2022年の個人的マイベストソング10

 2022年も年末となりました。2022年はようやくフェスも復活してきて個人的にも久々に様々な音楽に生で触れる機会の多い年になったと思います。

10位 Color Me feat.マヒトゥ・ザ・ピーポー(木村カエラ)

 木村カエラ(共作詞)とGEZANのマヒトゥ・ザ・ピーポー(共作詞と作曲)のコラボレーションとなった楽曲。“tvk開局50周年ソング”として書き下ろされた楽曲です。木村カエラはかつてtvkの番組『saku saku』に出演し、歌手デビューのきっかけになりました。

 カエラの歌とマヒトゥのコーラスが絶妙な味になっている点、MVも含めてクセになりました。

 この楽曲や、彼女がトリを務めた『tvk・ぴあ 50th anniversary LIVE 2022 ~感謝のカタチ~』で彼女のtvkへの想いや感謝の気持ちが伝わりました。

9位 ちゅ、多様性。(ano)

 タレントとしてバラエティで注目されてるイメージが先行しているあのちゃん。とはいえ、元はゆるめるも!というアイドルの時代を経て、現在はソロのシンガーとして活動しています。

 OPの米津玄師「KICK BACK」や毎回変わるEDが話題となっているアニメ『チェンソーマン』のEDの1曲となった「ちゅ、多様性」は、サビで「ゲロチュー」という衝撃的なフレーズが聞こえてくる。(歌詞は「get chu」です)この中毒性、作曲が元相対性理論の真部脩一と聞いて納得。

 タイアップとなったアニメとのリンク、歌詞等のインパクト、シンガーの歌声の良さを最大限に活かしたコラボだなと。


8位 うらぎりもの(RYUTist & 石若駿)

 新潟を拠点とするアイドルRYUTist。そして、King Gnuの前身Srv.Vinciにも所属したドラマー石若駿。

 かなり前衛的で変則的な音楽にアイドルの歌声が乗る違和感で売る楽曲も今までもありましたが、改めて心地よい違和感だなと再認識しました。

 「うらぎりもの」も収録されたRYUTistのアルバム『(エン)』はRYUTistと、君島大空やermhoiら様々なミュージシャンとのコラボレーションになっておりアルバム単位で聴いて欲しいです。


7位 行方知れず(Ado)

 今年は、ワンピースのウタに扮した豪華ミュージシャン提供の楽曲で話題となった一方、その他の作品では椎名林檎の楽曲提供もありました。

 『無罪モラトリアム』の頃にAdoがいたら、自分の代わりに歌わせたかったと椎名林檎が称賛していたAdo。『無罪モラトリアム』の頃の要素もありつつも、近年の椎名林檎の要素の強い楽曲。そして、最近の椎名林檎作品の常連メンバーの集まる演奏陣。そんな林檎要素の強いサウンドに、Adoが椎名林檎はしないであろうニュアンスで歌い上げる。そこに新鮮さを感じました。

 Adoとの歌い方の違いを比べてみたいのもあり林檎のセルフカバーも楽しみにしたいなと思います。Adoはウタとして紅白にも出演して、椎名林檎は2023年に5年ぶりのツアーを開催予定です。


6位 Mirage(Mirage Collective)

 よくもまあ、ここまでの豪華ミュージシャンを集めたよなぁと驚いたのがこの曲。テレビドラマ『エルピス』の主題歌であるこの曲はSTUTSが手掛けています。

 STUTSとドラマ主題歌というと『大豆田十和子と三人の元夫』の主題歌「Presence」でも話題となりました。やり方としては今回も似ていますが、「Presence」がヒップホップミュージシャンがフィーチャーされていたのに対して、今回はバンドマンの起用が印象的です。ボーカルはSuchmosのYONCE、バージョンによってはドラマ主演の長澤まさみもボーカルを担当、ギターはペトロールズの長岡亮介(大豆田も出てましたね。)、ベースにハマ・オカモト(OKAMOTO'S)、ドラムスに荒田(WONK)ら非常に豪華です。

 お茶の間が親しむテレビドラマと音楽ファンが好きなミュージシャンとのコラボ、ワクワクするので、今後も定期的にあってもいいなと思います。


5位 江戸女(TEAM SHACHI)

 ももクロやエビ中と同じスターダストプラネットに所属する愛知県を拠点とするアイドルグループTEAM SHACHI。前身グループチームしゃちほこからの改名を経て、8年ぶりに楽曲提供したのが様々なバンドを同時並行しながらプロデュース楽曲提供、音楽以外の活動も行う川谷絵音。そんな彼が「僕が作ってきた曲の中でもだいぶ頭がおかしい曲」と最大限の自賛(?)をしている曲。

 そもそもは2018年のイベント用の曲がその後歌い手不在となっていた曲をTEAM SHACHIに合うのではと川谷側が提案し提供した曲。そのため、これまでシャチが歌ってこなかったような、「下着はつけないわ」等の大人な歌詞もありながらも、すっかり大人の女性になったシャチメンとの相性は抜群です。セリフのどこか悲哀のあるコミカルさも、シャチは大人の女性にはなりつつも同時にコミカルにも振り切って表現しています。

