ウクライナ戦争の嘘 2


 昨日の続きです。

 シカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授は「ウクライナ戦争を引き起こした責任は西側諸国、とりわけアメリカにある」と主張しているそうです。そうした話も聞いてはいましたが、流石に先に侵攻した方が悪いだろうと思うばかりでした。しかしながら、教授は東西冷戦が終わってから「このままでは西側陣営はロシアと戦争になる」と訴え続けていたのだそうです。それはやっぱりNATOの拡大が原因で、ウクライナがNATOに加盟するかどうかだけ見ても理解できませんが、大雑把に言えば「ここまでにしておけよ」というロシアに対して、NATOは何度も何度もそのラインを踏み越え、とうとう「いいかげんにしろ」となったようです。

 不凍港を得るためにクリミアに侵攻したという話も聞きましたが、もともとクリミアはフルシチョフの時代、ソ連が崩壊するなんて言うことを想定などしていないときに、ソ連内でウクライナに割譲したのだそうです。ですから、歴史的にはもともとはロシアだったとのこと。また今回事の発端になったドネツク、ルハンスクを含むノヴォロシアと言われる地域もかつてはロシア領だったそうです。そのあたりからすると、ウクライナがNATOに加盟ということになったときに、かつての領土が西側に収奪されることになりますから、敏感にもなるのでしょうね。

 この辺りは、「そんなに昔のことを、、、」なんて個人的には思ってしまいますが、国家のトップたるもの、その国家の長い歴史も背負って方針を決めなければいけないということでしょう。プーチンの戦争に賛同するわけではありませんが、国家のトップとしての気概みたいなものを感じられました。日本の政治家にもこれくらいの気概を見せて欲しいものです。

 ウクライナはノヴォロシア、マロロシア、ガリツィアの3つの地域に分けられるそうで、ノヴォロシアはロシアに併合、マロロシアが独立、ガリツィアはポーランドとの結びつきが強いので、西側の一員になるというと佐藤氏は言っていました。ロシアが攻め込んだことによって、ウクライナが分割され、ロシア領が増えるというのは理不尽に感じられますが、歴史を遡るとそうではないようにも思えてきます。

 昨年、ウクライナ侵攻が始まったあたりで、ミンスク合意辺りにさかのぼって調べたのですが、それでは足りないのですね。もっと大局的にものを見るには歴史をしっかりと勉強しておかないといけないのでしょう。イスラエル情勢も気になりますが、こちらもとっても難しそうです。

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