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タイの平日マガジン

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タイの日常、生活、観光などをまとめたマガジンです。
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記事一覧

C56型蒸気機関車、汽笛鳴る

 9月23日、靖国神社にある博物館「遊就館」入り口に展示されている、静態保存の日本製蒸気機関車C56型の汽笛が鳴った。この汽笛が鳴ったのは実に40年ぶりだ。  この日、汽笛吹鳴が行われたのは、第2次世界大戦時に旧日本軍によってタイとビルマ(現ミャンマー)間に建設された泰緬鉄道を最初に走った蒸気機関車、C56型の31号機だ。戦後、研究家によって発見されたこの機関車が昭和54年に日本に帰還し、靖国神社に奉納された。そのときに行われた式典以来の吹鳴だ。  当日は快晴で、暑かった

タイの若者のタイ文字は日本人には憶えやすい

 気がついたら、4ヶ月もnoteを放置していた・・・。  ふと、妻とのLINEのやり取りで思ったというか、思い出したというか。タイ文字の学習について、わりと若いタイ人とやり取りしていた方が習得しやすいのではないかなと思った話を。  基本的に、ボク自身のスタンスとしてはタイ文字は難しくない、と思う。日本語でいうところのひらがなしかないようなものなので、ちょっと勉強すれば簡単に読めるようになる。  ただし、あくまでも「読める」ようになる、である。結局のところ、タイ文字そのも

バンコク 昔の和食・今の和食

 改めて思い返すと2010年前後を境に、バンコクの和食シーンが大きく変わったなと思う。それ以前は本当においしい店なんてそうなかった。あっても、企業が接待で使うような高級店がトンローなどにあるくらい。それ以外の大しておいしくない店も、バンコク生活の一般的な物価感覚からするとかなり高額だった。 「原始焼き」はいつごろバンコクにできたのかよく憶えていないが、すでに和食ブームが来てからのはず。最初の店はスクムビット通りソイ26の北朝鮮レストランと同じ敷地内だったはず。  そういえ

スリウォン通りソイ・タンタワン

 スリウォン通りは、かつてバンコクの原宿などと呼ばれたサイアムスクエアの南の方にある通りで、バンコクではスクムビット・エリアよりもずっと下町で古い感じのする場所だ。今でこそ日本人の生活者か観光客の中心地はスクムビットだけれども、20年くらい前はこのエリアにも日系企業は多かった。  そんなスリウォン通りにソイ・タンタワンがある。移住歴を2002年としているが、実際にボクが初めてタイで生活をしたのはそれより前で、2000年6月から2001年8月にかけてのことだ。そのときに住んだ

【パタヤ】海に行ってプールに入る【ラーマーヤナ】

 タイは東側にタイ湾、西側にアンダマン海に面したビーチリゾートがいくつもある。潮流なのか雨季乾季の関係で、東側がハイシーズンだとするともう一方はローシーズンになり、季節が変わると逆転する。これによって、タイ国内は1年中海のシーズンが訪れる。  そんなタイのビーチリゾートで有名なのは、プーケット、サムイ、ホアヒン、そしてパタヤだ。ほかにも外国人にはあまり知られていないリゾートもたくさんある。その中でパタヤはバンコクから車で2時間ちょっとなので、都心から最も近いビーチリゾートと

日本製軍艦が触り放題のタイ王国海軍の公園

 バンコクの隣にあるサムットプラカン県はチャオプラヤ河で分断され、東岸、西岸に跨っている。中心地は東岸のBTSパクナム駅の周辺だ。  前回、タイの海軍博物館を紹介したが、おすすめは今回紹介するタイ海軍の公園の方だ。こちらは西岸の、まさにチャオプラヤの河口にある。正式名称は「ポム・プラジュンジョムクラオ」という。直訳すればプラジュンジョムクラオ要塞となるのかな。プラジュンジョムクラオはラマ5世のことだ。  タイ王国海軍は東南アジアを植民地化しようとするフランスなどに対抗する

タイ王国海軍博物館

 タイの軍事力は陸軍、海軍、空軍、海兵隊が担う。中でも海軍、空軍は博物館が充実していて、かつ太平洋戦争時の日本との関係が強く見られる部分もあって、日本人には興味深い。空軍博物館はドンムアン空港にあり、BTSの駅が目の前にある(現時点ではまだ未開通かな?)。  タイ王国海軍博物館は、スクムビット線沿線にある。BTS海軍士官学校駅の前にあるので、だいぶ行きやすくなっている。線路の西側がチャオプラヤ河に面した士官学校で、東側に博物館がある。  博物館の目印はこの飛行艇の展示品だ

