最近の映画の”見方”がヘン。

ちょっとこの前映画を見たときに、再確認と言うべきか、

劇場を後にした時に、如実に感じることを書き溜める。


どういう映画の見方が正しいのか、まぁ人それぞれなんだけど、

(決して体勢などの話ではなく)

基本的に最近、いや昔からなのか、ある見方が自分の中に存在する。


他の人に聞くと、セリフや映像の使い方とか(少し同業者目線が多いのだろう職業柄仕方ない)

あのシーンが!など、熱くなるポイントは様々。


しかし、自分が映画を見た後に、どうにも熱くなるのがそういうことではない。

表現が難しいのだが、映画を一本の糸として見るというか…


逆だな、一本の線を作るべく映画を見る感覚。


映画の頭から流れていくシーンたちにある程度の点が打ってあり、

その点がどう繋がっていくんだろう、というのを頭の中で考えることに

楽しみを覚えている気がする。


これはある種嫌味にも聞こえるし、何かのひけらかしかとも

思えるのだけど、これ実は純粋に悩みの一つでもある。


純粋に泣けなくなる。喜べなくなる。



そして酷いことに、この糸が自分の頭の中で紡がれ、

事の他それは綺麗に仕上がってしまう(状態が作品の出来が良いという自分の評価)

そんなことになれば圧倒され、涙が止まらなくなる。


そんな見方しか出来なくなり、とても辛く思うことがある。


実はついこの間、007の新作を見た。

この世で一番生まれ変わりたいと思うダニエル・クレイグの

最後のダブルオー。


中には客席からすすり泣く声が聞こえるシーンもあるのだが、

これがまた泣く理由はわかるのに、全く涙が出てこない。

エンドロールですら泣けない。

これは作品云々の問題ではなく、もはや個人の問題。


その時自分の中では、これは綺麗な糸なのかどうなのか、

ダニエル・クレイグのボンドを清算するためにもこの考えで良いのか?

という不思議な袋小路に入っている。


エンドロールは考える時間としてすごく大事なんだが、

ふと帰り道に、これが監督が望んだ見方なのか?と真面目に考えたりも。


純粋な映画の見方というのはなんなんだろう。

年齢と経験(テレビという忌々しいメディア)を重ねて

色々抜け落ちてきてる気さえしてきたということまで。笑


半分冗談の域だが、でもここ最近エンターテイメントって

なんだろう、って。


時に行き過ぎる考えになりつつも、

でも映画館で見る映画はなぜか毎度格別。


死ぬ前にぜひ一度でいいから大スクリーンを独り占めして

映画を見たいなあ。

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