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『開発や実験』がモノづくり現場のチーム力を強くする。

はじめに

こんにちは、隆之です。
開発速度と品質向上は、モノづくり現場では不可欠な要素です。特に競争が激しい産業では、迅速な製品開発と高品質な製品提供が求められます。
たまには私の工場のお話しをします。
私達が自信を持っていることがあります。
それは他社に対抗できる開発速度です。競合メーカーには全く負ける気がしません。

私たちがどのようにして、開発速度と品質を高めているのかについて解説します。

目的とチームの役割

私の工場は開発速度にかなりの自信を持っています。そして、この自信は明確な目的と役割分担に裏打ちされています。

明確な目的は、チーム全体が向かうべき方向を示し、迷いや混乱を排除します。会社内で目的が共有され、それに向かって一丸となることで、目標達成がスムーズになります。

『そんな事は知ってます。』と声がかえってきそうですね。
それでは、本題に入りましょう。
どうすれば簡単にチームがまとまるか?

開発やテストの継続が解決する

開発速度を向上させ、品質を高めるための鍵は、チーム内での目標共有とメンバーの役割明確化にあるとお伝えしました。

この鍵を握るのが「開発、テスト」

製品の開発において、どんな製品を何のために作るか、不明確なんて事はあるでしょうか。
今行われているテストが、何の検証を目的としているか不明で参加しているなんて事はありますか?

まず、ありませんよね。


テストを実施する時は必ずゴールが明確になります。メンバーもなぜ自分が参加し、どのスキル提供を求められているのかも明確です。こういった経験を積ませることで、通常の業務でもメンバーは自分の役割と他のメンバーの役割を明確に理解できるようになります。

明確な目標があるからこそ、テスト後の結果にしっかりとしたフィードバックが得られ、PDCAサイクルを回すことが可能になります。

これらの定着がテストがもたらす効果です。

開発やテストを通して本来の仕事が見えてくる

開発やテストは、目標の共有と役割の明確化において、強力なツールとしても機能します。
当然、ノウハウの蓄積や、技術的なデータの取得、品質改善などは元々の機能ですが、副産物として組織に色々な影響を与えます。
一度その効果をまとめてみましょう。

勝手にら考えはじめる
人は質問されると考えてしまう性質があります。原因は何だ?などと話してると、知らずにみんな自分なりに考えはじめます。

ゴールの明確化
テストを行う際、何をテストするか、何を達成すべきかがはっきりと定義されます。これにより、一致団結し、共通のゴールに向かって努力するという経験が得られます。

メンバーの役割明確化
各メンバーは、テストの実施において何を担当するかを明確に理解します。彼らはなぜ参加し、どのスキルを提供するのかが明らかです。
要求も理解しやすく、仕事に対しての向き合い方が変わります。

明確な目標とフィードバック
テストには明確な目標があり、その目標に対するフィードバックを得る機会が提供されます。これにより、問題点を特定し、改善点を見つけるという体験ができます。

PDCAサイクルの確立
テストプロセスを通じてPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルが確立され、絶えず進化と改善が行われます。これが、チームの継続的な成長を促します。

心理的安全性の改善
誰が何を担当し、どのように協力するかが明確であれば、意見も出しやすくなり、抵抗がなくなってきます。
こういった積み重ねで心理的安全性(安全な場所であると言う認識)が確保されていきます。

*心理的安全性については以下の記事で解説しています。

コミュニケーションと知識共有

これらを積み重ねるとどう言う事が起こると思いますか?継続することで組織はみるみる変わっていきます。

コミュニケーションの改善
同じ目標を達成するために、努力すればそのメンバーはすでに同志です。共に成功を喜ぶ事ができるでしょう。同志と憧れが増えていきます。

*同志と憧れについては下記を参照


相手への理解
こういった取り組みでメンバーの、強みや能力がわかってきます。もっと言えばそのメンバーの担当している設備のスペックさえも共有されていきます。そこがわかっていれば現実的で最善の策がすぐにわかります。

違うプロジェクトでも、提案をしてくれる
参加していないプロジェクトでも成果が、気になるようになります。むしろ、声をかけて欲しかったという意見も出てきます。

他人事から自分事に
これらを通して自分事に切り替わっていきます。テストした製品が無事に稼働しているかが気になる。フィードバックが欲しくなる。

予測する力がつく
こういった経験を積み重ねることで予測する能力が身に付き、問題があっても想定内で計画する事ができる様になります。

職場全体への影響

品質向上
テストにより、製品の品質が向上します。早期に問題点が発見され、修正されることで、顧客満足度が向上し、リリース後の問題が減少します。

開発速度の向上
開発や改善のプロセスが効率的になり、開発速度が向上します。スムーズなメンバー間の連携と迅速なフィードバックが、プロジェクトの進行を加速させます。

スキルの向上
メンバーはテストを通じてスキルを向上させ、自身の役割をより効果的に果たすことができるようになります。これが通常業務でも生かされ、組織全体のスキル向上につながります。

目標達成の信頼性
明確なフィードバックは、目標を達成する信頼性を高めます。計画的なPDCAサイクルが定着します。

部門を超えたコミュニケーション
自分の部門の立場だけではなく他部門との連携の上で各部門の立場を理解して全体最適が自然と行われるようになります。

まとめ

この記事では、モノづくり現場において、開発やテストがもたらす価値と効果を詳しく説明しました。

開発速度が速くなればなるほど、改善や設計変更に抵抗がなくなります。
テストは時間もかかるし大変と思う方もいるかもしれませんが、半日もあれば検証できることなどたくさんあります。

技術系のメンバーだけでなく、作業者など関わる人を集めて実施してみてください。
きっと、雰囲気が変わるはずです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。この記事がお役に立ちましたら幸いです。
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