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思考の深さ、について

6月10日(月)

最近、2000字ほどの文章であれば30分くらいで書けるようになりました。
どうも、神門です。

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この前複数の友人と、「思考の深さ」の話になりました。
一体、思考の深さとはなんなのか。

その場では言えなかった、僕なりの考えを述べてみます。


思考の深さとは何か

まず、辞書的な意味を確認しましょう。

思考とは「考えること」、深さとは「奥行きや程度の大きさ」を示します。つまり、思考の深さとは、「何かを考える際にその対象についてどれだけ深く、細かく、徹底的に考えるか」を指すのです。

ここまでは辞書を引けば誰でも辿り着けます。


「深く考える」ということ

「深い」とは、奥行きや程度の大きさを示す、と確認しました。
では、思考における奥行きや程度の大きさとは何か。

それは、1つのことに対してしつこく考え続けることです。

表面的な理解で満足することなく、その背景や根底にある要因、さらにはその影響や未来についても考察することです。これは単なる好奇心や探求心にとどまらず、ある種の執念に近い、知的執着とも言えるでしょう。

例えば、ある問題に対して「なぜそれが起こったのか?」という問いを投げかけることはしばしばあります。しかし、思考が深い人はさらに「その根本的な原因は何か?」「その原因を引き起こした背景は何か?」「その誘因は何か?」と、芋づる式に次々と問いを重ねます。

俗にいう、しつこくてめんどくさいやつですw
でも、このしつこさがないと深い部分にまでは至らないと思っています。

これは時に、考えなくてもいいことまで考えることになります。なぜなら、その背景や原因を突き詰める過程で、新たな疑問や未知の領域が次々と現れるからです。だから、厳密には終わらない作業と化します。


思考の体力が必要

このような深い思考には、「思考の体力」が必要だと思っています。

思考の体力とは、マラソンのような持久走です。短時間で結論を出すのではなく、長時間にわたって、うちから湧き上がる疑問を認知し、それに対する答えを求め続ける力です。

大学に進むと、それまでの勉強ではなく「研究」が求められます。研究者はこの思考の体力がかなりあるのでしょう。常に「なぜ?」を問い続け、仮説を検証していきます。

これと対極にあるのが、「頭のキレ」でしょう。


頭のキレとの違い

思考の深さとは対照的な「頭のキレ」は、短距離走に例えられます。

これは瞬時に問題を解決する能力、即座に鋭い答えを出す力です。例えば、芸人の即興の返しやウィットに富んだコメントは、まさに頭のキレの良さを象徴しています。

短距離走の選手が一瞬のスピードと瞬発力で勝負するように、頭のキレも短時間で的確な答えを導き出す力です。

この、長距離走と短距離走の二刀流になれれば、もう怖いものなしですね。


日常の中での思考の深さ

この思考の深さは、日常生活でも現れます。

例えば、ニトリに入ったときを想像してみましょう。普通ならばディスプレイされた家具を見てそのデザインや価格を見て終わりだと思います。

しかし、思考の深い人はそのディスプレイの目的や、ライティングの工夫、さらにはそれがどのように購買意欲を高めるために設計されているかまで考えると思います。

これらの細かい点に注目することで、その背後にある経営戦略やマーケティングの意図を読み解くことができるのです。だから、経営者もこんな感じの思考の深さが求められるのかもしれません。


思考の深さと日常の充実

多分僕は長距離ランナータイプなのですが、この思考の癖をつけておくと、毎日が結構楽しく感じます。

例えば、散歩中に見かける花の種類やその咲き方について考えることで、ただ歩くだけでは気づかない美しさや、自然の法則に気がつくことができます。

で、これは思わぬセレンディピティにも繋がります。

この記事は一昨日書いたのですが、家でやったコーヒーの焙煎と、「ゆっくり急げ」といラテン語の諺が、ビビっと繋がった感じがしたのです。焙煎という作業に対して、考えなくてもいいことまで考えるという癖が幸いして、このようなセレンディピティとして発揮されました。


思考の深さと面の広さ

また、思考の深さというものは専門的な部分にだけ発揮されるわけではないように思います。このセレンディピティの実例を考えてみると、広範な知的好奇心がそれを可能にしていると思うのです。

とあるAの部分を深く考えてみると、「そういえば、なんだかBのあの部分と近いな。ということは、こういうことも言えそうだな」みたいな気づきや発見につながるのです。

昨今におけるリベラルアーツ(一般教養といえるもの)の重要視は、こういうことも関係していそうな気がしてます。


結論

思考の深さとは、一つのことに対してしつこく考え続ける力であり、それを支えるのは思考の体力です。

持久走のように、長時間にわたって集中し続ける力が求められるのです。それに対して頭のキレは短距離走であり、瞬時に問題を解決する能力です。これら二つの能力は相反するものではなく、互いに補完し合うものです。

深く考えることで得られる洞察と、瞬時に答えを出すことで得られる迅速な対応力、これらをバランスよく持つことが、日常生活をより豊かに、充実したものにするのです。

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