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ゾウの時間ネズミの時間、と自然の時間(令和6年能登半島地震)

「天災は忘れた頃にやってくる」と寺田寅彦氏は言ったとされている。個人的にも1993年、2007年、そして2020年頃から続いている地震と、能登地方で比較的大きな地震を経験しているにも関わらず、すっかり忘れていた。

というのも、家屋の倒壊や道路の寸断はあっても人的被害がほとんどなかったから。そして先の2つは割と早く復旧し、普段の生活に戻っていた。

311や熊本地震があってもテレビの中で起こっていることであって、どこか他人事。ましてや海外で起こっていることなんて。

『ゾウの時間ネズミの時間』という本がある。読んだのは随分と昔のこと。記憶をたよりに超ざっくり言うと、ゾウもネズミも心臓の鼓動の回数や呼吸数は同じ。なので寿命はそれぞれ違うけれど、体感的な時間は同じという内容(だったと記憶している)。

生物それぞれ時間の感覚が違うのだ。なのでカタツムリが進むスピードを人間は遅いと思うけれど、カタツムリの中ではそのスピードがデフォルト。ナマケモノもしかり。逆に、超高速ホバリングできるハチドリからしたら人間はなんてゆっくりとした生物なんだ!と思われているかもしれない。

同様に、自然からしたら今回の地震なんて時間軸が違う。向こうは46億年の歴史があり、こちらはたかだか20万年程度。文明以降だとしても1万年ほど。

30年前の地震なんて、自然からしたらほんの一瞬。311も熊本も含めて一連といえるのかもしれない。そうやって大陸が移動してたまたま現在の形になっているだけだし、そこに人間が地形を少し改変して住まいや道路を作っているだけ。

ほんの150年ほど前、ダーウィンがビーグル号で世界一周をしていたときに、海抜3000m以上の山々の地層から貝殻の化石を発見したという。46億年もあったらそれくらい地形は変わっているということか。

小学生の時、日本は毎年4cmハワイ島に近づいているとテレビで知って「へー」と思ったことがある。

そういえば、地球の歴史を1年とすると、産業革命以後は12月31日の23時以降だったはず。

と、壮大なことを考えて気を紛らわしている。

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