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チームが陥るPDCAの落とし穴!失敗から学ぶマネジメントサイクル



マネジメントの世界では、PDCAサイクルが基本的なフレームワークとして広く受け入れられています。計画(Plan)、実施(Do)、評価(Check)、改善(Act)の4つのステップからなるこのサイクルは、組織の目標達成に向けた効果的な進行を促すとされています。しかし、この一見シンプルなプロセスには、実は思わぬ落とし穴が潜んでいることがあるのです。

多くの組織が陥りがちなのが、計画の段階での対策重視。一般にPDCAサイクルは、計画から始まるとされますが、この計画作りが対策から始まってしまうと、問題の本質を見失い、最終的には目標達成から遠ざかる危険性があります。

この記事では、PDCAサイクルのこの意外な落とし穴に焦点を当て、その背後にある問題を明らかにし、効果的な改善策を提案します。実践的なマネジメントの道具であるPDCAを、より強力で効果的なものにするための洞察を共有します。


PDCAとは何か?

組織運営においては、目標達成のための戦略が不可欠です。その中でPDCAサイクルは、非常に重要なツールとされています。このPDCAサイクルとは、計画(Plan)、実施(Do)、評価(Check)、改善(Act)の4つのフェーズから構成されるサイクルで、組織全体の効率向上に寄与します。



計画(Plan): 目標を設定し、その達成に向けた戦略と具体的な計画を立てる段階です。
実行(Do): 計画に基づいて実際の作業を実施します。
評価(Check): 実施した結果を評価し、計画通りに進んでいるか検証します。
改善(Act): 評価を基に、次の計画に生かすための改善を行います。

計画を実施して評価したら目標についていますよね。目標に到達していなくても近づいていれば良いのです。現在地が変わりましたよね。
現在地が変わったのであれば、当然実施する内容も変わります。これをくるくる回していくこと、PDCAを回すなどと言います。

この一連のサイクルを回し続けることで、組織の業績の向上が期待されるのですが、このプロセスには注意すべき落とし穴があります。それは、計画段階で早まって対策に入ってしまうこと。対症療法になりがちだと言うことです。計画を立てる際に、現状の把握や真の課題の洗い出しが十分でないまま対策に走ると、本当に解決すべき問題から目が逸れる危険性があるのです。

本記事では、このPDCAサイクルの落とし穴に焦点を当て、効果的に利用するための方法を解説します。目の前の問題解決だけでなく、組織全体の成長を促進する、真のPDCAの活用法を探求しましょう。

対症療法に陥る計画づくりの危険性


計画の段階で、表面的な問題だけに焦点を当ててしまうことは、まるで頭痛薬を飲んで一時的な痛みを抑えるようなものです。例えば、頭が痛いからといって頭痛薬を飲むと、一時的には効果があるでしょう。しかし、その頭痛の原因が何か重大な病気だった場合、何も問題は解決しないどころか、事態はどんどん深刻になってしまうかもしれません。

同じことがビジネスの世界でも起きています。例えば、ある製品の売上が減少したとします。対策として、割引キャンペーンなどの販促活動をすぐに打つかもしれません。しかし、本当の問題は、その製品のニーズ自体がなくなっていたり、代替品が世の中にあふれていたりすることかもしれないのです。

このような状況では、一時的な対策は問題を根本から解決しません。それどころか、重要な課題の特定と対処を先延ばしにしてしまうため、長期的な成功への道を閉ざしてしまうことさえあります。

計画段階での対症療法の罠を回避し、真の課題解決に繋げるための戦略と方法について、次のセクションで詳しく探求しましょう。

現状とあるべき姿の把握:成功への第一歩


計画を立てる際、最初に明確にしなければならないのは、「現状」と「あるべき姿」です。現状はまさに現在地、つまり出発点であり、あるべき姿が目標地点、つまりゴールです。

地図だと思ってください。現在地と目的地がわからない状態で、行き方を議論するようなものです。バイクで走るか、飛行機で飛ぶか、自転車で走るかは現在地と目的地によって最前は変わります。よくわからない議論になりがちです。
一方、現状とあるべき姿を明確にしておくと、必要な道具や手段、戦略が自ずと見えてきます。

現状とあるべき姿の間にあるものが問題であり、その中で一番優先度が高いものを課題と呼ぶのです。この課題に対して考える対策が、計画の「P」に当てはまります。

なぜなら、あるべき姿に向かうための途中の課題がないと、目的地にどうたどり着くか、どう進むかが不明確になってしまうからです。その結果、対症療法的な対応に陥ってしまうこともあるのです。

