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とにかく響きがいいんだよ

「時無し大根」と「深川風」という響の一席。

大根の旬は冬でありますが、まさかの春に育つ大根だから「時無し大根」という名前がついたのだそうな。

なんとも美しい響きである。

一方の「深川風」。

あさりや葱を、お米と一緒に炊いたものであるが、下町の義理人情がギュッと詰まっているような、そんな響きに心つかまれる。

食べたら深川江戸資料館に行きたくなるような、そんな一品。
(江戸資料館行きたいなぁ。)

さて本日は「浅蜊」「時無し大根」「生姜」「醤油」「みりん」「砂糖」「ごま油」をご用意くださいまし。

日本語の響きに酔いしれましょうぞ。


材料

あさり 1杯(砂抜きしておく)
大根10cmくらい 
生姜 半かけ

ごま油 ちょろり
醤油 スプーン1~お好きな濃さ
みりん スプーン1~2くらい
砂糖 お好みで


作り方

1、あさりさん、砂を全部はきだしておくれ

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汁物とかに入っている、あさりやしじみにテンション上がり、口に含んだ瞬間の「じゃりッ」。途端に、さっきまでのテンションが、急降下するみたいな。辛い瞬間。
なので、砂抜きはちゃんといたしましょう。
海水くらい濃い塩水にドボン。さらに暗くしてあげると貝たちは安心して、砂をピューと吐き出します。金属をいれるとスムーズになるなどというお話も聞いたことがございます。気になるかたはお試しあれ。

2、あさりとの相性(大根をきる)

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大根を千切りにしてきます。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、大根の葉に近い部分にいけばいくほど甘みがます。今回は悩んだけれども、上の部分は風呂吹きに、下の部分を炒め物にすることにいたします。
千切りの太さはお任せ。いつものごとくあさりとの相性を考え、切っていきましょう。

3、ついでに生姜も刻みましょう

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今回は、生姜が引き立て役。気持ち細めに切ってあげることにいたします。

4、これで準備が整ったり
あさりは剥き身に。優しく殻から出してあげましょう。
これで準備は整った!あとはチャチャっと炒めるのみ。

5、いれる順番の妄想

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さて参りますは妄想のターン。食感の妄想をしていきましょう。
あさりは火が通りやすく、熱が入りすぎるとキュッと固くなる。
一方大根は水気が出やすいので最初にいれてあげると味付けの際に、調整がしやすくなる。生姜は引立て役なので、「そばにいるよ」くらいの存在感。
さてどう攻めるか。
まずはごま油を温め、生姜をIN。香りを飛ばしましょう。

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のちに大根に火を入れ、少し半透明になってきたらあさりを投入し火を止めます。

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こんな具合がよろしいかと。


6、ここからは手早く

あさりが固くなる前に、チャチャっと手早く味をつけてゆきましょう。
醤油、みりんを同量くらい。甘みが足りぬようなら砂糖をほんの少し入れまして。ザッと炒める。
炒めすぎると火が入りすぎて、食感がホニャホニャになるのでお気をつけあそばせ。


以上。


今日のツボ
・砂抜きの重要性
・あさりとの相性を考えた切り方
・生姜はそばにいるよ
・炒める順番の妄想
・味付けはチャチャっと手早く


深川江戸資料館。

初めて訪れました時に、大変感動いたしましたわたくし。

あのあたりのおすすめは尋ねられましたら、真っ先にここの名前あげますくらいお熱でございます。

嗚呼、行きたい。

たまに落語の独演会などもやっております、江戸資料館。

壁にかけてある羽織に袖を通し、番台ごっこもできてしまう。

ガイドさんをつけましたら、さらに妄想が広がるのでございます。

もう少し落ち着きましたら、久しぶりに足を運びたい。

お後がよろしいようで。


食べたいものをつくる人 高橋 拝。


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