タイの運動会には日本の運動会にない審査ポイントがある

 2020年は学校の始まりが2ヶ月くらい遅れ、度重なる学級・学校閉鎖などでカリキュラムも遅れに遅れ、それでも2021年の旧正月までになんとかほとんどの学校が終業を迎えた。タイの小中高は本来3月から5月が学年の節目であり、夏休みになる。なんとかそこには間に合わせた感じだ。  これだけ進行が遅れていたし、密を避けるために学校行事はすべてがキャンセルとなった。タイにもある学芸会や運動会もすべて行われなかった。  まあ、ボクにとってはそれはありがたい話だ。というのは、タイの場合、

タイで一番嫉妬した子ども用アトラクション

 ボクが子どものころは公園の遊具がまだアグレッシブだった。3メートル4メートルの高さから真っ逆さまに落ちたりとかがよくあったものだ。とはいえ、昔ながらの遊具であって、目新しいものではなかった。  タイは子どもをとても大切にする。そして、そんな子どものための施設もたくさんある。屋内アスレチックは一般的な建物の3階分くらいあって、迷路のように入り組んでいる。自分の子どもが喜んで駆け回る様子を見ながら、もし自分の子ども時代にこんな遊び場があったらどれほど興奮しただろうかと考えたり

東南アジアのルーフトップバーにおけるベストタイムは営業前

 近年は東南アジア各地でルーフトップバーが人気だ。屋上にある屋根のないバーのことで、いつも雨のときはどうするんだろうなと気になる。  バンコクは高いビルが多いので、特に高層ホテルは必ずと言っていいほど屋上にバーを置いている。2000年代の初頭くらいからあるにはあったが、特にハリウッド映画でバンコクでの酔っ払い騒動を描いたコメディが作られてから人気になった気がする。  その映画にも登場し、一応世界で一番高い場所にあると自負するバンコクのルーフトップバーは確か2003年にオー

だいたい量が少ない@バンコクの日本発チェーン店

 和食ブームのタイはどこもかしこも和食店がある。ボクの自宅周辺なんかは郊外なので、かつてはそもそも店すらなかった。ここ数年でだんだんとタイ料理の屋台などが増えてきて、ついには和食店がわずか100メートルあるかないかの距離の間に5軒もできた。  バンコクはロサンゼルスに次いで日本人が多い都市だ。日本人も多く、タイ人の和食好きも増えた、外国なので勝手にプレミアムをつけて日本よりも高く売れるということで、たくさんの飲食店が日本から進出している。有名な大手チェーン店も増えてきている

タイ人の自撮りの裏側

 タイに限らず東南アジア人は――いや、むしろ日本人以外と言った方がいいかもしれないが、自己肯定感が高い人が多い。だから、SNSでも動画でも、自撮りをしてそれを堂々公開する人が多い。ボクの妻もそのひとりだ。妻のSNSアカウントを見るとなんというか、すごいなと思えてくる。しかし、その自撮りの裏側をボクは見てもいるので、そこまでしなくてもなあと思えてもくる。  以前、下記に自撮りのことについて書いた。タイ人は自己肯定感が高く、SNSや動画で自分の顔を出すことを好むのはある意味では

コンセプトが極端と感じるタイの氷点下エンタメ施設

 ここのところずっとタイが日本観光ブームになっているのは、日本政府がタイ人への短期査証を免除にしたからだ。2013年7月からで、2週間程度の観光ならビザなしでタイ人も日本に来ることができるようになった。  ただ、実際的には日本観光ブームの方が先で、日本政府がタイ人への観光ビザを免除にしたのは金になるからと見たからに違いない。同年かその前年2012年の後半にタイ航空がバンコク-札幌の直行便を就航させている。これによって富裕層が2013年の雪まつりに出かけ、それがタイのテレビで

タイでは餓鬼道と地獄道はセット?

 タイでは小学生から仏教神話の授業があるようだ。だから、小1なのに瞑想とかの言葉を知っているし、仏像や仏教に関する知識が多少ではあるが身についている。これがタイ人のベースになっているのかなと思う。  ところが、なぜかタイでは餓鬼道と地獄道がいっしょくたになっているケースが多い気がする。三悪道のうち畜生道ははっきりと分けていて、タイ語では相手の悪口に動物の名前がちょくちょく出てくる。なぜか餓鬼道と地獄道は分けていない。  タイの餓鬼はプレートという。餓鬼の語源であるプレータ