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【#12.川崎×名古屋】川崎のCKを超分析【セットプレー】【2021年】

コーナーキックの分析をします。

☆試合データ

2021明治安田生命J1リーグ
第12節
2021年5月4日(火)
15:00 kick off
@等々力陸上競技場
川崎フロンターレ vs 名古屋グランパス
3-2
得点者:
31’ジェジエウ(川崎)
50’山根視来(川崎)
59’オウンゴール(川崎)
73’稲垣祥(名古屋)
83’マテウス(名古屋)

31分の川崎フロンターレのコーナーキックを取り上げます。

☆ゴール動画

試合ハイライト(ゴールシーンは1:53~)

☆攻撃(川崎目線)

配置:
ボール付近…1人
ゴールエリア内…3人
PKスポット付近…3人
ペナルティアーク付近…2人

☆守備(名古屋目線)

11人全員がペナルティエリア内に入っての守備。
守備の方法は、ニアサイドに重点を置いた完全なゾーンディフェンス

底に5人でラインを引き、その少し前に4人のラインを引く。
やや前方に1人を置いておく。

☆立ち位置全体図

画像1
青=川崎、白=名古屋

名古屋のディフェンスは白の②~⑥のラインと⑦~⑩のラインで守っている。

☆ゴールに繋がった要素

①ゴールエリア内での立ち位置

青⑤と青⑥の立ち位置を見てください。
一見、そこに合わせようとするとGKに簡単に取られてしまうように見えますが、彼らの役目は他にもあります。

それは、GKの動ける範囲を減らす事です。
意図的にGKの動きをブロックに行くことはファールになりますが、予めポジションを取っておき、GKの飛び出しの邪魔になることはまったくファールではありません。

この2人のおかげでGKが躊躇なく出られるエリアを大幅に減らすことが出来ます。

②ニアを越すという狙い

川崎はPKスポット付近の青⑦と青⑧にそれぞれ谷口選手とジェジエウ選手というヘディングの強い選手を配置しています。

そこを狙うことで、ニアに配置されている名古屋守備陣を一気に越すことが出来るのです。

図の斜線部を越すことで、ファーサイドに置いて青⑥・⑧・⑨対白⑤・⑥の数的優位を作ることが出来るのです。

画像2

③ゾーンディフェンスのデメリット

ゾーンディフェンスのデメリットの一つに、競る際にその場でのジャンプが必要となるというものがあります。

最も危険な中央のエリアには、チーム内でもヘディングの強さに定評のある選手が入りますが、助走のないヘディングではやはり分が悪くなってしまいます。

このシーンでも、中央の白⑤は丸山選手ですが、やや下がりながらのジャンプとなり、上からジェジエウ選手に決められています。

☆まとめ

このゴールは、ゾーンディフェンスで特に警戒している場所を外し、蹴られた位置で有利な競り合いをしたからこそ生まれたゴールだったなと思います。

☆おまけ

ゾーンディフェンスでは、特定の選手にマークがいるわけではないため、こぼれ球も危険です。

このシーンのシュートのタイミングでは、青④・⑥の選手がドフリーになっています。

しかし、名古屋ディフェンス陣のニアを守っていた選手(白②・③)は、蹴られたボールが自分を越えると分かり、しっかりとラインを上げています。

これにより、打たれたシュートをGKが弾いて詰められてもオフサイドになった可能性が高いです。

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