最大外旋時の肩前上方部痛に対するアプローチ例
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■はじめに
今回は投球動作における最大外旋位での肩関節前上方部の痛み、特に上腕二頭筋腱(以下、LHB)の痛みの対処法の一つをご紹介できればと思います。
基本的に肩関節後方タイトネスや下方タイトネスが強い場合、その対側である前方や上方に骨頭が偏位することによりストレスが生じ、痛みが出るケースが多いです。
そのため、介入の初期は優先的にそれらの問題を解決することが望ましいです。
後下方の柔軟性が出ても痛みが解決しない場合や、肩甲骨の運動に問題があるケースは今回のnoteが参考になるかもしれません。
■評価
|圧痛
上腕二頭筋長頭腱を触診し、圧痛を評価します。
※三角筋前部筋内腱の痛みと混同しないよう注意が必要
前腕の回内外をしながら二頭筋腱をしっかりと触知してください。
|MER再現痛
最大外旋位を再現してもらい、肩前上方に疼痛が出現するか確認します。
外旋の作り方がポイントになります。
肩前上方部痛を訴える選手に多いパターンは肩甲骨挙上・前傾、肩関節より肘関節が下に来る(肘下がり)、骨頭前上方突き上げストレスです。
参考動画⏬
良い外旋と悪い外旋
しっかりと肩甲骨下制・外転・上方回旋が作れているかを必ず確認します。
この肩甲骨の動きができていれば肩関節外旋に伴って肘は上がってくるはずです。
|肩屈曲90°出力
LHBの炎症があったり、三角筋前部線維と上腕二頭筋の滑走不全があったりする場合、肩関節屈曲90°でのMMTを実施した際に肩前上方に疼痛を訴える場合が多いので評価していきます。
もちろん体幹や肩甲帯のstability不良や腱板の筋力低下でも左右差が生じることがあるのでそれらの評価も併せて行い、複合的に判断するのが良いと思います。
|背臥位肩関節伸展ROM
三角筋前部線維と上腕二頭筋の滑走不全が生じて肩関節伸展制限を生じているケースがありますので伸展可動域も確認しておきましょう。
投手であれば理想は他動伸展80-90°を目標値としています。
■徒手治療
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