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初めてのアメリカドライブ。サンフランシスコ市街地から、Big Surを抜ける海&山の絶景ルート。Pacific Coast Highway(前編)

アメリカ旅行の主目的のひとつだった、サンフランシスコ・フリートウィークのエアショーを悪名高いKarl氏に潰されて、失意のもとに迎えたアメリカ4日目。それでも旅は続く。

ここからはカリフォルニアを大移動。ドライブ旅の始まりです。


クルマ好きであり、ドライブ系のユーチューバーもやってた僕なので、運転はお手のもの。ドイツ・イタリア・ジョージアなど右側通行の国でも運転したことあるし、なんなら日本で左ハンドルのクルマに乗ってたこともある。

とはいえ、なにげにアメリカの運転は初めて。

なんだかんだルールが違う海外では、いきなり車の多い市街地ど真ん中の運転は避けることにしていて。手っ取り早いのは空港で借りて、そのまま高速道路に行くパターン。

でも、今回は最初の3日がクルマいらずの旅程で(レンタカー代削減の意味もある)、空港も遠い。

そこで目をつけたのが、ホテル内のレンタカー営業所。フィッシャーマンズワーフからはずっと海沿いに大通りが続いていて、みなとみらいのような安心感。道なりに走り続ければ、そのまま高速道路。

その大通り沿いのハイアットにバジェットレンタカーのカウンターがあったから、そこで予約しといたわけです。


3日間お世話になった宿から、レンタカーがあるハイアットまでは約4km。手ぶらなら歩いてもいいけど、さすがに荷物全部かかえていくのはしんどいから、Lyftアプリでタクシーを呼ぶ。

空港からのタクシーと違っておしゃべり好きの運転手で、10分ほど話す。

「いま、日本で一番稼げる仕事はなんだい?」

この質問にはちょっと困った。もうずいぶん、そういう観点で仕事を探してないし。「需要はあっても薄給」も日本あるあるだし。

そんなわけで、「難しい質問だね…ITエンジニアかな?」と答えると、「どこも一緒なんだね〜。ここもそうだったよ」と。

シリコンバレーといえども、ビジネスとしても労働者としても競合が増えすぎて、ITで稼ぐのは相当厳しくなったらしい。

いまサンフランシスコで一番稼いでるのは、看護師だとか。

今度は僕の方から、「UberとかLyftは今でも魅力的?」と聞くと…。

「会社側に取られる手数料が高すぎて、もう全然旨みがないよ」だって。

サンフランシスコ空港からさっきの宿まで60ドルだったよと話したら、めちゃくちゃ驚いてて、「運転手の取り分は22ドルだよ!」と怒ってたw

その区間は距離にして25km。でも夕方でところどころ渋滞してて、1時間弱かかったから、単純に時給としてみたら25ドルぐらい。

でも、この手のギグワークはいつ仕事があるか不安定なことと、タクシーやるにはガソリン代やクルマのメンテ&清掃コストもかかる。

そう考えると、昨日見た時給20ドルスタートのハンバーガー屋のバイトと変わらないか、ヘタすりゃそれ以下ということに。

「誰でもできる仕事」の価値って、そういうことなのかもしれない…。


そうこうしてるうちに、レンタカー事務所のあるハイアットに到着。

超イケメンのドアマンが流麗な所作でドアを開けつつ、フロントデスクの案内をしてくれる中、「いや、実はレンタカーデスクに行きたいんですw」と伝えると、さっと教えてくれる。

すぐにデスクは見つかったけど、そこにいた店員はドアマンの雰囲気とは正反対。黒Tシャツのアゴひげマッチョ。ザンギエフのアメリカ版(言い方)

これでも大手レンタカー会社、しかもハイアットの中の店舗だというのに…さすが自由の国・アメリカw

予約内容を伝えて、使うつもりだったカードのPINを覚えてなくて別のカードを使う羽目にはなったものの、「んじゃクルマ準備するからそこで待ってて」と言い残してどこかへ。

数分後、別のお客がやってきて、話しかけてくる。

客:「すみません。レンタカー待ってますか?」
た:「はい。店員は僕のクルマ取りに向かったところです」
客:「どこに?」
た:「さぁ…?」
客:「そうですか。店員いなくてずっと待たされることあるんですよー」
た:「なるほど、すると今日の僕はラッキーですね」
客:「店員がちゃんと戻ってきたら、ラッキーですね」
た&客:「HAHAHA…」

そんなノリの仕事が許される黒Tマッチョ、いくらもらってるんだろう…?


