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広報をイベント屋扱いするバカなマインドには、ドラッカーの力を借りる

経営学の祖、ピータードラッカー博士は、経営についてだいたい以下の4つの質問を用意していました。これにこたえられない経営は、破たんする、みたいなことを言っていましたね。

 ミッションは何か
 顧客は誰か
 顧客にとっての価値は何か
 我々にとっての成果は何か
 我々の計画は何か

目立ちたいから何かない?何か新聞にとりあげてもらってよ

残念な社長が、「目立ちたいから何かない?何か新聞にとりあげてもらってよ」みたいな残念な質問をしてきたら、この4つの質問で返してみましょう。そのすべてにこたえられるのなら、存在そのものがネタになります。1つでも欠けるようなものは、とてもじゃないけど報道に乗りません。ぼろが出て詐欺になるからです。

我々にとっての成果は何か

パブリックリレーションズは経営上のこの文言に対する答えを導き出すコミュニケーションをデザインする仕事だと言い切ってしまっていいでしょう。多くの人から共感を得て、自社商品やサービスをたくさん買ってもらう。その結果社会に何らかの変化を起こし、社会に貢献していく。この連鎖を作ることが、パブリックリレーションズの行動基礎です。

ただし、この文言は、パブリックリレーションズが本格的にかかわる要素としてドラッカーが言ったほかの項目すべてを得たうえでのみ成立するもので、これらがすなわち外部からの(=報道からの)必須質問項目になってます。

経営に沿ったコミュニケーションでなければ成果にならない

「目立ちたいから何かない?何か新聞にとりあげてもらってよ」というニーズを出してくる残念な経営者に、残念な広報は「目立つ何か」を提言してそれを実行しますが、たいていがその場の思い付き、その場しのぎの企画です(じっくり半年とかアイデアを練ったとしても)。例えば、リゾート地のオーベルジュ建設では、どういう経緯があってそこに建設をしたのかをちゃんと伝えるコミュニケーションが必要なのに、「こんなにかっこいい建物ができましたよ!」という一点アピールで報道を呼び込み紹介してもらうだけ、では、その地域におよびでない客があふれて地元民と衝突多数、なんていう例は枚挙にいとまがないはずです。

経営も、そもそもどういう経緯でそのロードマップを描いたのか、というストーリーがあるはずです。企業ビジョンから下っていくと、経営=経緯であり、経営=現物ではないはずなんですが、現物をどうしようか、ということが中心になりすぎてそれを手伝う広報に陥ると、プロパガンダ化を意味します。売ることばかりで頭がいっぱいの経営に光明などありません。最後には自分たちの都合でお客さんを無視した売り逃げが起こります。パブリックリレーションズの担当者は、そういううそつきと仕事はしないものです。世界標準で行動憲章になってますし。それに手を貸す広報は、プロパガンダニスト。詐欺師です。広報と名乗ってはいけません。

目立ちたいから何かない?何か新聞にとりあげてもらってよなんていう社長のもとにいても報われないですよ

情報の価値感が下品すぎるこういう人のもとにいても、情報操作案件をやらされるばかりであるのは幾多の例を見ていて思うこと。創業の思いはソーシャル的ではないし、へたをすると「私のために働きなさい」であることも多いですね。これにもドラッカー博士の質問が効いてきます。

 ミッションは何か
 顧客は誰か
 顧客にとっての価値は何か
 我々にとっての成果は何か
 我々の計画は何か

ミッションは何か。我々にとっての成果は何か。この2つは特に注意が必要です。何らかの商品・サービスをもって社会の何を変えたいのか。社会のなにかを変えたいのではなく、自分たちの懐を満たしたい、とのたまうようなことが出てくると、その次に控えるのは「なんとしてもお客に売れ」という一方向の情報操作指令です。残念ながらそういう目にあってしまった広報の人は、人生の即断をしなければならなくなりますね。

グッドラック。God Bless You

*このnoteは、書きかけ項目をアイデア化して記事に落とし込んだ下書き、という位置づけです。記事によっては尻切れトンボになっていたりしますが、ご容赦ください。本体は pr401.com のコンテンツなので。

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PR401は、近代パブリックリレーションズの基礎知識の解説をその知識のないまま仕事をはじめてしまっている広報担当者向けに作ったウエブページ。コミュニケーションを経営に沿って構築するストラテジックコミュニケーションなど、経営者層にも読んでもらいたいトピック満載のページです。

とくに、日本国内の広報担当者がまったくといっていいほど話すことができないパブリックリレーションズの定義解説をしたページです。体系化された本国アメリカではまずこれを学び、諸学に広げていくので、報道対応からたたきあげる日本の従来型とは比較にならない知識と経験を学生のうちに積むことができます。国内担当者もこれに負けない実務実現をするためには、まず定義をしっかり自分のものにしてほしい。そういう背景からどこの自称専門家よりも詳細の解説を作ってみました。

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