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タイで一番嫉妬した子ども用アトラクション

 ボクが子どものころは公園の遊具がまだアグレッシブだった。3メートル4メートルの高さから真っ逆さまに落ちたりとかがよくあったものだ。とはいえ、昔ながらの遊具であって、目新しいものではなかった。

 タイは子どもをとても大切にする。そして、そんな子どものための施設もたくさんある。屋内アスレチックは一般的な建物の3階分くらいあって、迷路のように入り組んでいる。自分の子どもが喜んで駆け回る様子を見ながら、もし自分の子ども時代にこんな遊び場があったらどれほど興奮しただろうかと考えたりする。

 そんな子どもの遊具や施設、アトラクションの中で、最も羨ましいというか、嫉妬してしまいたくなるほどのものが、シーコンスクエア内の「ヨーヨーランド」にあった。

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 ヨーヨーランドは巨大商業施設「シーコンスクエア」の中にある。チープな屋内遊園地で、その姿は東京にある「あらかわ遊園」に似ている。ボクはその辺りの生まれなので、子どものころはよく行った。近年にだいぶ遊園地らしくなったものの、今はさらなる改修のために2018年から長期休園に入っている。

 そんなヨーヨーランドの隅っこにあるのが、このボートの乗りものだ。これがボクにはすごいと思えて仕方がない。

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 水場は水深1メールもない感じかな。それほど深くないので危険度は低い。

 なによりすごいのは、レールとかそういうものがなく、小舟をレバーで自在に操作し、自由に操船できることだ。船に興味がない人はどうでもいいかもしれない。ボクは船乗りになりたいと思っていたころがあって、進学先を海洋関係にしようかと思っていたことがあったくらい。そんなボクにとってはこれは夢のような乗りものである。

 東京のお台場に船の博物館(船の科学館だったかな)があるが、そこでさえ、少なくともボクが子どものころ、あるいは日本にいる間に自分が乗りこみ、誰も監督につかずに自由に操船できる乗りものはなかった。せいぜい、ラジコン船舶を操作できる池があったくらいか。

 どうでもいい話だが、船の操作は「操舵」、あるいは「操船」という。最悪、船の操縦でもいい。ボクは好きでボート関係の動画をよく観るのだが、船舶の販売、あるいはレビューでさえ運転と言う。わかりやすく言っているのかもしれないが、なんか違和感が自分の中に残る。

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 このボートは大きな浮き輪に座席と操舵装置を取りつけている。下部はプロペラなのかジェットなのかはわからないが、その場で回転することもできる。スピードはそれほどの速くない。また、モーターが壊れても浅いし、浮き輪がついているので怖くない。形状が形状なので、子どもの中にはバンプカーみたいにぶつけ合って遊ぶ子もいる。

 ボクが子どものころに自在に操縦できる乗りものと言えばゴーカートくらいだった。それでもコースが決まっているし、自由度は高くない。スワンボートとかならあったけれども、モーターあるいはエンジンがついているわけではないので、操船している感覚とは違う。

 それがここでは、狭いとはいえ、自由に船を操って楽しめる。子どものころにこんな乗りものがあったら、どっぷりとハマっていたと思う。

 ヨーヨーランドの公式サイトはfacebookしかない。コロナ対策の話が最近は中心で、以前とはだいぶアトラクションのラインナップが変わった。でも、画像を見てみると、どうやらこのボートは残っているようである。これはぜひ残しておいてほしい。

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