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竹の子との思ひ出

思い出の姫竹の一席。

幼い時分に、父親とその仲間に連れられ、籠を背負って獣道をズンズン進む、早朝4時くらいのこと。

ザクザクっと、細い「姫竹(根曲がり竹)」をとっては籠へ、とっては籠へ。

たまにコシアブラとか、しどきとかを見つけては腰のビニール袋へいれる。

山から降りると、田舎特有のでっかい玄関に新聞紙をひきつめ、どさっと姫竹を籠から出す。

すると見事な姫竹の山ができた。

さて、ここからが本番。

山盛りになった姫竹の皮をむき、節を取る。

これを終わるまでひたすらにつづけるのだ。

さすがに、私や妹は飽きてしまって、ばあちゃんの畑を見に行ったり、おやつを食べたり自由気まま。

大人は、たまに休憩しながらもひたすらに下処理をする。

この時、「大人って大変だな」と他人事のように思っていた。

みんなサクサクこなし、日が暮れる頃には全部さばききっていて、ここから水煮にして缶詰に。

少し残しておいた姫竹たちは、天ぷらや、煮物、さらには以前登場いたしました鯖の汁物に姿をかえる。

絶品なり。

大きい筍と違い、アクが少ないから調理もしやすい。

本日はそんな姫竹が手にはいりまして、心踊っております。

さて本日は「姫竹」「干し椎茸のだし」「糸こんにゃく」「お醤油」「砂糖」「みりん」「ごま油」をご用意くださいまし。


材料

姫竹 お好きな量
干し椎茸のだし 具材が半分くらい浸る量
干し椎茸 2つ
糸こんにゃく 姫竹に対して1/3くらいの量
お醤油 ちょろり(濃すぎぬようご注意を)
みりん ちょろり
砂糖 ちょろり(お好みの甘さ)
ごま油 炒める用


作り方

1、椎茸はじっくりがお好きです画像1

昆布よりも、じっくりが好きな椎茸ちゃん。急にいいところだけかっさらおうなんて100年早いのよ!と言われているようで恐縮です。

できたら一晩かけてあげるとよろしい。難しければ、ごめんね急いでいるのよとお声をかけて弱火で煮出していきましょう。

2、椎茸は引き上げてスライス
食べやすいようにスライスし、お出汁と別にしておく。


3、姫竹の下処理
⑴包丁で縦にスーッと切り込みを画像2

あまり深く包丁をいれすぎると身までサクッといってしまうのでご注意あそばせ

※わたしは、山菜屋のおばちゃんに教えてもらったカッターを使用しております

⑶皮をむく画像3

するするむけるよ。


⑵硬い部分と柔らかい部分画像4

節の部分。硬いところ(節の部分)と柔かいところがあるので、包丁がスッと入るところを見つけて、食べられるところと節の部分をサクサク仕分け。

3.5、先っちょの部分画像5

ここが柔らかくてうまい。天ぷらにするのがおすすめでございます◎

4、姫竹ではなく糸コンのアク抜きを
こんにゃく作ったことありますか?美女と共につくったことがありましたが、完全に舐めている我らは叩きのめされた。
大変に手間暇がかかるんですよ。半日くらいかけて一生懸命作りましてね。可愛いねこんにゃくなんて、出来上がったものを茹でて、口に含みましたところ、アクが強すぎて食べれたもんじゃないんです。美女と共に泣きました。そしてアク抜きがいかに大切かを学ぶのでありました。
なので、「アク抜き不要」と書かれているもの以外は、アク抜きしましょうね。
※アク抜きの仕方は別記事をご参照あそばせ。

5、一方姫竹はアク抜き不要!万々歳画像6

ありがとう姫竹!アク抜き不要なんて万々歳。フライパンの中へ、ごま油をちょろり。中火で温め、姫竹と干し椎茸、先ほどの糸こんにゃくをいれて炒めてゆきます。さっと火を通すイメージ。


6、お出汁とみりんをちょろりと投入画像7

お出汁とみりんをちょろりと入れまして、炊いてゆきます。煮立たせないようじっくり中火くらいで。


7、姫竹の様子を伺い味付けを
画像8

「姫竹さん、煮え加減はいかがかしら?」そんなことを思いながら、火の通りを確認いたします。あまり煮すぎるとくたびれてしまうので、程よい固さに留めておくのがよろしいかと。
砂糖とお醤油でお味を整えましょう。田舎の方の味付けは濃いめが多いですが、米が異様にすすみます。お上品に攻めるのなら、薄口醤油であっさりした味付けにするのもよいですねぇ。サッと煮付けて完成でございます

以上。


今日のツボ
・椎茸のお出汁は焦らずじっくり
・姫竹の下処理
・姫竹のアク抜きは不要、糸コンは必要
・姫竹のお加減を見つつ炊いてゆく


姫竹食べたいなぁと思っていたら、なんとメルカリにて出品している人がおられて衝撃を受ける。

梅もあるし、実山椒やら、野菜も販売していた。

なんともハイテクな世の中だなぁ。

この猛暑日の中、久方ぶりに姫たけの下処理を黙々と。

以前教えてもらった、姫竹カッターをゲットしたわたくしは無敵であった。

タケヒメカッター!!!

この季節は手仕事で溢れている、なぁ。

お後がよろしいようで。

食べたいものをつくる人 高橋 拝。

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