見出し画像

週刊審判ダイジェスト 第12号(2024年7月9日)


今週のルール

実際の判定

サヨナラ勝ちの得点であったため、そのまま試合終了。特にその場で異議申し立てはありませんでした。

起こるかもしれなかったプレイ

ホームチームが1点ビハインドの9回裏、2アウト走者満塁から打者はライト前ヒット。

超前進守備をしていたライトはライトゴロを狙って一塁に送球するも、送球が逸れて一塁側ベンチ方向を転々とする間に二塁走者も得点してサヨナラ。

ただ、ホームチームの選手たちはサヨナラの得点となる二塁走者がまだホームインしてない段階から一塁側ベンチを飛び出して勝利を祝っており、一塁手が歓喜の輪を避けるように逸れた送球を追っています(画像↓)。

実際の送球はバックネットにまで達しており、一塁手からはかなり遠い位置にありましたが、もし逸れた送球に対してこの一塁手が守備をしているときにベンチから飛び出した攻撃側メンバーに妨げられていたら、審判員がまだ走者に対して守備機会があると判断した場合は、守備妨害が宣告されていました。

ルールの根拠

守備妨害の解説の前に、なぜ右翼手は無理な体勢からでもライトゴロを狙ったのでしょうか。

(a) 3人アウトになってそのイニングが終了する前に、走者が正規に一塁、二塁、三塁、本塁に進み、かつこれに触れた場合には、その都度、1点が記録される。
【例外】 第3アウトが次のような場合には、そのアウトにいたるプレイ中に、走者(1、2にあたる場合は全走者、3にあたる場合は後位の走者)が本塁に進んでも、得点は記録されない。
(1) 打者走者が一塁に触れる前にアウトにされたとき。(5.09a、6.03a参照)
(2) 走者がフォースアウトされたとき。(5.09b6参照)
(3) 前位の走者が塁に触れ損ねてアウトにされたとき。(5.09c1・2、同d参照)

公認野球規則 5.08 得点の記録

ビジターチームが1点リードの9回裏、2アウト満塁ですので、もし打者走者がライトゴロでアウトになっていれば、上記のルールの例外(1)が適用され、たとえ三塁走者が3アウト成立前に本塁に触れたとしても得点は記録されないため、試合終了でビジターチームの勝ちとなっていました。そのため右翼手は一か八かで一塁に送球したのです。

それでは本題の守備妨害。

ここから先は

5,488字 / 6画像
この記事のみ ¥ 500
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?