 初期のゲスの極み乙女を連想するような、セリフ、ショパンの引用あり。バンドメンバーもichikoroに近いメンバー構成で、ゲスからちゃんMARI、休日課長、ドラムはindigoの佐藤栄太郎、Guitarには景山奏が起用されしっかり川谷絵音の音楽。ロックファン、絵音ファンにも聴いてほしい傑作だと思います。


4位 Stardom(King Gnu)

 King Gnu、millennium parede、さらには米津玄師の話題作「KICK BACK」にも参加するなど、常田大希の参加する作品はすべてドラマやアニメのタイアップであった2022年。そんな中でも気になったのは「Stardom」です。NHKのワールドカップを含むサッカー中継のテーマソングとして制作されました。

 サッカーの、ワールドカップの、何よりサッカー日本代表のテーマ曲でした。過去を回顧するようなイントロから歌い出す井口理。彼が生まれた1993年10月にワールドカップ出場を目前に逃してしまったドーハの悲劇がありました。そこから30年の間に、初出場、自国開催はじめ様々な経験を積んできたサッカー日本代表。前回大会のロストフの14秒と言われるベルギー戦の逆転負けなどを意識したような「あの日の悪夢を断ち切ったならば」という歌詞が印象的なサビ。

 ファンもにわかも含めた人々の期待を背負ったドーハの悲劇を選手として経験した森保一監督率いる日本代表。初戦、優勝経験国ドイツを逆転で破り、期待された2戦目はコスタリカに負け、勝つしかなかった一時リーグラストの試合では優勝経験国スペインも逆転で撃破し、1位通過。初のベスト8がかかったラウンド16ではクロアチア戦は先制しながらも追いつかれて、PKで敗れ、「あと一歩」ベスト8の目標は達成できなかったものの、優勝経験国を二度も破るなど、これまでできなかった経験をした日本代表。その重圧や激戦に常に寄り添っていた「Stardom」の歌詞は、まさしく日本代表とタイアップしていた歌詞であったと思います。また、日本代表のみでなく、他のチームの選手の活躍にも寄り添っていたとも思います。

 「Stardom」は紅白でも歌唱する予定であり、バラードの印象が強い「白日」とはまた別のアグレッシブでいながら、人間に寄り添ってる歌詞を歌うKing Gnuを世間に観てもらえるのも楽しみです。


3位 ショートショート(新東京)

 2021年に結成したギターレスバンド。2022年に「関ジャム 完全燃SHOW」では、Yaffleが「2021年のマイベスト10」に「Cynical City」を選曲、サマソニではオープニングアクトで出演するなど、注目をより高めています。

 キーボードやドラムの細かな音から引き込まれる演奏。タイトルの「ショートショート」が歌詞の中でも印象的に使われる点も面白いですね。

 新東京が今後どのようにして世間から注目されていくのかも気になるところです。 


2位 宇宙は砂時計(私立恵比寿中学)

 セルフタイトル『私立恵比寿中学』に収録された作詞作曲がキタニタツヤ、編曲はキタニと笹川真生との共作となった楽曲。

 アルバムは大橋ちっぽけやSaucy Dog、たむらぱん、杉山勝彦らを起用した元気さや熱い印象のポップスがある一方、クールなダンスチューン等、多彩な楽曲はアイドルだからこそ、エビ中だからこそなお家芸。「宇宙は砂時計」はイントロの逆再生でも曲が成立する様にできている違和感を抱くフレーズからメンバーがリレーしながらクールに歌う流れがいい。その後タイトルの通り壮大になっていく展開の中、2021年5月転入(加入)のココユノノカも含めた9人がそれぞれリレーして歌唱している。アルバムの中でもこの曲に今後のエビ中の可能性も感じたし、提供者のキタニタツヤや笹川真生にも興味を抱きました。

 2022年は、グループを歌唱ダンスで長らく支えてきた柏木ひなたが転校(卒業)。一方で自身で楽曲も制作してきた安本彩花がMAISONdesのリミックスを担当。2021年転入のココユノノカの成長も著しく、2022年にはエマユナも転入し、初ライブから高いパフォーマンスを発揮。さいたまスーパーアリーナを目指すと宣言したエビ中。今後に更に面白くなりそう。


1位 Melody(岡野昭仁 & 井口理)

 King Gnuの井口理がニッポン放送のオールナイトニッポンのパーソナリティを務めていた2019年〜2020年に、井口が「直撃世代」だったというポルノグラフィティのカラオケをする企画が2度あり、その井口がパーソナリティを卒業する3月の企画時に、サプライズで岡野昭仁が登場した回が話題となり、そこからの縁が世代を超えた今回のコラボ企画へと繋がりました。

 BREIMENのおしゃれなサウンドに乗って昭仁と井口が歌う姿は新鮮でした。昭仁はポルノ以外でも歌っていたものの、ポルノ以外でテレビで歌唱しているイメージはあまりなかったですし、井口はKing Gnuやmillennium pardeで常田大希の制作した楽曲以外を歌うことがなかった。その2人と地上波ゴールデンタイムのテレビ初パフォーマンスとなったBREIMENも含めて、この3組が化学反応を起こした点が素晴らしかったです。


 選曲してみたら、有名ミュージシャンシンガーorアイドル × コア層向けのミュージシャンというコラボ作品を多く選んでますね。この、大衆的なものと音楽ファン層の好きなコアなものが交わってるのが、自分の音楽趣味的には嬉しかったりします。


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