旅先での出会い一妻の詩⑹

『アメリカの鏡・日本』の著者であるヘレン・ミアーズの文書の調査研究のためスワースモア大学の近くのホテルにチェックインし、同大学のMcCabe図書館の下見をするために徒歩でホテルを出発。
 途中ですれ違った女性に道を尋ねると、「歩いていくのは無茶だ」と必死の形相で猛反対。親身になって両手を取って懸命に説得する姿に感動。下見を断念してホテルに戻った。その時のことを妻が詩にした。

歩いていくのには遠すぎると心から心配してくれた異国のあなた
「心配しない」と言うと、間髪入れずに
「いいえ、あなたたちのことを心配するわ」と
この先を歩いていこうとする私たちを
頭を抱えんばかりに心配してくれたあなた
あなたの心に接して良かった
心あたたかく 涙が出そう

 1日に車で800キロ走行するあわただしい在米占領文書研究調査旅行の中で、思わぬ出会いにホッとさせられることも少なくない。ホテルの部屋に案内してくれた日本人ハウスキーパーとの出会いもその一つ。妻がこの日二つの目の詩を書いた。

日本から遠く離れたアメリカ東部の地で元気よく
走り回るようにして働いているあなた
あなたの姿に接し、数分の会話をして
心にしみじみ感じ入るものがある
どうかお元気で

 数分間の会話なのに、お互いに涙ぐんでいる。心に通じるものがあるからだろう。様々な人生を精一杯生きている人に出会うと心から励まされ、「どうかお元気で、お幸せに」と祈らずにはおられない。

 親学推進議員連盟の解散を期に、失意のどん底で一念発起してライフワークである占領文書研究に戻り、大学の授業がない時に以下の大学を車で駆け巡った。助手席で私が居眠り運転しないようにひたすら語り続ける妻に支えられて・・・

英サセックス大学ゴーラー・コレクション
英国立公文書館(M15=英情報局保安部文書)
米ヴァッサー大学ベネディクト・コレクション
カリフォルニア大学ロサンゼルス校図書館(ブラッドフォード・スミス文書)
コーネル大学図書館(「南京大虐殺」関係文書)
ミルズ・カレッジ・オーリン図書館(ベアテ・シロダ・ゴートン文書)
コロンビア大学バトラー図書館(太平洋問題調査会文書)
ハーバード大学ホートン図書館(グルー文書)
トルーマン大統領図書館(バンス・トルーマン文書)
スタンフォード大学フーバー研究所(フェラーズ文書他)
オレゴン大学ナイト図書館(ウッダード文書)
スワースモア大学図書館(ヘレン・ミアーズ文書)
メリーランド州立大学マッケルディン図書館(ジャスティン・ウィリアムズ文書)
マッカーサー記念館(フェラーズ文書他)
米議会図書館(マーガレット・ミード文書)
ナショナル・アーカイブスⅡ(OSS・OWI文書)

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