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TechCrunch Disrupt 2023 参加レポ

こんにちは!元起業家のVC投資家、千葉道場ファンドの石井です。
先週チームメンバーと9/19-22に開催されていたTechCrunch Disrupt 2023に参加してきました!

なぜか私のネックストラップが投資家カラー(緑)じゃないという謎…

パンデミックを経て、私にとっては4年ぶりの海外カンファレンス、そしてアメリカ出張となりましたが、本当に有意義な出張となりました。

このnoteでは参加を通して気づいたことなどを書いていきます。

■イベントの規模について

今回の会場はサンフランシスコ中心部のMoscone West。以前はAppleがWWDCの会場としても利用していたとのこと。

初日、私は入場まで1時間以上並びましたw

TC Disrupt2023の参加者は1万人以上とのアナウンスをどこかで見たがするのですが、そう考えると同じく1万人を超えたIVS KYOTOは本当に凄かったんだなと再認識しました…!IVSヤバい。

■トレンドの移り変わりの速さ

スタートアップ業界はドッグイヤーとよく言われますが、特にベイエリアはその動きが顕著ですね…

会場を歩いてみても、セッションのリストを見ても、Web3、NFTというワードは(少なくとも私は)見かけもしなければ耳にもせず、2022年の盛り上がりは何だったのか状態でした・・・

その代わりに盛り上がっているのはもちろんAIです。そのため、例えるなら[サービス名].eth という看板が、すべからく[サービス名].aiに変わっているような印象をもちました。

一方、ブロックチェーン技術を活用したFinTechスタートアップのブースはいくつかあり、クリプト冬の時代と関係なく社会実装が進んでいると思われます。

TechCrunchの記事等で読んではいたものの、実際にトレンドの移り変わりの速さを目にすると、その勢いに圧倒されますね…

■STARTUP BATTLEFIELDについて

TechCrunch Disruptで開催されるピッチイベントです。事前選考を通過した上位20社が大きなステージでピッチ。更に上位6社が決勝で戦う形式です。(上位20社以外にも200社まではTC Disrupt会場内でピッチを行い、投資家などにアピールできる。)

今年のファイナリスト6社と、それぞれのピッチは以下のURLにて。

個人的にユニークだなと思ったのが、ピッチイベント決勝進出した6社のうち、ヘルスケアやバイオ、宇宙など【ディープテック領域×AI】というテーマが多かった点です。

日本でも近い状況になる可能性が高いと感じていますが、世界的なトレンドとしてディープテックが盛り上がってきている印象です。

■日本のスタートアップについて

ご支援先Yuimedi、Solafuneもブースを出展しておりましたが、多くの方から声掛けされており、投資家候補だけではなく、現地の事業会社とも会話でき、海外進出の足がかりになりそうな雰囲気でした。

STARTUP BATTLEFIELD200に選出されたYuimediのえみりさん
すでに世界各国を飛び回っているSolafune上地さん

先述のSTARTUP BATTLEFIELDに登壇していたスタートアップも素晴らしい事業内容/トラクションでしたが、日本の中でも彼らと伍せるスタートアップは絶対にあると思いました。

そして、JETROさんのスタートアップ支援すごいです。TC DisruptではJETROもスポンサーに入っているようで、今回10社のスタートアップがブースを出展していました。

また最近は経産省もプログラム充実させているので、興味あるスタートアップは情報取りに行ったほうが良いと思いました。(自分が起業家だったらカジュアルに使い倒していますw)

■ダイバーシティ

性別はもちろん国籍・年齢などの多様性に関しては言わずもがな、なのですが、個人的にロボティクスの未来について語るセッションで登壇者がすべて女性だったのは(大変失礼かつお恥ずかしながら)衝撃的でした…

ロボティクス、、、、ですよ、、、???

各分野のロボティクス活用事例をキャッチアップできる、学びの多いセッションでした!

ピッチに登壇する起業家も女性の方が多いのではないかと感じたレベルです。性別に限らずですが、起業家層の厚さを痛感しました。

日本もこの数年でだいぶ良くなったとはいえ、まだ課題が多いテーマであると思いますし、TC Disruptほどの水準がスタンダードになるのはあと10年はかかるのではないかと感じてしまいました…(その時間軸を早めるため、最大限努力したいと思いました。)

また、Yuimediえみりさんからも以下のようなお話を聞いたので、こちらで共有させていただきます。

スタートアップ(angel stage ~ later stage ) ・事業会社(大手〜SMB)・大学・投資家、全てのステークホルダーが均等に参加しており、北米のスタートアップエコシステムの成熟度を肌で感じました。
Yuimediのブースにも大企業・大学医療系の方々が真剣にヒアリングにきており、そのまま商談に繋がったりなど、起業家に対して同じ目線で話されているなという印象を受けました。
日本のカンファレンスやイベント等はまだ、起業家と投資家しかおらず(しかも投資家の方が多いことも)、大企業・大学職員はかなり少ない状況なので、かなりコントラストを感じました。

