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阪神が優勝するために

鍵を握るかもしれない外国人の活躍

はじめに

2021年の阪神タイガースは2005年以来のリーグ優勝、1985年以来の日本一に向けて首位を走っている。好調の要因は佐藤輝明をはじめとするルーキーの活躍や西・秋山・青柳などの先発投手や岩崎・スアレスなどの中継ぎ、抑え投手の盤石ぶりが挙げられる。しかし、外国人選手の活躍も忘れてはいけない。そこで、2021年の阪神外国人選手の主な成績を振りかえる。

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打者          

サンズ  33歳 左打ち .280   8本(リーグ4位)  24打点 (リーグ4位)

マルテ  29歳 右打ち .276   7本 (リーグ5位) 21打点(リーグ8位)

投手          

ガンケル 29歳 右投げ 5勝0敗(リーグ1位)2.35(リーグ7位)

スアレス   30歳 右投げ 9セーブ(リーグ1位)0.56  

※成績は5月10日時点

このように阪神好調の要因の一つは外国人選手の活躍であることが分かる。もちろんこのほかにもアルカンタラ、ロハス、チェン、エドワーズと活躍が十分期待できる外国人がいる。外国人がシーズン終了までこのような活躍をし、タイトルを獲得する外国人が出れば、巨人、ソフトバンクと対抗でき、リーグ優勝・日本一を十分狙える。

実際外国人の活躍で阪神が日本一に届きかけた年があった。

それは2014年である。


最強外国人カルテット

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2014年の阪神の外国人選手と聞いて皆さんは誰を思い浮かべるだろうか。2014年の阪神タイガース外国人選手の成績を振り返る。

マートン     .338(首位打者) 14本 84打点

ゴメス        .283       26本  109打点(打点王

メッセンジャー     13勝10敗(最多勝)   226奪三振(最多奪三振

呉昇桓      39セーブ(セーブ王)  防御率1.76

2014年は阪神タイガース外国人選手が全員タイトルを獲得した記録的な年である。打者では2013年に加入したゴメスが打点王を獲得し、一塁手としてベストナインを獲得。2010年に加入したマートンが5年目にして初めての首位打者のタイトルと外野手としてベストナインを獲得。投手では外国人選手として最多の奪三振を記録したメッセンジャーが最多勝と奪三振の2冠。来日1年目、韓国出身の呉昇桓が石直球とよばれた重い直球で最多セーブのタイトルを獲得。

このような外国人選手の活躍を見ると、さぞかし阪神がリーグ優勝したのかと考えてしまうが現実はそう甘くない。2014年の阪神は首位巨人と7.5ゲーム差の2位でペナントレースを終えた。


2014年の阪神を振り返る

2014年の阪神タイガースの開幕戦の相手は敵地での巨人戦。

阪神の開幕オーダーは
1 遊 鳥谷敬
2 中 大和
3 二 西岡剛
4 一 ゴメス
5 左 マートン
6 三 今成亮太
7 右 福留孝介
8 捕 清水誉
9 投 能見篤史

開幕カードは3戦目に西岡剛が福留孝介と激突し故障離脱するアクシデントもあり、1勝2敗でスタートしたが、その後は勝ち続け、4月終了時で19勝10敗と開幕ダッシュに成功した。しかし、交流戦に入ると徐々に失速し6月末には4位に後退する。7月に入ると8連勝で勢いを取り戻し8月末には首位巨人と広島を含む2・5ゲーム差まで迫った。ところが、9月9日からの巨人との甲子園3連戦で15年ぶりの巨人戦甲子園3連敗を含む6連敗で優勝争いから脱落する。最終的には広島を差し切り2位でレギュラーシーズン終了した。

ここまでみると外国人選手のあれだけの活躍も虚しく2位に終わったことのくやしさだけが残るが、本当にすごかったのはクライマックスシリーズからだ。

痛快な四連勝

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阪神は甲子園でのCSファーストステージで3位広島を1勝1分けで撃破すると、ファイナルステージは東京ドームで優勝チーム巨人との戦いに臨んだ。先に4勝したチームが日本シリーズ進出、優勝チームには1勝のアドバンテージがあたえられた状況。もちろん阪神には不利な状況である。しかし、阪神は何かが違った。阪神、巨人の2014年クライマックスシリーズファイナルステージの戦いを振り帰っていく。

第一戦

勝:藤浪(1勝1敗)
負:内海(0勝1敗)
セーブ:呉昇桓(1セ)
本:[神]ゴメス1号(1回2点内海) [巨]阿部1号(7回1点藤浪)

