日本で一番詳しいピッチクロック解説②
前回の記事ではピッチクロックの肝、時間制限とその細かな運用方法を解説いたしました。今回はペース・オブ・ゲーム(時間短縮励行)ルールの一環として、ピッチクロックとともに導入された「投手が投手板を外す回数」とそれに関連するルール、ならびにピッチクロックの導入に伴い新たに時間制限が設けられたマウンド・ビジットについて見ていきます。
ディスエンゲージメント
用語解説
ここまでは意味がわかりやすいように「投手が投手板を外す」という言葉を使ってきましたが、ここからは「ディスエンゲージメント」という、英語の用語をそのまま使っていきます。というのも、細かくいうと「投手が投手板を外す」というのは「ディスエンゲージメント」の一要素で、もう一つの要素は「牽制」です(言わずもがなですが、投手板を外さなくてもできる牽制があるので)。言い換えれば、
ディスエンゲージメント = 投手が投手板を外す + 牽制
となります。この二つを合わせた概念は存在しないので、もしこのルールが日本で適用される日が来たら、「コリジョン」のように英語の横文字がそのまま使われると予想します。
カウントするシナリオ
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