地味だけどすこぶる面白い本
最近気に入って毎日読んでいる本があります。
それは新書『応仁の乱』のヒットで知られる呉座勇一さんの『一揆の原理』です。
タイトル通り一揆について取り上げて研究されている本ですが、これが本当に面白い。
日本史を少しでも学んだことがある人は一揆というと地味という印象を持っている人も多いでしょう。
ここの事例や歴史的意義を別として、著名な人物も出てこないですしね。
しかし、この本を読むとかなり認識が変わります。
ぼくは一揆というと集団で、なおかつ武力を持って権力側と闘争するというイメージを持っていました。
しかしそういう事例は近世にはあまり見られず、我々のイメージする一揆は中世の一揆に多いそうです。
一揆というものの定義から始まり、ビシバシと一揆のイメージが変わるとてもいい本だと思います。
歴史の本では新しい説で派手な論を展開するというイメージよりも、一次史料を丹念に読み解き緻密に論を展開していきます。
そのため歴史小説のようなエンターテイメント性はありませんが、いい歴史の本を読むと最高の知的興奮を楽しむことができます。
『一揆の原理』は日本史の基礎知識を必要とする本ですが、呉座さんには『陰謀の日本中世史』という陰謀論を解き明かしていく本もありますので、ぜひ読んでみてください。
では、また次のメルマガでお会いしましょう。
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