阪神は初回、先発内海哲也を攻め鳥谷の先制タイムリー2ベースで先制すると、続くゴメスがレフトスタンドでの2ランホームランで3点を先制。3回にもゴメスが今度はタイムリーで4点目を挙げた。阪神の先発藤浪晋太郎は6回まで無得点に抑えていたが、7回に阿部慎之助のソロホームランで1点を献上するとその後無死満塁の大ピンチを招いた。しかし代打のセペダを一塁ゴロ併殺打に仕留めるなど巨人の反撃を許さず、その後は3投手の継投で逃げ切った。

第二戦 

勝:岩田(1勝0敗)
負:澤村(0勝1敗)
セーブ:呉昇桓(2セ)
本:[巨]井端1号(7回2点岩田)

阪神は岩田、巨人は澤村が先発した。3回、阪神は巨人先発澤村を攻めて、上本博紀と鳥谷の連続タイムリーで2点を先制。巨人も3回裏に阪神先発岩田から一死満塁と大きなチャンスを作るが、2番の橋本到が二ゴロ併殺打に倒れ、チャンスを生かせず。逆に阪神は5回には澤村が上本への危険球で退場となった直後、2番手の久保裕也から鳥谷が再びタイムリー、マートンにも2点タイムリーが飛び出し5-0と中盤で大きくリードする。岩田は7回にこの日スタメンの井端弘和に2ランホームランを許したものの、失点はその2点だけに抑えて、7回2失点と粘りの投球を見せた。

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第3戦

勝:安藤(1勝0敗)
負:山口(0勝1敗)
セーブ:呉昇桓(3セ)
本:[巨]亀井1号(3回1点メッセンジャー)

巨人は初回に阪神先発メッセンジャーから阿部のタイムリーでシリーズ初めて先制すると、3回には亀井善行がライトスタンドにソロホームランを放ち2点をリードし、CS3試合目で初めて主導権を握った。先発の杉内も5回まで無失点に抑えていたが6回にゴメスのタイムリーで1点を返され、尚もピンチを招くと原監督は西村健に投手交代。だが、阪神は代打に福留が同点タイムリーを放ち、試合は振り出しに。7回表には阪神が3番手の山口からチャンスを作り、再びゴメスが2点タイムリーを放ち逆転に成功する。巨人も8回に二死一塁二塁のチャンスを作るが追いつくことができず、9回も3連投の呉の前に三者凡退に終わり三連敗。 阪神はCS三連勝で日本シリーズ進出に王手をかけた。対する巨人は2年ぶりのクライマックスシリーズ3連敗となり、後がなくなった。

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第4戦

勝:能見(1勝0敗)
負:小山(0勝1敗)
本:[神]マートン1号(1回3点小山) [神]福留1号(1回1点小山) [神]西岡1号(2回2点小山) [巨]亀井2号(2回1点能見) [巨]セペダ1号(9回1点呉桓) [巨]坂本1号(9回1点呉昇桓)

阪神は能見、巨人は小山が先発。阪神が初回にマートンの3ランと福留のソロホームランでいきなり4点を先制すると、2回にも西岡が2ランで巨人先発の小山をKO。阪神先発の能見も2回に亀井のソロ、3回に村田の犠牲フライで反撃に遭ったが、7回表ににゴメスの2点タイムリーで突き放した。9回裏に4連投となる阪神抑えの呉が代打セペダと坂本に連続ホームランを浴びるも、阪神がそのまま逃げ切って4連勝で日本シリーズ進出。

 引用 https://climax-series.com/2014-central2nd/

阪神はこのように敵地東京ドーム4連勝で巨人を退け、日本シリーズに進出した。今の阪神タイガースの東京ドームでの戦いぶりと比べてみると、このシリーズでの阪神の勢いがどれだけすごいかわかるだろう。

このシリーズ、外国人選手の活躍ももちろん目覚ましかった。特にゴメスが4戦で8打点打率.375を挙げる活躍をし、呉昇桓も4戦中3セーブをあげ,CSもMVPに輝いた。まさしく外国人選手の活躍が敵地での4連勝を呼んだのである。

マウロ・ゴメス阪神を日本シリーズに導くCS巨人戦大爆発


2014年CSクライマックスシリーズファイナルステージ巨人VS阪神第四戦阪神下剋上達成! 勝利の瞬間


優勝するしかない


このように阪神が2014年に日本シリーズに進出できたのは、外国人カルテットの活躍あってこそだと思う。外国人の打線での爆発力や力強い投球がチームに勢いをもたらした。7年たった今はどうであろう。日本人選手を含めたチーム力は近年ないほどの強さである。そして、外国人は8人体制で、開幕から投打ともに外国人が活躍し、確実に首位を走っている。今年も一人でも多くの外国人選手がタイトルを獲る活躍をすれば阪神の優勝は間違いない。



                            

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