■無人タクシー

ホームレスが接近すると自動で回避する仕様…

サンフランシスコ中心部では完全無人の自動運転タクシーが複数社走っており、SF中心部では5分に1台は見かけるレベルでした。

利用にあたっては一部サービスは日本人でも利用可能らしいものの、Waitinglistに登録する必要があるので、使いたい方は超早めに登録したほうが良さそうです。(私は未だに届いておらず…)

ちなみに、写真に写っている車両上部の円形デバイスはLIDARとのこと。聞くところによると自動運転を開発する人の中では【LIDER不要派vs必要派】で思想が分かれるらしいです。

■やってよかったこと

◯NEWTコンシェルジュサービス

今回の宿泊・フライトの手配はすべてご支援先NEWTのコンシェルジュサービスにて手配していただいたのですが、個別サポートが本当に手厚く、安心して渡航できました。アプリ内に旅行の情報がすべて集約されているのもGOODです。

ビジネスでの出張からプライベートな旅行まで、幅広く対応していますので、ぜひ皆様ご利用ください!!!結構セールもやっているので、お得に海外旅行いけちゃいますよ!!!(宣伝)

◯プレーリーカード

今回プレーリーカードを持参したのですが、海外の方にも非常に喜ばれました!

通常は都度LinkedinのIDなど聞いて連絡先を交換する(日本のFacebook的な)のですが、プレーリーカードであれば、スマホをかざすだけでOKです。超便利。

海外の方のリアクションもGOODなので、オススメです。(以前、スマホに貼るICタグを見たことはありますが、そこまで普及していない様子…)

◯英語学習

投資家ネットワーキング会場にいる私ですが、毒でも飲まされたような表情です。

今回の出張では海外投資家やリサーチャー、スタートアップ支援者と多くコミュニケーションすることができ、非常に有意義でした。(これが主目的)

…というか、自分が最低限度の会話ができるようになっており、この数年の英語学習が報われた気がしましたw(まだまだ改善点は多いです…汗)

私はレアジョブを毎朝25分やるようにしていますが、最近は英語学習アプリの質も劇的に上がっているので、今後は組み合わせで学習したいと思います。

■サンフランシスコの治安について

一部エリアではありますが、サンフランシスコ中心部は大麻の匂いがきつかったです…汗。ホームレスの数も増加しているようですので、治安はかなり悪くなっているようです…汗

サンフランシスコ到着後、UBERのドライバーから「おいおいwすごいところにホテルとってんなwww絶対西側のブロックには行くなよwゼッタイだぞwww」と煽られましたが、たしかにヤバかったです。(夜中の3時に「フェスかな?」と感じる音量のパレード?がありました。)

・・・と書いていたら、タイムリーにNHKニュースで記事になっていました…
本当に素敵な街なので、多くの住人にとって良い街になって欲しいです…!

■最後に

ひさしぶりの海外カンファレンスということで大いに刺激を受けましたし、多くの着想がありました。

特に、私たちが運営する起業家コミュニティ「千葉道場」に参加するスタートアップ向けに海外進出を後押しするようなプログラムを準備したいと思いました。

年内にレギュレーション固めて、来年のSXSWやCESなどのイベントに起業家を送り込めるように実現させたいと思います。

先述した通り、JETROさんや経産省などもスタートアップの海外進出を厚く支援していただいていますが、特にシード・アーリーステージのスタートアップの場合、「まだ海外展開を考える段階ではない」と気が引ける方も多いでしょうし、早くから海外リサーチをしたいと思っても、予算の関係で諦めている起業家は多いのではないかと感じています。

海外カンファレンスに参加する場合、なんだかんだ行って今だとチケット代や渡航費、宿泊代などで30万円くらいはかかるケースが多いでしょうから、「具体的な海外展開の計画もないのに、外部から調達した資金を使って海外視察に行くのは気が引ける…」という起業家は多い気がしています…

ただ、今回久しぶりに海外カンファレンスに参加して、世界で戦える日本のスタートアップはもっと増やせると確信しましたし、最初から視座を上げてチャレンジすることで、成長角度/速度を上げられる可能性は高いと思っています。

そのため、千葉道場コミュニティとして、もっとカジュアルに使える奨学金のようなプログラムを創出したいと思いました。

具体的なプランは今後発表できればと思いますが、自分たち投資家側はもちろん、日本から世界で戦えるスタートアップの数を増やしたいと強く思いましたし、まずは自分たちができるところから始めてみたいと考えています。

・・・ということで書き出すと思いのほか長くなりましたが、今回のサンフランシスコ出張で感じたことのまとめ記事になります。

やはり現地で体験しないと感じられないものや、オフラインで話すからこそ得られる情報というのはありますので、今後も海外カンファレンスには参加していきたいと思います!

・・・・・・・・・

最後の最後。4年前にシリコンバレーで出会ったKlausと久しぶりにオフラインで会えて本当に嬉しかったです。彼に私の娘の写真を見せることができて、本当に良かった。
今度は彼が日本に来たとき、また新宿ゴールデン街に連れ出して、夜遅くまで一緒に飲みたいです。

ということで、以上となります。ご覧いただき、ありがとうございました!

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