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型にはまった仕事しか出来ない人たち

昨日、ネットでこんなニュースを見た。

決済に必要なハンコを無断で持ち出して、業者に交付する許可証に押したらしい。まさにハンコレス時代にハンコで職を失っているのである。

リンク先には、「懲戒解雇は当然」という意見が並んでいて、それにも驚いているが、自分は逆に「この人って効率化を推し進める点では仕事できる人だったのかも!」と思ってしまった。

もちろん、正規の手続きがあったのなら、それに則って仕事をするってことが、正しい道なのだろう。でも、非効率な仕事を漫然とこなすだけのただの無能とも言えるのではないか?それってマシーンでもよくない?

そもそも、その手続にハンコって本当に必要だったのだろうか?と思うわけだ。行政のこういった手続について、よく知らないで言っているが、こういった手続に形だけ「市長」やら「社長」のハンコを押すことは往々にしてあるだろう。で、肝心の「市長」や「社長」はその手続の存在を知らない。

そういった形だけのハンコを厳重に管理して、非効率な行政手続きをしているんならそれって要らなくね?と思うのだが、皆さんはどう思うのだろうか。先程も言ったとおり、このニュースのコメント欄には厳しい意見が並んでいるが、皆さんどうも古い考えをお持ちのようで、ハンコの管理がずさんだ、なんて言っている。市長が決裁するなら市長がハンコもしくは今の時代ならサインすれば良いだけの話なのに。。。「そんなこといちいちしてられねーっ」てのなら、別の人が決裁するようにしたらいいのに。

自分も仕事上で行政とのやりとりをよくする。昨年、トップダウンで「ハンコレスを進めなさい」と時代は押印廃止の流れになった。ただ、下のレベルでは社長が言っているのに対応が遅くてイライラすることがよくある。ようやく、この4月からぼちぼちとハンコレス化が始まってきているが、昨年の5月頃に大臣が言い出したはずなので、約1年もかかって「やっと始まったか」といった感じ。

それでも、全ての書類で押印不要といったわけではなく、これは要、これは不要といった複雑怪奇な状態になっている。もうぐちゃぐちゃだ。

特に請求書関係でハンコを求められることがいまだに多くて、「これ本当に必要ですか」と問い合わせても「誰が発行したかわからないから必要です」と言われるばかり。いや、お互い合意の上で発行してるんだから誰が発行したかなんてすぐにわかるだろ!と突っ込みたくなることもしばしば。

さらに、市町村によっても対応がまちまちなのも面白い。とにかく書類仕事が多そうな大都市圏の行政相手に「この書類ハンコが必要ですか?」と問い合わせると、必ず「そういった(押印廃止の)通知が来ていないので、必要です!」とキッパリと答えられるし、暇そうなところだと「そうですね〜そういう時代ですもんね〜」といって確認してくれる。そして、そういった暇そうなところに限って「確認したところハンコは必須ではないそうです」と答えてくれる。

やはり、仕事には考える余裕=バッファが必要なのだろう。ある程度バッファが無いと、今、目の前にやっていることが本当に必要な仕事なのかどうかを考える事すらできなくなる。

なので、忙しいと型にはまった仕事しか出来なくなるし、悪循環しか生まれないよね、と改めて思った次第である。

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