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NHKの FIFA WORLD CUPテーマソングと日本の試合を振り返る

  ドイツ戦の勝利からのコスタリカ戦の敗北、絶体絶命と思われたスペイン戦には勝利し決勝トーナメントに進出したカタール大会の日本代表。歴史的な勝利が続きました。ここで、日本代表の歴史を各大会でW杯に向けたサッカー中継ソングを起用してきたNHKのテーマソングと共に振り返ってみました。

 なお、カタール大会の各局や公式のテーマソングについても取り上げておりますのでこちらもご覧ください。




1.フランス大会(1998年) テーマ曲なし


 日本が初めて自力での初出場を決めた1998年。この際はテーマソングが制作されませんでした。初めての大会。日本0VS1アルゼンチン、日本0VS1クロアチア、日本1VS2ジャマイカと世界との差を痛感する大会となりました。中山雅史の魂のゴールが印象的です。


2.日韓大会(2002年) ポルノグラフィティ「Mugen」

 初のアジアでの大会、共催となった日韓大会。1999年「アポロ」でデビューし、「サウダージ」、「アゲハ蝶」等のヒット曲をリリースしていました。

 自国開催の熱狂が伝わるようなホーンが印象的なイントロの「Mugen」はプレーヤーやサポーターの熱を表現したそうです。作詞はギターの新藤晴一、作曲は音楽プロデューサーの本間昭光の別名義で初期ポルノの代表作の大半を制作しているak.hommaです。

 日本2VS2ベルギー、日本1VSロシア、日本2VS0チュニジアで一次リーグ突破したものの、決勝トーナメント一回戦で日本0VS1トルコに敗退しました。日本の初勝ち点、初勝利、初のグループリーグ首位突破、決勝トーナメント進出と夢幻(ゆめまぼろし)のような結果を出しました。


3.ドイツ大会(2006年) ORANGE RANGE「チャンピオーネ」

 日本にとって8年ぶりの予選を勝ち抜いての本大会出場となったドイツ大会。2003年に「キリキリマイ」でメジャーデビューし、「上海ハニー」、「ロコローション」、「」等をリリースしていました。

 「チャンピオーネ」は、ジャケ写がメンバーが海賊に扮した内容だったように、日本代表が世界へと楽しく航海していくような楽曲でした。彼ららしい愉快なノリの楽曲は、W杯にある「国の威信をかけて戦う」からは離れた楽曲でありましたが、あまりに重圧のかかりすぎる大会なだけに、もっとW杯を楽しんで観てもよいのではという視点であった点、画期的に感じました。

 初戦、日本1VS3オーストラリアとまさかの逆転負け。日本0VS0クロアチアと引き分け、日本1VS4ブラジルと最終戦も逆転負けと楽しい航海ができることなく敗退してしまいました。


4.南アフリカ大会(2010年) Superfly「タマシイレボリューション」

 初のアフリカ開催となった2010年。テーマソングに起用されたのは2007年に「ハローハロー」をリリースしたSuperfly。ボーカル越智志帆とギター多保孝一でデビューしましたが、半年程度で多保は脱退し、越智のソロプロジェクトとなって以後、ドラマ主題歌となった「愛をこめて花束を」等をリリースしていました。

 「タマシイレボリューション」は、越智にとって2曲目の自身単独作詞作曲のリリース曲となりました。選手を後押しできる力強い楽曲をと制作した楽曲は、タイトルの通りの魂を燃やすような楽曲で、イントロのギターから選手を鼓舞しており、越智のボーカルがさらに際立たせてくれています。

 前評判が良くなかったものの、日本1VS0カメルーン、日本0VS1オランダ、日本3VS1デンマークと本田圭佑ら新戦力の活躍もありグループリーグを突破し、決勝トーナメントは日本0VS0パラグアイでしたがPKにより敗退しました。


5.ブラジル大会(2014年) 椎名林檎「NIPPON」

 サッカー大国ブラジルでの大会となった2014年。起用されたのは椎名林檎。1998年「幸福論」でデビュー後、「本能」等のシングルのヒット作の他、アルバム『無罪モラトリアム』の「丸の内サディスティック」は、現在でも高い人気を誇る楽曲となっています。さらには2004年からは東京事変としても活動しており、「群青日和」等をリリース。2012年に解散していました。(その後2020年に再生。)

 「NIPPON」は、「これから迎える"勝負の時"、勝ちに行かんとする強い意志を表した」そうです”ハレの日”を鼓舞してくれる曲だなと思います。

 日本1VS2コートジボワールと逆転負けしてしまい。日本0VS0ギリシャ、日本1VS4コロンビアと敗退してしまい、残念ながら日本晴れのような結果とはなりませんでした。


6.ロシア大会(2018年) Suchmos「VOLT-AGE」

 日本では監督交代が続いてしまった4年間の集大成となったロシア大会。起用されたSuchmosは、2013年の結成後、CMに起用された「STAY TUNE」が話題となっており、ロックやジャズやヒップホップ等から影響を受けた高い音楽性が注目を集めていました。

 「VOLT-AGE」は、「世代や性別を超えて幅広く支持されるアーティストであることや、サッカーの魅力や感動を独特の表現力で伝えられることなどを最大のポイントとしました」とのことです。いわゆる分かりやすい応援ソングではないものの、静かに闘志を燃やす様な楽曲は実は試合前の緊張感もある燃え上がりに寄り添ってくれています。

 直前の監督交代により、絶体絶命と思われていましたが、日本2VS1コロンビアと大迫らの半端ない活躍で格上を撃破。日本2VS2セネガル、日本0VS1ポーランド。勝ち点が並んだフェアプレーポイントによって決勝トーナメント進出を果たします。日本2VS3ベルギーは、一度はFIFAランク上位国相手に2点差を付けながら、終盤にカウンターから逆転されて敗退してしまいました。


7.カタール大会(2022年) King Gnu「Stardom」

 12月開催なことをはじめ、イレギュラーな開催となったカタール大会。2013年に結成された前身バンドから2017年に現バンド名King Gnuとなり、トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイルと称した高い音楽性が魅力のバンド。2019年には「白日」がリリースされています。
 
 「Stardom」は、過去のワールドカップの日本代表の歴史を踏まえつつ、選手目線の歌詞となっており、「あの日の悪夢を断ち切った」という部分からはベルギー戦での逆転負けのシーンを連想させます。

 かつて、ワールドカップ出場を逃した地ドーハで選手とし、「ドーハの悲劇」を経験した森保一監督によるチーム。「Stardom」の歌詞の様に「歩んだ道のりを思い出して 何度屈辱を飲み込んだ?」。
 
 日本2VS1ドイツと強豪を破り、日本0VS1コスタリカと負け、ピンチになりながらも日本2VS1スペインと再び強豪を撃破しブラボーなグループリーグ首位通過を果たしました。決勝トーナメント一回戦ではW杯でも2度対戦しているクロアチアとの対決です。



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