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だいたい量が少ない@バンコクの日本発チェーン店

 和食ブームのタイはどこもかしこも和食店がある。ボクの自宅周辺なんかは郊外なので、かつてはそもそも店すらなかった。ここ数年でだんだんとタイ料理の屋台などが増えてきて、ついには和食店がわずか100メートルあるかないかの距離の間に5軒もできた。

 バンコクはロサンゼルスに次いで日本人が多い都市だ。日本人も多く、タイ人の和食好きも増えた、外国なので勝手にプレミアムをつけて日本よりも高く売れるということで、たくさんの飲食店が日本から進出している。有名な大手チェーン店も増えてきている。

 ボクはすでにタイに住んで長いこともあるし、そもそも好きだったチェーン店は全然来ないので、進出店の日本の味をほぼ知らない。それでもわかることがひとつある。大手チェーンの場合、だいたい量が少ない。特に丼もの、あるいは1品ものの店だ。

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「てんや」もバンコクにだいぶ前に来た。てんやはボクが若いときから日本にあったので知っていたが、行ったことはなかった。てんぷらなんて若い時分にそう食べたいと思わないし。

 和食というのはやっぱり食べないでいると恋しくなるものだ。しかもてんやが来たと話題になれば、行ってみたいと思う。ただ、ボクの妻は和食があまり得意ではないので、てんぷらなんかはなおさら行きたがらない。そのため、タイに進出してからだいぶ経ってから行くことになった。

 そして、行ってみて驚いた。てんぷらの数はともかく、ご飯がとてつもなく少ない。値段設定はそんなに高くない印象だったが、米が少なすぎてコスパがいいとは言えないかなと感じた。

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「吉野家」もタイに来た。ただ、吉野家は90年代にもバンコクにあったはずだ。というのは、初めての訪タイが98年1月だったのだが、そのときに持っていたガイドブックにはシーロム通りのタニヤに店名の記載があったからだ。あくまでも記載のみで、98年の時点では実際にそこに店はなかったけれど。

 というわけで、吉牛は再進出ということになるのでしょうか。だいぶ和食が定着してからの登場だった。在住日本人はついに来たと歓喜していたが、ボクは日本で食べたのなんて高校生のころだけで、それ以外で食べたことがない。学校の近くにあったので、昼飯をそこで食べるというのを何回かやったくらいで。

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 吉牛も値段は日本よりは安いのかもしれないが、やっぱり米の量が少ない。タイ人は1食の量が少ないので、タイ人向けにするならばそんなものなのかもしれないが、日本人からするとちょっと物足りないような。だからなのか、吉牛もてんやも日本人客が入っているようには見えない。

 日本で定食があるのかわからないが、タイの吉牛には定食セットがある。この画像を見てもらうとわかるのが米の少なさだ。ちょっとしたおにぎりより少ない。いや、日本での一般的な半ライスの半分くらいというイメージだ。

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「かつや」もある。かつやはタイに進出してくるまで知らなかった。タイにできたのを見かけ、のちに日本滞在中に看板を見つけ、「日本のチェーン店なのか」と知ったくらいで。

 てんぷらもとんかつも妻が嫌がるのでなかなか行く機会がない店のひとつでもある。しかし、人気なのか、商業施設のほとんどに入っているのではないかというくらい、どこでも見かける気がする。

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 プロモーション設定だとは思うが、この看板を見るとカツ丼がドリンクとセットで99バーツだ。100バーツとすれば、約350円くらいか。安い。ただ、日本では行ったことがないので、日本の設定と比較してどうなのかはわからない。

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 タイのこの系統のチェーン店に行くと、だいたいスプーンがついてくる。タイ人は箸をほとんど使わないので、スプーンの方がいいのでしょう。タイ人が箸を使うのは麺類とタイスキくらいかな。

 こうセットを見ると、やっぱり量が少ないかな。吉牛よりは米は多いが、全体的に小さくまとまっている印象を受ける。タイ人相手にはこの量が適切なのでしょう。

 思い出して見ると、北陸などに多い「8番らーめん」とか長崎ちゃんぽんの「リンガーハット」も1杯の量がものすごく少ない。とはいえ、「大戸屋」は日本的な量なので、タイ人はどうせ食べないから量も少なく設定していいでしょう、という計算なのだと思う。なんか日本的な考え方だなと思う。タイでは食事を残すことが悪いことという考え方がないのだから、少なくする必要はないのではないかな。

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 それから、チェーン店に限らず、日本から来た和食店がやりがちなのが、タイ料理のフュージョンだ。いつも思うのだが、これ、開発する必要があるのでしょうか。かつやはグリーンカレーがあった。あとはありがちなのはトムヤムクンのラーメンとか。

 和食が苦手な人のために置いているのかな。目的はいったいなんだろうか。和食が苦手な人はそう来ないし、これを食べるならタイ料理に行った方が安いしおいしいだろうに。「よしあの和食店でタイ料理を食べよう」なんて思う人もいないし、ここまで来たら初めてでも和食を食べると思うのではないか。

 量が少ないのはわかるが、このタイ料理化の謎のセンスだけはいつも理解できない。ま、あるってことは多少注文されているのかもしれないけどね。

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