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【フリーランスエンジニアが仕事もせずに巡礼してみた2023】§16 巡礼16日目 いい街!

§16-1 朝

7時から朝ごはんって書いてあったけど、ギリギリまで寝る。
眠い。眠過ぎる。

7時15分、ご飯を食べに向かう。みんなもう食べ終わりそうな感じだった。

コーヒーとパン。
あとなんか甘いやつ。

荷物を預けて送迎バスへ。

また昨日のレストランまで送ってくれる。

ヒホンまで歩いてバスに乗るぞ。
それしか考えてなかったので、今日のルートが上り坂なのかどうかを確認していなかった。

上りだった。辛い。

§16-2 迷い犬

途中、女性と出会った。

ここまでいろんな人と歩いているが、男性と一緒に歩いたことはほぼない。
なぜなら彼らは歩くのが早すぎて、少し話し始めても、すぐに置いていかれるのだ。

チャオ、タカ!と言って、どんどん先へ行ってしまう。

そしてまたアルベルゲで再会!みたいなことがよくある。

その女性とは最初挨拶しただけ。
歩くペースが同じだったのでなんとなく近い距離で歩いていく。

そして犬が走って近寄ってくる。

その女性が言う。

昨日もこの犬と会った。山越える手前で。
この犬飼い主とはぐれたのかも。ずーっと1日中走り回ってる。

大変だ。どうにかしてあげたいが、方法がわからない。

彼女が走ってくる車を止めて、犬について話す。

僕は特に何もできないので黙って犬を見張っている。

どうやらこの犬はこの辺りを好きで走り回っているらしい。
放っておいてもいいようだ。
全く、おかしな犬だ。

車道に飛び出たりするのでこちらが心配になる。

その犬を気にしていたせいで、カミーノの矢印を見落としてしまった。

知らないうちに巡礼路を外れ、道路沿いへ。

名前も知らない女性と一緒にヒホンまで歩く。
google mapで道を確かめながら。

この女性はチェコの人で、とてもよく喋る。
なんとか会話についていく。

ん?
ちょっとは英語わかるようになったのか?
思った以上にコミュニケーションが取れる。

当たり前だか、言いたいことはあまりちゃんと言えない。
それでも意外となんとか伝わっているみたいだ。

「サイダー飲んだ?」

急に聞かれる。

なんだろう、サイダー?
三ツ矢サイダーしか知らない。
少なくともスペインでは飲んでない。

飲んでない。と答える。

「この土地に来て試してないなんてありえん!
絶対飲んで!!」

美味しいやつらしい。
いったい、なんだろう。

どうやらシードルのようだ。
英語ではサイダー。
スペイン語ではシードラ。

シードルは何語?

とりあえず判明した。
オビエド行ったらバルで飲もう。
昨日から飲みたいとは思っていたけど、チャンスがなかった。

巡礼路に戻れたが、またすぐ外れる。

近くの目立つ建物は大学らしい。
写真を撮るため近づいていく。
今日は巡礼路完全無視の時間が続く。

§16-3 電車に乗る

知らない女性とはビーチの近くで別れ、1人駅に向かう。
この人が今日どこに向かうのか、何か言ってたけど全然わからなかった。

駅に着き、切符を買う。
券売機の使い方はマスターしたはずだ。

操作する。

オビエドが見つからない。

仕方ない。チケットカウンターへ。

quiero ir a oviedo

伝わった。チケット買えた。

何か言われる。わからない。
紙に書いてくれた。
時間やホーム、乗る電車の行き先表示だった。

時間までまだある。お昼を食べる。

時間になったのでホームへ。

一応、乗る時に近くの乗客に

oviedo?

と聞いてみる。合ってるみたいだ。

2度目の電車
電車で移動中

降りる時にもオビエドだよって教えてくれた。優しい。

到着

§16-4 再会

オビエドに着き、アルベルゲまで歩く。
途中、スポーツショップみたいなところでパンツを買う。

かなり序盤で1枚無くしていたが、ようやく買い足せた。
Tシャツも欲しいな、と思っていたけどいい色がなかったので断念。

そのまま歩いていると大きな公園が。
わざわざ中を歩く気にはなんとなくならなかったけど、綺麗な感じ。
観光はアルベルゲでバックパックを置いてから。

「タカ!タカ!」

声をかけられる。
ベンチに知ってる人が座っていた。

数日前一緒にいた、イタリア人兄弟!
再会を喜ぶ。
昨日から体調を崩してしまってオビエドに留まっていふらしい。
たくさん食べ過ぎてた、と。

何をそんなに食べたのだろう。

「タカのInstagramは翻訳して全部見てるよ。オビエドに来ることもわかっていた。」

お陰で会えたのかもしれない。

マメに更新するといいことある。

相変わらずセルフィー撮るのが下手。ごめん兄弟。

泊まるアルベルゲが同じだったので一緒に行く。
16時まで開かないらしい。
2時間弱、入口の前で待機。

16時。受付が始まる。

1人1人順番に受付に入り手続きしていく。

兄弟が受付から出てきて、

「3人部屋だからあと1人泊まれる。部屋番号は5だよ、受付で伝えてみて。同じ部屋にしてくれるかもしれない。試してみて。」

受付に入る。
おじさんに
「君は5番の部屋でいいの?」
こちらから伝える前に聞かれた。兄弟が伝えてくれていたのだろう。ありがたい。

ここのアルベルゲはおじさんの気分で(?)部屋が割り振られていく。
男女とかも気にせず。

他の部屋は4〜6人部屋みたいだったけど、5番の部屋は3人部屋。

知ってる人だけで泊まれるのは気が楽だ。

「パスポートに書いてあるCHIBAってどこ?東京?」受付おじさんに聞かれる。

東京の近くだよ。

そこに住んでるの?