それから5分ほどすると店員が戻ってきた。
2日間のエアショーが潰された不運が効いているのか、ラッキー!

無事にキーを渡され、車種はカローラ。予約クラスと一緒。

普段なら「アメリカまで来て日本車か…」ってなるんだけど、今回は走行距離も長いし、まわりに何もない荒野も走ったりするから、低燃費&日本品質のトヨタは大歓迎!

で、クルマの場所を示していたと思われる、謎の単語を言われる。
3回聞き返しても分からない…。

「そこまっすぐ行って、外に出て、右。黒のカローラ。グッバイ!」


幸い、クルマはすぐに見つかった。

荷物をトランクに放り込み、運転席に座ると、日本の最安グレードなレンタカーと違って、大きなディスプレイオーディオが付いてる!CarPlay使えるのでは?

が、BluetoothやUSBでつないでも連携する様子はなく、なんか専用アプリを入れろとか言ってくる。

ホテルの車寄せでモタモタするのもイヤなので、とりあえずスマホでGoogleマップを設定して、クルマのメーター部分に横向きに置いて出発。

…これが最初の失敗。


Googleマップをカーナビ代わりに使ったことありますか?


たまに、すごく狭い道をクネクネと案内してくることありますよね。

僕は運転に自信あるし、むしろそういう道を案内されると「よろしい。見ていたまえGoogleよ」と、スルスル突っ込んでいくんですけど。

日本なら。

でも、今回は「不慣れな海外で、いきなり市街地を走りたくない」から、1本道で高速道路に行ける場所でレンタカーを借りたんでしたね。

普段から当たり前にGoogleマップをナビとして使ってるので、このことを完全に忘れていて…。

「海外でも同じアプリが使えるのは本当に便利な時代!」とか言いながら、経由地をセットしてカローラを発進させたのでした。


「800m先を右方向です」
「300m先を左方向です。その先、右方向です」
「この先、左折専用レーンがあります。ご注意ください」

…。

完全にやらかした。

救いだったのは、このあたりはビジネス街で、しかも実は祝日(Colombus Day)でクルマも人も少なかったこと。

日本と逆側を走る国では、交差点を曲がるたびに「右折は小回り、左折は大回り。右側通行右側通行…」とおまじないを唱えながら運転するんですけど(マジ)、今回も基本を忠実に守りながら市街地をなんとか突破。

高速に乗ってしまえばこっちのもので、あえて遠回り(だけど絶景)のPacific Coast Highway方面に向かうための分岐さえ間違えなければ大丈夫。

間違えてないよ!

高齢者ドライバーが異常にゆっくり走って後ろが詰まるという、日本の田舎みたいなことが起こるはずもなく、ハイペースに疾走していくのでした。


1時間ほど走って、最初の休憩。

このPacific Coast Highwayは高速道路ではなく、あくまで州道1号線。

日本でいえば「立派な県道」ぐらいの位置付けで、サービスエリアや道の駅みたいなものはほとんどない。

代わりに「State Beach」という、州が管理するビーチ&駐車場は点在していて、そこで休憩することはできる。

が、看板を見ると、Parking 8ドルとか書いてある…。
たかだかトイレ休憩に1200円…!?その割に、係員とかいないけど…。

後で知ったのは、ここで一度払うと、その日はどこの州立公園でも止められるみたい。ただ、係員もいないし券売機もないし、どういう仕組みなのかは謎のまま。

そんなわけで、一応は有料施設なのに、トイレきたねーww
自分が男でよかったな、と思う瞬間w


そんなわけで、お気づきの通りドン曇り!!

