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Day3 【#2 財政を見ていく上での3つの指標】

こんにちは。
小樽のカレーボーイ(自称)こと、神門崇晶(かんどたかあき)です。

普段は大学で商学の勉強をしながら大学構内でカレー屋の経営をしていたり小樽のYouTuberになったり、新さっぽろのFMラジオ番組をもっていたり、色々やってます。

今回のnoteの題材はコチラから。地方財政の基礎的なことが、たったの15分強で一通り分かる代物となっています。

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▲このnoteはどんな内容?▼

このnoteは
YouTubeチャンネル「小樽再興戦略室」


で挙げられたトピックをテキストでまとめ直して、YouTubeでは纏めきれなかった情報を追加して、補充していく内容になっています。

グラフや表を用いて分かりやすくまとめているので、ぜひ、ご覧ください。小樽再興戦略室については記事の一番最後で簡単に説明しています。

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今回は、ミクロ財政ということで小樽市の財政状態を以下の3つの指標を中心に見ていきます。

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▲① 経常収支比率▼

まず1つ目の経常収支比率についてです。この指標は企業会計においても指標として用いられています。この数字が表すのは「財政の弾力性」です。100%に近いほど弾力性はなくなります。小樽市の経常収支比率の推移を見ていきましょう。

グラフの通り、2014〜2018年の5年間平均では97.56%と弾力性はほぼ無いに等しいと言えます。これが意味するところは、有事の際への対処が財政的な問題で厳しい、ということです。つまり、新型コロナウイルスによる経済的・財政的ダメージや、冬季における豪雪、といった有事への対処が「金銭的に」難しいということです。次に、他都市と比較してみましょう。

これは意外なのですが、札幌市も財政の弾力性は強くはありません。この原因は再度検証する必要があるでしょう。
苫小牧市は、道内10都市において最も財政状態が良好です。これは、苫小牧に拠点を持つ法人が多く、法人市民税、固定資産税などの市税収入が多いためだと考えられます。歳入や歳出については次回のnoteで見ていきます。
また、江別市と室蘭市を抽出した理由は、人口や立地が小樽と似ている、と判断したためです。江別市は人口が12万人で、札幌市近郊です。室蘭市は9万人の人口を抱え、港町といったような小樽市との共通点が見られるからです。


まとめると、道内の主要10都市は総じて財政的な余裕はあまりない、というのが現状です。「小樽市は財政がやばい!第2の夕張市だ!」などと豪語している方は無視してください。それが真であれば、日本全国に第2の夕張市はいくつあるんだ、という話になります。

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▲② 財政力指数▼

次の財政力指数は、「財政の自立性」を表す指標です。これは数字が大きいと、財政的な自立性は高く、小さいと自立性は低く、国からの普通交付税に依存しているということになります。


財政力指数の推移を見ると、財政の自立性は低いということができます。また、年々指数は上がっており行政による努力が見られます。しかし、他都市と比較すると指数は小さく、普通交付税の依存度は比較的高い、と言えます。

他都市と比較してみました。札幌市については、経常収支比率の数字は良くなかったですが、人口約200万人、様々な企業を抱える大都市なので、法人・市民住民税や固定資産税といった市税収入が豊富かつ安定的な財源です。そのため、財政力指数は、苫小牧市に匹敵するほど高いのです。

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▲③ 財政調調整基金▼

財政調整基金とは自治体における貯金のことです。X年度における歳出が歳入を下回ると、有事に備えてそれは財政調整基金に回されます。
今回の新型コロナウイルスによる休業補償金や営業時間短縮への協力金などは、この財政調整基金から捻出した自治体が多数です。例えば、東京都はこの貯金の95%を取り崩して賄いました。残額は500億円です。(https://www.nhk.or.jp/politics/articles/lastweek/37024.html より)

小樽市では二度のクラスターが発生したため、休業要請を飲食店やスナックに出しました。その際、財政調整基金や「新型コロナウイルス感染症臨時地方創生交付金」といった名の交付金を活用し、休業補償金や協力金を捻出しました。そのため、今年度うわ、小樽市の体制調整基金はほぼゼロに等しくなると予想されます。以下のグラフは、財政調整基金の残高推移です。

また、上毛新聞によると新型コロナウイルス対策のために、「47都道府県の20年度末の基金残高は当初見込み(1兆5709億円)の70%減となり、補正予算での積み増し分などを加味しても残高は5559億円に落ち込む見通しだ」とされています。
(https://www.google.com/amp/s/www.jomo-news.co.jp/news/gunma/politics/223996%3famp より)

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▲まとめ▼

これまで見たように、地方自治体の財政状況は既に苦しいというのが現状です。これには諸要因が挙げられます。それも検証していく必要があります。また、財政調整基金の大幅な減少からも分かるように、今回の新型コロナウイルスによるショックは、経済的だけではなく国家や地方自治体の財政にとっても、多大な影響をもたらしている、ということです。

次回は、小樽市の財政の内部をより詳しく見ていきます。

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▲「小樽再興戦略室」って?▼

このYouTubeチャンネルは
僕が経営するカレーパンドラ小樽商大店
(リンク)
のオーナー(リンク)と2人で立ち上げたYouTubeチャンネルです。

動画の内容は
① 現状把握
データなどで見える事実から現状を知る。
② 課題提起
現状を知ることで、小樽の課題を提起する。
③ 戦略立案
「小樽を再興させる」ための戦略を立案する。

という流れを軸に、動画を見てくださっている視聴者の方々と一緒に、小樽を再興させるための戦略を立案していく、という内容です。

ゲストの方にもご出演していただき、小樽のことを深堀りしていきます。

サポートお待ちしております!(笑) いただきましたサポートは、次の記事を書くための本や資料などに遣わせていただきます。