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ざんねんなお店

本来のゴールデンウィークは地元のお祭が開催されて街が一年で一番賑やかになる。去年も今年もそれがかなわなかったわけだが、ことしはささやかながら、お祭りに使われる山車のみ展示されている。日本一の山車の大きさを誇り、通称「でか山」と呼ぶ。

本来は3つの町で3台の山車が街中を練り歩く(動く)のが見ものだから、寂しいと言えば寂しいけれど、ちょっとでもお祭り気分を味わえるので、なんとか展示のみでも実現してくれてありがたい気持ち。お祭り男の長男は、この時期を1年で最も楽しみにしているので、この山車の制作過程から何度も見に行って、興奮していた。

そして、街を盛り上げる記事を地元紙で見かけた。


ちょうど、この山車を展示してある地点からほど近い場所にある「道の駅」にレストランがある。そこで、この「でか山」をイメージしたパフェを期間限定で提供するというのだ。

ここのレストランは、昨年まで約30年続いた前レストランが、このパンデミックのせいで閉鎖されてしまった。その跡地に新規オープンしたので、今度はそんな悲しい事態にならないように密かに応援したい気持ちはあった。

そして上記新聞記事にもあるように


「華やかな見た目にもこだわった。でか山の巡行は中止になったが、パフェで祭り気分を味わってほしい」

という言葉通り、お祭り男の気分を少しでも盛り上げようと、いざ食べに行こうと決めたわけだ。次男も含めて男3人で。

記事が掲載された新聞は地元の8割ぐらいが購読している地方紙なので、「これはお客さんが殺到するぞ」という予想と、10年ぐらい前に読んだ本田直之さんの著書で「時間を節約するには飲食店は予約する」というハックを忠実に守り、私は記事を読んですぐに電話をかけた。余談だが、この予約するというハックは現代において、密を避けるという意味でさらに必須になってきている気はする。

iOSのアップデートのせいなのか、向こうの電波状況が悪いのかはわからないが電話は途切れがちで、すごく手間取った。苦労したけれど伝えたいことは
・明日の15時に予約したいこと
・新聞に乗っていたパフェを食べたいということ
この2点のみ。

ところが、お店の人に新聞に載ってたパフェが食べたいので予約必要ですか?と尋ねると「大丈夫です、予約不要ですよ」とのこと。まるで「数は十分にあります」的な言い方だったので、「お、おう」と返事し、人数と時間、連絡先だけ伝えて電話を切った。

そして昨日、予約時間より少し前にレストランに到着し、店先をチラッと見ると、なんと!お目当てのパフェの看板の前に「売り切れ」の文字が、、、不安になりながら店に入り店員さんに尋ねると満面の笑みで「ラスト1つありますよ!」の返答。まるで「あなた方のために1つは残しておきました!」とでも言いたげな表情で。

「予想以上にお客さんが来て、たくさん売れたんです!」と続けて話す店員さん。「え!?昨日予約不要ですよ言うたやん?」「長男用と次男用の2つ注文したかったんだけど、、、」と思いつつ、通された席でお目当てのパフェのラスト1つを注文する私。

お店自体はお昼時のピークをとっくに過ぎているので全く混雑していない。席の予約じゃなくて商品の予約をしたかったのに、、、それが昨日の電話で全く伝わっていなかった。なんだか「ざんねんなお店」だなあと感じてしまった。地元だけどもう2度と行かないかもしれない。

ただ、怪我の功名というか、本当は2つ同じ期間限定の「でか山パフェ」を食べたかったけれど、お店の看板メニューのUFOパフェを次男が食べたいと言ってくれたのはよかった。

そして、これだけ文句言いつつインスタにはアップしたんですけどね。



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