せっかく伊豆をドライブしてるのに、ずっと曇ってるような感じで、今ひとつ気分も乗らない。

State Beachだけでなく、路肩にも止められる空き地が結構あるので、ところどころキレイっぽいところは止めつつ。

サンフランシスコを出発して2時間弱…。

ついに…。

ようやく…。



晴れたぁ〜っ!!!

青空自体はサンフランシスコで昨日見てはいるものの、晴れてほしいタイミングで晴れたのは、この時が初めて。嬉しくて自撮りしちゃったぐらい。

そこからはしばらく、右手に海、左手に山という、Pacific Coast Highwayの醍醐味といえるドライブを堪能したのでした。

そして、この日の道のりの中間点にあたる場所、サンタクルーズに到着。

ここはまったく下調べしてないものの、この崖の下はサーフスポットらしく、サーフィンを楽しんでる人たちもチラホラ。

ここにはちゃんとしたトイレもある、大きな無料駐車場が整備されていて、心置きなく休憩できた。

ここからもう少し先に行くと、ビーチ沿いの観光施設があるようだけど…。

興味がある場所とない場所の扱いが極端に分かれる僕、そこはスルーして先を急ぎます。なんとなく車窓から眺めておしまい。

町のメインストリートのど真ん中になぜか線路もあってビビる…。
滅多に電車が走ることはなさそうだけど、路面電車が走る町を運転するの嫌いなのよw



このサンタクルーズからは、陸地が半円状に削られたようなモントレー湾が続いていて、対岸のモントレーまでの50kmほどが一大ビーチリゾート。

なんだけど、砂浜の砂が道路に飛んでくるのを防ぐためなのか、しばらく道は内陸を進み、海は見えない。

で、また雲行きが怪しくなってきて…。


モントレー、そして対をなす人気観光地のカーメルに着いた頃には、霧…。

もう、西海岸は「この日しかない」という旅で通るにはお天気リスクが高すぎるから、もっと柔軟性のある旅のときに来ることにしよう…。

このエリアには、海越えショットで有名なゴルフ場を擁するペブルビーチや、そこを抜ける絶景ドライブコース「17マイル・ドライブ」、さらにはグランツーリスモにも登場するサーキット「ラグナ・セカ」などなど、見どころはたくさんあったんだけどね。

霧の中で巡っても楽しくないから、悔しいけど全部パス!!



モントレーを過ぎると、今度はビッグサー州立公園のエリアに。

ここは西海岸有数の景勝地らしく、西に太平洋、東に州立公園の山々という、Pacific Coast Highwayの目玉といえるエリアらしいんだけど…。

相変わらずのドン曇り。

ただ、部分的に晴れてるエリアというのもあって、8ドル取られる(とこの時は思っていた)State Parkではない休憩場所として発見したビジターセンターは晴れていた!

なんか、macOS Big Surの壁紙の雰囲気出てない??(伝われ)

この辺りは、道路沿いには海の絶景スポット、少し山側に入る道を進めば山の絶景スポットと、いい景色はいくらでも見られるみたい…晴れてれば。

しかし、残念ながら晴れエリアはごく一部なので、せっせとクルマを走らせます。

天気が良ければ、オープンのマスタングで駆け抜けたら気持ちいいだろうな〜。


さて、ドライブも終盤に。

お天気のせいで途中の気になるスポットの多くをスルーしてきたにも関わらず、目的地に近付いた頃には日没。

ギリギリ、夕焼けらしきものも見られた。

イマイチな天気ではあったけど、青い空と青い海の組み合わせも見られたし、ビッグサーも一応感じられたし、フリートウィークの悲劇と比べればマシだったということにしよう!



こうして、サンフランシスコを昼前に出発してから7時間弱で、約400km離れた本日の目的地、サンシメオンに到着。

ここは別に何があるというわけでもなく、サンフランシスコとロサンゼルスの中間点で、良さげな宿があったから…というのが選んだ理由。

フロントのお兄ちゃんと「ドライブは楽しかったけど、だいぶ曇ってて残念〜」という話をしたら、「まぁ、だいたいいつもそんな感じだよ」とのことで。

なら、めちゃくちゃ運が悪かったわけじゃない…と自分に言い聞かせることにした。


次回はロサンゼルスへ!


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