計画の成功には、現状とあるべき姿の明確な把握が不可欠です。次のセクションでは、この2点をどう明確にするか、具体的な方法を探求していきます。

計画の成功への道:共通認識の重要性

プロジェクトの成功のためには、「P」、すなわち計画の重要性を誰もが認識していなければなりません。しかし、それだけでは十分ではありません。関係者全員の認識がズレていないか、これが何よりも大切なのです。

現状の認識

自分は現在地が千葉だと思っているのに、議論している相手は福島にいると思っているかもしれない。あるいは、売上が全体的に減少していると感じているかもしれないが、実際にはとある製品だけ、またはとある地域だけ伸び悩んでいるのかもしれません。このような認識のズレがあると、誤った方向に進んでしまう危険があるのです。

目的地の認識

目的地に対する共通の認識も同様に重要です。売上を元に回復させたいのか、さらに伸ばしたいのか、赤字の範囲を少なくしたいのか。これによって目的地は変わります。目的地の認識が一致していないと、適切な戦略が立てられず、効率的な進展が期待できないでしょう。

まとめ

計画を立てる際には、現状とあるべき姿、つまり現在地と目的地の認識をしっかり共有する必要があります。それがズレていると、誰もが異なる方向に進んでしまうことになりかねません。この2つをしっかり共有してから対策を考えるべきなのです。認識の共有は話し合いで非常に重要で、必要に応じて時間をかけるべきポイントです。

現状とあるべき姿の重要性と問題の重心

問題構造学は課題解決の核心を見極めるための重要な学問です。現状とあるべき姿をどのように理解し、課題に対処するかが鍵です。

現状とあるべき姿の認識の重要性

関係者全員の現状とあるべき姿の認識がズレていないかを確認することが大切です。これがずれてしまうと、課題解決への道筋が曖昧になります。全員が同じ方向を向くことで、効率的な解決が可能となるのよ。

課題とセンターピン

課題は問題の重心、すなわちセンターピンです。ボーリングで言うと、センターピンを的確に打つことで他のピンも倒せるように、課題の核心に対処することで他の問題も解決します。

問題の重心を考える

問題の重心を明確にし、それに対して効果的な対策を立てるプロセスが問題構造学の革新です。最適な解決策は、この重心を把握し、適切な手段で対処することで導かれます。

期日のゴール設定と担当者の確定

課題の解決は具体的なゴール設定と担当者の指名が必要です。計画の進捗を把握し、適切に進めるために欠かせない要素です。

まとめ

問題構造学は、現状とあるべき姿の認識、課題の重心の特定、適切な対策の立案、ゴール設定、担当者の指名など、効果的な課題解決への道を開く学問です。各段階で精緻な分析と計画が求められるのです。

D実行とC評価を分けて考えない

マネジメントサイクルにおけるPDCA(Plan, Do, Check, Act)の過程は、一連の流れとして理解することが重要です。特に、実行(Do)と検証(Check)の段階は密接に関連しています。

実行と検証を別々に考え、それぞれの段階に分けてしまうと、プロジェクトのサイクルの周期が遅くなる可能性があります。
計画(Plan)で立てた仮説を実行しながら検証するものであり、それぞれが独立して存在するわけではありません。

流れでいえば、計画(仮説)を立ててから実行と検証を行ったり来たりするイメージです。

この実行と検証の一体性を理解することで、仮説検証のための実行が効果的に行われるようになります。実行段階での進捗を絶えず検証し、適切な調整を加えることがプロジェクトの成功へと繋がります。この視点から、実行と検証の関係性の理解は非常に重要であると言えるでしょう。

最終まとめ


1. 計画(Plan)の重要性:
問題構造学における計画の段階は基盤であり、関係者全員の認識の一致が必須となります。

2. 現状とあるべき姿:
これらの一致が問題解決への第一歩です。もし認識にずれがあれば修正が必要となります。

3. 課題と対策の設定:
PDCAサイクルの中で、課題に対する対策が最も重要です。計画的に取り組む必要があります。

4. センターピンの概念:
問題の重心を見つけ、その問題を解決することで他の問題も一気に解決します。これが問題構造学の革新的な部分です。

5.DとCはセットになることが多い 計画は仮説を立てること。立てた仮説が正しいかを確認するのがD実行とC検証という作業。

結論

このようにしっかりとした計画を立てれば、確実にみんなの力が同じベクトルに向かい、成果が積み上がってきます。計画を間違って立てれば、関係者全員が時間は無駄にしたり、大きな損失向かうこともあるでしょう。
しかし、正しい対策立てて、関係者と一緒に協力すれば大きな成果につながります。
早く計画を立てなければいけない時はよくあります。そんな時こそみんなで集まって情報収集して共有していきましょう。

最後に、読者の皆様にとって価値のある内容であれば幸いです。今後も探求し、日常に活用いただけることを願っています。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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