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アントレプレナーの言葉に触れ、言葉の価値について考える

言葉には、さまざまな機能と役割がある。

それは、情報伝達をスムーズに行うための手段であったり、仲間内で同じイメージや概念を共有するためのものであったり、頭の中にあるイメージを一旦外に出すことで脳内ストレージをリフレッシュさせる機能を持っていたりもする。

そんな多様な言葉の役割の中で、最近、すごいなと思うのは、

ある言葉との出会いによって、新たな概念がインストールされる

ことだ。

たとえば、世の中には数々のニュースが出回っていて、事実を淡々と伝える情報は無数に存在しているけれども、

その情報をどう読み解くか?までは、教えてはくれない。

それこそ百人百様という言葉があるように、情報の受け止め方も、解釈の仕方も人それぞれだ。

でも、本当に大切なのは、

溢れる情報の海から自分が何を選び取り、どのような視点で解釈し、自分自分の言葉に置き換えることができるのか?

ということにあるように思う。

つまり、情報を情報のままで終わらせず、自分なりに咀嚼して考えた上で、情報を自分の意見や考え方、というところへ概念化するということだ。

自分の言葉を持っていることは、とても強い。

世界は「ことば」でできている、というけれど、まさにそれで、言葉を使いことなすことによって、既存の価値観や固定概念を、鮮やかに塗り替えることができる力をもっている。

このように考えるのは、これまですでに散々書き尽くされてきたことだけれど、情報が大量にある時代のなかで、単に「知っている」だけではほとんど意味をなさなくなってきているからだ。

もちろん、知っていることは思考の土台としての素養でもあり、考えるもとを作ってくれるものでもあるので、相変わらず大事であることには変わりがない。

ただ、ネットに検索キーワードを打ち込んで出てくる情報であれば、誰でも調べれば、時間をかけずともその答えに辿り着けてしまう。(もともと、その分野に知識があるのであれば、調べる手間が省けるので時間短縮になる、ということはあるけれど)

だからこそ、その一歩「先」が求められていると感じる。

それは、ある情報をもとに考え抜いて出てきた、その人なりの解釈や視点だ。

そして、それをまわりの人たちにも惜しみなく共有していくことで、その言葉は伝播し、やがてそれを発した本人の影響力となっていくのだろうと思う。

そう感じるのは、最近たまたまベンチャー社長の言葉に触れる機会が多く、その言葉から、新しい概念をインストールされているという実感があるからだ。

自ら起業し、メンバーを率いて、事業を推進していこうと思ったら、もともと持って生まれた能力や才能、そして積み上げてきたスキルだけでは、あと一歩足りない。

やはり、まわりを巻き込み、メンバーのやる気を引き出し、全体をまとめて力強く推進していくためには、やはり絶対的に、言葉の武器が必要なのだ。

そのことを今、ひしひしと感じている。

そして魅力的な起業家、アントレプレナーと呼ばれている人たちは、やはり圧倒的に魅力的な言葉をもっている。

そしてそれは、紛れもなく、その人自身に帰属する言葉で、
言葉の出自のようなものだと思う。

圧倒的な経験値の中から抽出された、その人自身から滲み出た言葉の結晶だ。

どこかで聞いたことのあるような借り物の言葉は、どんなに理路整然と語られたとしても、心には響かない。

テクニックやギミックが感じられる、巧妙な誘導には、心が塞いでしまう。

言葉は誰もが日々使っているものだけれど、その効用は使い方次第で、天と地ほどの差が出るのだ。


私は、アントレプレナーの方々の血の通った言葉に出会うたびに私は心を揺さぶられ、世界を再構築するための源泉である、新しいものの見方や視点を与えていただいている。

そしてそんな珠玉の言葉は決まって、人生を変えるヒントを与えてくれる。
これほど至福の瞬間はない。

日々、浴び続ける珠玉の言葉は、私を生かすエネルギーになっている。

私はそんな言葉を持つ人たちの考え方や生き方に、心底憧れている。
なぜなら、そこにはその人たちの生き様が溢れ出ているからだ。
その人が真剣に考え、奮闘し、生きてきた証が、言葉に表れているからだ。

きっと人は、そういう人を「魅力的な人」と呼ぶのだろうと思う。

魅力の正体は掴みどころがなく、言語化するのが難しい部分もあるけれど、
魅力的な言葉をもつ人、それによって人の心を深く揺さぶる人たちは、間違いなく魅力的な人だと思う。


言葉は瞬間瞬間に流れ、時とともに風化していく性質もあるけれども、
本物の言葉は、決して風化しない。

廃れることもない。

なぜならそれは、深く深く心の奥底まで響きわたり、世界を再構築する構成要素となり、生きる養分となって、新たな行動へと駆り立ててくれるものだからだ。










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