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「泣き疲れるほど泣いた」。サガン鳥栖・原輝綺が初めて口にした好調時に襲い掛かった怪我の瞬間と再起への想い。

「パキッ」。

乾いた音が耳に飛び込んできた-。

2019年11月23日、J1第32節・名古屋グランパスVSサガン鳥栖の一戦。右サイドバックとしてスタメン出場したサガンの原輝綺は、11分、右サイドでボールを受けると、鋭いドリブルでペナルティエリア内深くに侵入し、クロスを上げようとした。

しかし、突然背後からスライディングタックルを受け、そのまま崩れ落ちた。

「まさかあそこに足が飛んでくるとは思ってもいなかったし、気付いたときにはひっくり返っていた」。

その瞬間に「パキッ」という乾いた音が聞こえた。多くの観客が詰めかけていた豊田スタジアムの天井が見えた。

「これは…」。

このプレーで主審はPKのジャッジ。騒然とするスタジアム、味方も喜びを表現しているが彼にとってはそれどころではなかった。

「あの音が聞こえて、最初は足首の骨が外れたのかなと思って、咄嗟に足首を触ったんです。そうしたら腫れていたし、ちょっと外側にずれている感覚があったけど、自分の中では『骨は折れていない』と思って、足首を自分でグッと引っ張って戻したんです。

そうしたら緩くなったというか、足首は動くけど、何かおかしいんです…。

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