いや、今は東京。

受付時の宿泊者住所が東京に変更された。

そして部屋へ。

ゆっくり過ごせそうだ。

§16-5 1人で観光

シャワーを浴びて部屋に戻ると兄弟は寝ていたので1人で観光。
オビエド大聖堂の無料チケットをもらったので行ってみる。

ここではなかった

教会が見えてきたが、入り口がない。
これではないようだ。

歩く
いい雰囲気

オビエド大聖堂

オビエド大聖堂

入口を見つけた。
チケットを見せる。
何か言われる。全くわからない。

tengo un boleto

これだけ繰り返す。

「入っていいよ、帽子取ってね。」

どうやらいいらしい。

写真を撮っていいのだろうか。見渡したら撮ってる人いたので黙って撮る。
とても御利益ありそうだ。

この大聖堂の中は博物館にもなっていた。
そこは写真NGと書いてあった。
入場料かかるのも分かる、そんな感じの場所だった。

外は暑いのに、大聖堂の中は少しひんやりとしていて、なんかそういう雰囲気のある場所。
厳かな、そういうやつ。
ちょっといい言葉が思いつかないので察してください。

SIDRA

大聖堂を見た後、ついにシードラを。

良さそうなバルを見つけたので入る。

Quiero una sidra, por favor.

ここまではよし。
しかし何か言われる。

ボトルでいい?
みたいに言われてる気がする。
グラス1杯でいいんだけど。

Do you speak English?

とりあえずYes。

どうやらシードルはボトルでしか提供していないらしい。

しょうがない、飲もう!

頼む。びっくりされた気がしたけど、頼めたのでOK。

高いところから空気を含ませるようにして注ぐ。
これが作法みたい。
ウェイターさんが注いでくれる。

味は、日本で飲むようなリンゴ感のあるものというよりは、なんというか。

アイラウイスキーを飲んだ時の薬っぽい感じ。そんなのを感じる。
リンゴ感はその奥から。
ものすごく美味しい!という感じではないかな。
モノによるのだろうけど。

自分で適当に注ぐと、その薬っぽさはあまり出ない。
味も多少違うかな。

なんというか、不思議な飲み物。

バスク地方でチャコリを飲んだ時ほどの感動はなかった。

チャンスがあったら別の銘柄を飲んでみよう。

そして1人で飲み切った

§16-6 クレデンシャル

そういえば、もうクレデンシャルのスタンプ押す場所がない。
新しいのを買おう。受付で売ってたな。

受付おじさんが暇そうな時を狙って買いに行く。

クレデンシャルを入れるケースもセットだった。
クレデンシャルが3€、ケースが1€で売っているはずなのだが、全部で3€だった。

おじさんのサービスなのか、そういうものなのか。

クレデンシャル入れておくケースあったらいいのにな、と思っていたのでとても嬉しい。
パスポートも入れておける。
アルベルゲでは受付でどちらも必要なので、まとめて持っておけるのは便利。

§16-7 せっかくだから

せっかくだから晩ご飯。ちゃんと何か食べてみよう。
レストランを教えてもらったけどちょっと遠い。
足も疲れている。
近くのレストランに行くことにする。

もう20時を過ぎている。
アルベルゲは22時に閉まる。

なるべく早くアルベルゲに着いていたい。

レストランではおすすめを聞く。
なんとか通じた。

最初はハンバーガーをおすすめされた。
それはいらない。

次に、めちゃくちゃデカい何かをおすすめされたのでもっと小さいやつ、と頼む。

何かのハーフサイズ、というのがあるらしい。
なんだかわからないけど、おすすめらしいので頼む。

肉なのか、魚なのか。

全く分からん。


そういう日もあっていい、そんな気がした。
シードルを飲んで酔ってるだけかもしれない。

でかい。何かわからない。

クセのある肉。
美味しいかどうかもわからない。

果たして、本当にウェイターさんのおすすめなのだろうか?
ハーフサイズなのに量が多い。

美味しい?
って聞かれたので
美味しい!

と答えたものの、疑問である。

わからないものを頼むのは二度とやめよう。

ただ、野菜を食べられたのは嬉しい。

結局食べきれず帰ってきた。
これで22€。
ちょっとやり過ぎた。

さっきのシードラは1本で3.5€だったのに。

§16-8 最後

兄弟は明日、イタリアに帰るとのこと。
一緒に歩けるかと思ってたのに。

とてもよくしてもらったので、なにかこちらからもできることはないかな。

うーん、なかった。

困った。

あ、5円玉まだある。

何か話題になったらいいなと思って、少しだけ持ってきた5円玉。
穴の空いた硬貨は珍しいっていうからね。

外国でのプレゼントや感謝を伝えるギフトみたいな文化って、どうなっているんだろう。
今度調べよう。


日本の硬貨で5 yenです。日本語では「GOEN」と発音します。
0.03€ぐらいです。
こっちだとなんも買えないけど、日本だと同じ形をしたチョコレートが1つ買えます。
(あれ、もうないんだっけ?まあいいか。)

「GOEN」は同じ発音で「ご縁」という漢字もあって、ポジティブな意味です。いい関係が続きますように。みたいな。

ということを頑張って伝える。

とても喜んでもらえた。
スペシャルなギフトをありがとう、と。

喜んでもらえるとこちらも嬉しいね。

僕のわけわからん英語を聞いて、うまく推測してくれて、ありがとう。

またいつか会える日まで。

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