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【軽貨物】4話。いざ独立、軽貨物ドライバーとして動き出した話。


無事に便利屋を卒業した僕は、開業届を役所に提出し、晴れて軽貨物ドライバーになった。
役所の人は優しく、丁寧に教えてくれた。

当時、チュートリアルの徳井さんの騒動があった頃だったので、屋号をチューリップにしようか悩んだが、それはやめておいた。

開業届の提出は終わった。
次は車。もちろん持っていない。会社にリースの車がある。もちろん借りる。

恐らく、軽貨物の事業をやっている会社であればリースの車を保有している可能性は高い。
後々知ったが、個人でも仕事で使う車は借りられる。

『月に35000円と、20000円のリースがありますけど、どうしますか?』

もちろん20000円。お金ないし。

これから始める人は、ひとまずリースでいい思います。
そもそも自分にこの仕事が合っているのかを判断をする前に、車を買うのは危険かなと思います。


車は用意できた。

次は場所。

どこでやるのか?
あまりに遠いのも大変だし、近いに越した事はない。でもお金は稼ぎたいし…
しかし、そもそも見当もつかない。
未経験だし。

『とりあえず、家から近いところで始めてみますか?』

『そうですね。とりあえず、そうします。』

家の近くの、誰でも知ってる某大手運送会社に場所は決まった。家から車で10分くらい。
近い。

あえて名前は伏せますね。
ありのまま書いちゃうので。

初日。

リースの軽バンで初出勤。
担当者の名前は聞いていたので、事務所に着いて近くの方に声をかけ、呼んでもらった。

『今日からお世話になります。高橋です。』

『え?誰でしたっけ?』

『高橋です。』

『今日から来ちゃうの?』

『え?』

うん。来ちゃうよ。てか、もう来てるし。
言われた通りの時間に、言われた通りの格好で来ちゃうよ。僕は。指示通りですよ。

どうやら話がしっかり通っていなかった。
なんなら面倒臭そうな顔してましたわ。
前途多難。

ある程度事情を説明して、会社からも連絡を入れてもらい、話は通った。

ところが、僕が荷物を配るコース(地域、場所)がないらしい。そもそも来ると思ってないので準備していない。
うん。前途多難。

待機を命じられた。

結構な時間を待たされた。

そこに、さっきの担当者が近寄ってきて

『今日は○○さんの隣に乗ってくれる?』
『○○さんて誰ですか?』
『君と同じ会社の人だよ』

だから誰だよ。その人。知らないよ。

同じ会社の人なんて、紹介してもらった役員の人しか知らないよ。

とりあえず、歩いて連れて行かれて紹介されたのが同じ会社の人(らしい)だった。

とりあえず、挨拶、自己紹介を済ませた。

年上の体の大きな男性だった。もう2年以上やっているらしいその人は優しく教えてくれた。

『とりあえず、初日だし見ててよ』

はい。隅々まで。
荷物を受け取る側はやったことあるけど、渡す側はやったことありませんから。

荷物を車に積み終わると、助手席に乗ってとりあえず出発。

雑談をしながら、この仕事のことを色々質問していた。

現場に着いて、1日後ろから必死について回った。これは体力仕事だ。完全な肉体労働。
頭では分かっていた。1日一緒に回って身体で理解した。この仕事はキツい。これが素直な感想だったと思います。
全国の宅配業者さんお疲れ様です。

1日を終えて、慣れていないこともありヘトヘトだった。これで、18000円。
保証期間3ヶ月は1日18000円もらえた。

営業所によって値段は違います。僕が行ったところは18000円。

1〜2週間は助手席に乗ったり、実際に運転をしたり、端末の操作を教わったり、不在票の書き方を教わったり、基本的なことを教わった。

そして、いよいよ僕のコース(担当エリア)が決まった。期待と不安と筋肉痛のなか、1人で荷物を配っていく事が決まった。


つづく


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