプデを機に復帰後、一ヶ月後あたりにめぐってきた冬至は夏至。
 冬至(北半球)だとゆず湯、夏至(南半球)ならメイポール。という振り分けだったはず。
 (ゆず湯もツイッターのフォロワーさんからちゃっかり頂きました。いつもありがとうございます)


 メイポールって言ったらあれよ。
 映画「ミッドサマー」
 他にある?ってくらい「ミッドサマー」。
 (後述するけど「ウィッカーマン」とかあります)

 もうね。この映画が本当に大好きで、映画館には五回ぐらい観に行ったんじゃないだろうか。ディレクターズカット版も含めて。
 もちろんBlu-rayも買った。何なら大奮発してヒグチユウコ仕様で買った。でも今や配信で通常版もDC版も観れるおかげでBlu-rayで観たのは一回ぐらい。映画好きの購入末路あるある。良いのよ家宝はおいそれと取り出さないものよ。
 「ミッドサマー」は私のまわりではあまり好評とは言いがたいらしく、「グロい」とか「怖い」とか「わけわからない」とか。
 確かにグロいし(アッテストゥパンだから仕方ない)、怖いし(そこが良い)、わけわからないんだけど(異文化だもの)、アリ・アスター監督はあれをホラーではなくラブストーリーと断じているのでせめて「人間が怖い」の部類に入らないかなあ……と……。
 (ちなみに同監督の前作にしてデビュー作「ヘレディタリー/継承」は完全にホラーです。そして私は両作を製作したA24の新作「Lamb」の日本公開を今か今かと待ちわびている。絶対やばいやつ)

 北欧の小村が舞台となる「ミッドサマー」においてメイポールは重要な役割を果たす。映画のシンボルといっても過言ではない。
 「ミッドサマー」がモデルにしたと言われる映画「ウィッカーマン」にもメイポールは出てきて日本人には何かよく分からない儀式の道具になっている(そしてちょっと笑えるくらい悲惨なことになる)。
 あつ森のメイポールは二〇二一年末の冬至(南半球の夏至)で追加された新家具の模様。
 森離れしていた私が戻ってきたタイミングでこれとはもう、「ミッドサマーやってね!」と言わんばかりじゃないか。
 オッケー任天堂!やってやるわ!

 
 しかし重要な問題があった。
 わたくし、既に「ドラゴンクエストビルダーズ2」(以下ビルダーズ)でも「ミッド島ー(仮名)」を作成中。どれだけ「ミッドサマー」が好きか知れようというもの。
 (なお「ミッド島ー」にする前は「デスス島」だったんだけど別に「デス・ストランディング」が好きとかではない)
 ビルダーズの島は既に半年以上も放置しているけど完成させる気はある。一応。「ビルダーズ3」発売前には。少なくとも「3」の情報が公開されてからは本気を出したい(つまり未定)。
 映画「ミッドサマー」を島のモチーフにする、そういう同じことをあつ森でやってもなあ……というわけでしばらくメイポールの場所や使い方も保留にしていたのが、ある日ひらめいた。

 同じことをビルダーズとあつ森ではやれない。と。

 技術的というか、ゲームシステムというか、そういう意味でできない。そもそも違うゲームなんだし。
 たとえばメイポールだってあつ森では既にアイテムとして完成品が手もとにあるけど、ビルダーズではメイポール自体をちまちま作らないといけない。
 ならおのずと違ってくるわけです、こう、アプローチというのか、何というのか。


 もともとメイポールについて完全に無知だったわけではない。なので、まず改めて自分の中のメイポールのイメージをよくよく探ってみた。
 何か高い棒にリボンをくくりつけて踊るんだよね?(山岸凉子のバレエマンガ「テレプシコーラ」で踊る順を間違えてリボンがこんがらがる場面があった)
 恐らく豊穣を祝ったり感謝したりする儀式の象徴なんだろう。北欧や東欧、中欧でも山岳地帯にあるイメージ。キリスト教化が進んでもローマの介入を避けやすいため残り得た信仰の名残なんじゃないだろうか。
 豊穣や繁栄と男性器が結びつくのは珍しいことじゃないから「ウィッカーマン」も「ミッドサマー」もそのあたりがフォーカスされていく。キリスト教文明との差異を強調できるし。
 でもあつ森のマイ世界観にはそぐわないからそこはカット。
 シンプルに豊穣っていうことなら我が島には畑があるじゃん!

 畑と果樹園→生産性→島の繁栄→←メイポール(左すべてを祈り感謝を捧げる)

 流れとしてはおかしくないのでは?

