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#1578 「2024年はもう諦めた」から半年が経過し、「2024年以降も諦めた」になるかもしれない

1月1日の能登半島地震から半年経過。被災にもいろいろなグラデーションがあるなか、自分なんかはまだ軽い方。

いとうせいこう著『東北モノローグ』を読む。東北と能登を単純に比較できるわけでは無いけれど、「在宅被災者」という存在が3.11から8年経ってクローズアップされたことをこの本で知る。詳しくはこちらのサイトで↓

そう考えると、能登の復興もまだまだ先は長いのかもしれない。

同じ『東北モノローグ』で心にのこったことば。

それは「人間が自然をコントロールするなどと思い上がってはいけない」

東北各地で大学教授(民俗学)歴任され、退職し、現在は週3日漁師のアルバイトをされている方のことば。

「人新世」と呼ばれる現代、人間が自然をコントロールしてきた歴史が地層に刻まれているという。そのツケがここにきて跳ね返ってきているのでは?と単純に考えてしまう自分がいる。この番組を観てもそう感じた。↓

例えば人口が15億人程度だった150年前、これから起こり得る人口爆発を予見し、「人類の食料が足りなくなる」と考えたのはフリッツ・ハーバー(ドイツの物理学者)。

彼は「ハーバー・ボッシュ法」という大気からアンモニアを生成する大発明を生み出し、当時は「空気からパンを作る技術」ともてはやされた。

ところが、この発明により人類が化学肥料を使うようになってからの弊害も。それは、雨で流れた栄養分が海に流れ着き海までも栄養過多になってしまい赤潮が発生するようになった。そこまで彼が予見することは不可能だっただろう。

これも「人間が自然をコントロールするなどと思い上がってはいけない」の一例に思える。同じようなことが原発にも当てはまるだろう。そして再生可能エネルギーにも、コントロール幻想が潜んでいるかも。

先のNHKスペシャル『ヒューマンエイジ』、世界の陸地の4割がすでに農地となって、とうもろこしや大豆由来の食物が人類のメイン食物になっていることを知る。食の単一化。

この代替食のニュース。一見すると「良いこと」を書いてある風に見えて、これも「食の単一化」。そして「「人間が自然をコントロールするなどと思い上がってはいけない」の一例なのかもしれない。

ただ、もう後戻りは出来ないし、なるようにしかならないのだろうという個人的な思いある。

そう考えると「2024年以降も諦めた」になってくるのだ。

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