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営業職でなくとも「自分のお客様をつくる力」が上がると、人生の選択肢が広がる

副業について、日経新聞に「企業の3割容認、時間・働き方の制限が壁」という記事が出ていました。

新型コロナウイルスによる事業縮小やテレワークの浸透をうけ、社員の副業を認める企業は増えている。日本経済新聞社のスマートワーク経営調査(2020年)によると、約3割の企業が正社員の副業を解禁した。業種もIT(情報技術)企業だけでなく、キリンホールディングスや東京海上日動火災保険、三菱地所などに広がりつつある。

週休3日制や正社員の個人事業主転換も、いまは一部の企業で検討・実施をされていますが、この動きはおそらく今後も進んでいくでしょう。

現状は、ウーバーイーツの配達員など、スキマ時間を活かしてできる副業などに取り組む方が多いようです。ただ、徐々に、副業は「お小遣い稼ぎ」から「今後の人生の選択肢を広げるためのもの」へと位置づけが変わっていくのではと私は考えています。

「自分のお客様をつくる力」が上がると選択肢が広がる

会社に所属するにせよ、自分で事業を営むにせよ、「自分のお客様をつくる力」が上がることで、自分に自信がつけば、人生の選択肢は広がっていきます。 自分が選べる状態になるのです。

全ての人が組織を離れて働くことが性に合うかと言うとそうではありません。会社の中に入った方が安心だし自分の強みが発揮できるという人もいるでしょう。あくまでも「選べる状態になる」ということがとても重要です。

選べる状態になっていれば、人生のステージに合わせて最適な働き方をすることもできます。若く、健康で、時間もたくさんあるときは、仕事の割合が多くてもいいかもしれません。しかし、年齢を重ねて家族ができ、必ずしも仕事だけに時間を投入するのでなく、他に大切なことができてくると、事情が変わってきます。

ある程度仕事をセーブしながらも、それでもやりたいことはやりたいし、家族のための収入を稼がなくてはいけないということもあるでしょう。そのようなとき、収入源を確保しながら、仕事を選べる状態にあるというのは大きなアドバンテージです。

自分のお客さまをつくるというのは、相手に大事なお金や時間を投じて頂くことです。人の心を動かし、大切なものを投じてもいいと思わせる力は、営業職でなくとも、どこでどういう仕事をするにせよ、重要なスキルです。

小さなビジネスを営めるだけの力があるというのは、単純にそこからあがる収益というメリットだけではありません。それだけの実力を身につけた自分が、「どのような働き方をするか」を選べるようになるという意味があります。それがすなわち、「自由度が上がる」ということです。

「自分を商品として提案する」ことを本格的に考えたとき、多くの方が最初に悩むのはどこなのか、そして、どんなポイントを押さえておくべきかについて、3つの観点からお伝えします。

①「自分の料金プラン」は早めに作って、柔軟に運用する

「自分が仕事を受けるとしたらいくらか」という料金プランの作成はかなり重要な肝です。しかし、そこをしっかりと作らずに、いざ案件のお話があってから「どうしよう…」となる方が多いです。せっかくお話をくださった相手にとっても、依頼を受ける側にとっても、不幸を生んでしまいます。そうならないよう、料金プランはなるべく早めに作り、PDCAを回していく必要があります

料金プランの考え方としては、「積極的にやりたい仕事」は安めに、「なるべく受けたくない仕事」は高めに設定し、それをベースに松竹梅を決めていくのがオススメです。
また、「こういう要望がきたら困る」というものについては高めのオプションにしておくといいでしょう。依頼する側からすると、お願いできると思って頼んでから、「それについてはちょっと・・・」と後から言われると困ってしまいます。料金表を作って、あらかじめ、「何がいくらで引き受けられるか」を明示しておくのです。

特に、会社に勤めながら自分のビジネスをスタートさせる場合、稼働状況やクオリティが日々変わっていきますので、最初に決めた料金プランは柔軟に変更していっても問題ありません。
むしろ、どんどんいじってバランスを取っていく必要があります。

そのため、相手へお渡しする料金表には必ず「●月●日時点のものです(事前の予告なく変更されることがありますので予めご了承ください)」の文言を入れておくようにします。
こうすることで、最初はコンサバに安めの価格で提示をしながら、お客様の満足度を見つつ、徐々に提案単価を上げていくことができるのです。

②最低限必要な自己管理

自分のお客様をつくる活動を始めたら、料金プランと同様に大事なのは「稼働ポリシーの設定」です。

【A】価格は安いが、できれば受けたい仕事
【B】積極的に受けたくないが、単価の高い仕事
【C】無料でも、成長のためにやりたい仕事
【D】仕事以外の自己研鑽
【E】家族や友人、自分の時間

この5点をバランスさせていくことが重要です。

また、自分自身を商品として提案する際には、「単価と稼働の管理」を自分で行う必要があります

・料金プランは1週間〜1ヶ月ごとに見直して修正
・稼働状況は、GoogleやOutlookのカレンダーを色分けして可視化

最低限、この2つの自己管理をしながらPDCAを回していくようにしましょう。

③見込みのお客様とのやりとりで「見逃してはいけない瞬間」

自分のお客様をつくる活動をしようとする際、「SNSやnoteをがんばろう」と急に始めて挫折してしまう方が多くいらっしゃいます。
また、いきなり営業(売り込み)をしてしまうと、安価な仕事が増えてしまいがちです。

新規開拓をする時、まずやるべきなのは、「ディスカッションの依頼」です。
例えば、将来の見込顧客になりそうな中小企業経営者へ、「●●というテーマで、いま自分の知見をまとめておりまして…」と送り、反応があったらディスカッションをしていただきましょう。

その際に、絶対に見逃してはいけない瞬間があります。
それは相手が

「ありがとうございます。すみませんね、本当はこういうアドバイス、お金払うことなのに…」

と言ってくださる瞬間です。
この台詞をいただけたらすかさず「ありがとうございます。そうおっしゃっていただいて嬉しいです。ご参考までに伺いたいのですが…」と質問をスタートします。

・どこに価値を感じていただけたのか?
・その価値について、これまでは何にお金を払っていたのか?
・なぜ、そのお悩みはこれまで解決されなかったのか?

さらに、焦って提案せずにもう少し、相手からアドバイスをいただくようにします。

・どんな料金体系なら費用対効果があると感じていただけるか
・今のコメントは「単なる思いつき」か「当事者としての正直な実感」のどちらか

「当事者としての正直な実感」として、十分な価値を感じた旨のコメントをいただき、料金プランについて気持ちの良いディスカッションができてから「ではこのプラン、御社に提案させてください」とお伝えすれば、ある程度の確率で通るでしょう。
もし仮にすぐ受注できなくても、かなりのお宝情報が手に入るはずです。

安価な仕事を増やし自分を苦しめることのないよう、焦って営業活動をする前に、ディスカッションを通して自身の価値を見極めていきましょう。

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