 
 あと農業の島みたいにしてしまうと私の知識ではカバーしきれないし、アイテムも足りない。いくら「とうみ」とかいうマニアックすぎる家具を追加してくれても島全域をカバーするのは無理がある。
 何となくふんわりファンタジー要素があった方がバランスが良いんじゃないか。
 というかどっちかというとリアル志向ではあるよな。
 というか普通に畑のそばにお社とかあるもんな。
 というかそういう雰囲気の方が私が作っていて楽しいだろうしな。

 というわけでそうなりました。


 当初は空港のそばの河を渡った南全域を完全な更地にして、メイポールだけ置いて、あとはミッドサマー的な白いテーブルとパイでも用意すればそれっぽくなるんじゃないかと、とりあえずやってみたりした。
 が、しずえさんに「もうちょっと何か作ってください」と怒られたり、意外とそれだと逆に土地が足りなかったり、あとは化石などのポップ範囲が広すぎて疲れる、とかもあってまず二段目を作った。
 その中央にメイポールを置いてみたところ、何かもっと……もっとできないかなあ……と島クリ(崖づくり)の熱が高まり、渾身のファンタジー感をダダ漏れさせることに。
 (映画で好きなジャンルはホラー、苦手なジャンルはファンタジーです)

下側から。
こういう崖を作るのがすごく楽しくなってきた頃。
見晴らしの良い場所にしたかったから背の高い家具はない。
というかそもそも家具がほとんどない。

 
 だから、ここ何するとこ?って聞かれても「何か……祈るところ?」としか、せいぜい答えられない。
 実際は住民が通り過ぎたりたまに花の世話をしてくれるぐらいで誰も別に祈ったりしないけど、それで良いんです。民俗学的信仰なんてそんなもんです。


 ただ、一応こだわりはあって、メイポールを起点にある位置からは木や花が育たないとか(二日に一回、手動で手入れしてます)、例外的に珍しい花は生存できるとか、大型アプデで追加されたヒカリゴケとプルメリアは原則このあたりにしか無いとか、いろいろ。

 豊穣を祈る場所なのに育たないってどゆこと?
 お答えしましょう!
 この場の力が島の根源なのです!
 だからこの場ではいのちは育たないのです!
 これぞ自然の理!
 (いま考えた)

苗木のまま育ちません。
下側まで力()が及ぶため花も育ちません(マニュアル)
うまく力()から逃れた木は育ちます。
木が育っても珍しい花とヒカリゴケに邪魔されてキノコとかは生えません。
狙ったわけでもないのに石がこの周辺に集まってくれて助かった。
あつまれ石の森(ショウタロウではない)
 

 
 作った人間にしかわからないやつです。
 むしろそういう要素があるから楽しんで作れるやつです。

 島クリ完成前に秋が来てしまい、あたりが紅葉していく中でメイポールだけ青々としている違和感も、何か不気味で良い……と自分では思ってる。

低木みたいに季節ごとに地味に色は変わらないらしいと今日、知った。

 
 あとは大量の花処理をこの周辺で何とかしたり。

何とかといってもカタマリとしては五本しか何とかできていないところがまた……
お越しの際はどうかスティックを倒しまくって真上からご覧くださいませ。
数パターン作って杭に飽きたので、
針葉樹の苗やフルーツの苗を使ってみました。
予想外に良い感じにできたので嬉しい。
夏の間は木と地面の色がもっとはっきり分かれていたけど、
秋になって溶けこんでいるのも一興かな。


 花畑ではなくこの謎の飾り方にしたのは自分でも良いアイデアだったなと自画自賛したい。
 (ちなみに杭?は島の中でもここでしか使っていないしこの使い方しかしていない)
 スズランの飾り方も意外な感じが出ていてお気に入り。何かアーガイルっぽい。
 この段階で木の生長過程について結構まじめに勉強したなあ。ぼんやりしてると三日後にしれっと若木になっていて焦ったり。

 実はここに限らず影にもこだわっていて、このあたりを作り出した頃はメイポールの影が下の池に大きくさしていたので池の中に飛び島(飛び石?)みたいのを作らずにいたんだけど、秋になったら影の位置もずれたっていう……。

紅葉が舞う季節の正午だと影はちょうど池の中央に来る。
夏は影の先が対岸ぎりぎりまで伸びていた。


 おかげでというのか、メイポールの影で時間をはかれるようになりました。私が小学生ならあつ森の知育的な部分が再評価される瞬間。


 で、こういう場所を作ったからには周辺は田舎なんだろうなあ。
 ということで、ここから畑に至るまでは田舎エリアにすることにして、となると博物館がある逆側(南東)は都会風にすると良いかな?
 などとこのあたりでようやくマップが自分の中でできてきた。遅すぎる。

 畑まわり=「ジュリエットからの手紙」(イタリアが舞台)
 メイポール=「ミッドサマー」(北欧が舞台)

 となると、都会はどうしようかなあ……と悩み出したわけだけど、ひとまず次回の島セルフレポも田舎の話です。たぶん。



都会と田舎をパーゴラで区切ったり
異界()への入り口をパーゴラにしたりパーゴラ大活躍
(マイル消えた)
その異界()の監視者の一人がナイルちゃんという設定。
だからスフィンクスがあってもおかしくない。
おかしくない!



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