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現状突破の一つのアイデア/タテとヨコを意識してみる

日々出くわすアイデアマン、アイデアウーマンは、何かしらのその人独自の切り口がある、というのが私の持論である。

何か一つの事柄を極めた人は、それとは全く関係のない仕事をしたとしても、それを極める過程で得た知識や経験を容易に仕事に発揮することが出来る。

サッカーの本田圭佑選手が、スポーツを通じて得たリーダーシップやマネジメントの経験をビジネスでも遺憾なく発揮しているのが最たる例である。

そこまでいかなくとも、全く同じ経験をしている人などこの世に一人として存在しないのであるから、程度の差こそあれ皆それぞれの切り口があるはず、というのが本日の出発点。

今回のテーマは、現状突破の一つのアイデアシリーズ第二弾と銘打って、タテとヨコを意識してみるという内容で考えてみたい。

(第一弾はこちら)

イメージとしては、昔理科で習った直列つなぎと並列つなぎのような形である。

物事の位置関係を変えて捉えることで、新しい視点を持てないか考えてみたいと思う。

■育児におけるタテとヨコ

極めて日常レベルでの育児あるあるの一つとしてあるのが、子供がご飯を食べてくれない問題である。

わが家でも御多分に漏れず出くわす日常の風景で、4歳と1歳という二人の子供に対し、夫婦で多くの失敗と成功を繰り返してきた歴史がある。

ーー座って食べない、肉しか食べない、テレビを見て食べないetc.  まさに食事にまつわるエトセトラ。

その中でも最も効果的だったのが、タテとヨコを意識した方法であった。

まずはタテの切り口。
これは親からではなく、兄から弟に食べさせるという方法である。「二人共食べさせてもらう」という受け身の現状から、「食べさせてあげる→食べさせてもらう」という能動的な関係性を作り出す。
これにより、「食べてくれた!よし自分も食べよう」「食べさせてくれた!じゃあお返しに」という良い循環が生まれた。

次にヨコの切り口。
これは、親からそれぞれにではなく、親から二人同時に食べさせるという方法である。同時に「あーん」とすることで、一緒に食べるという協調性を半ば強引に引っ張り出す。
これは予想外だったのであるが、子供からすると"先に食べた方が勝ち"的なゲーム的要素もあるらしい。上手くハマれば入れ食い状態を実現できる。
一人っ子の場合は、子供と夫(あるいは妻)を横に並べても良いのかもしれない。

このように、漠然と並んだものでもタテとヨコを意識して捉え直してみると、意外な全く新しい捉え方が生まれることがある。

■ビジネスにおけるタテとヨコ

先程の家族のやり取りは、「親を社長に、兄弟を先輩後輩関係の社員」に置き換えれば、そのままビジネスでも応用が効きそうである。

タテで言えばこれまでは社長直々に指導していたものを、敢えて社員を一枚噛ませることで能動的な関係性を引き出すことができるし、ヨコで言えば普段付けていた職位等の強弱を敢えて取り払い、条件を揃えてみることで、平和的な競争原理を取り入れることができる。

そのようなマネジメント面だけではなく、業務レベルでもタテとヨコでの切り口は活用できる。

一つだけ具体例をあげるならば、創業するなら個人事業か法人どちらかという創業あるあるのテーマ。

これをタテとヨコの切り口で展開してみる。

まずはタテの切り口。
個人事業か法人という二元論ではなく、個人事業から法人(法人成り)、あるいは法人から個人事業(個人成り)という直列の関係で捉える方法である。

つまり、両者を相反するものとして捉えるのではなく、時間の概念を入れて順番に進めることを組み込み、直列させて捉えるというアイデアである。

これによって、お互いのメリット・デメリットを、時間軸をズラすことでカバー出来ないか検討することができる。

【参考】
消費税の納税義務がある場合、まず最初に個人事業を2年やり、その2年目の年末に法人成りすることで、通算4年間消費税を払う義務をなくすことができるというメリットがある(※様々な留意点あり)。

次にヨコの切り口。
個人事業か法人かではなく、個人事業と法人両方という並列の関係で捉える方法である。

よくあるのは、個人の不動産オーナーとその管理法人の組み合わせである。

【参考】
個人所有の建物を所有し個人事業を営む一方、同人が代表取締役となる不動産管理法人を設立する方法。その法人に対して管理料を設定し払うことで経費を作れるメリットがある(※様々な留意点あり)。

それ以外でも、個人事業主が自分のミニ法人を持つことでメリットがある場合がある。

よくあるのは、士業が独占業務は個人事業で行い、それ以外のコンサルティング業務や保険業務等を法人で行う方法である。ただ、士業でなくとも複数事業をしていれば、この方法を取ることができる。

所得が高い個人事業主の最大の悩みは、何と言っても高すぎる①所得税と②国民健康保険(そして人によっては③消費税)。

これを解決する方法は、①形態を変更する方法(法人成り)と②国民健康保険以外の健康保険(協会健保or組合健保)に切り替える方法がオススメである。

勿論、先程の話したタテの方法である法人成りを検討しても良いのだが、所得税の問題は解決出来ても社会保険がそれ以上に高くなる落とし穴があるわけで、そこで第三の選択肢として「個人事業+法人」というヨコの組み合わせが登場するわけである。
これで人によっては、収入・所得・負担を適切なバランスに分散することができるのである。

【参考】
複数事業をやっている場合、一部事業を法人に移すことで、高すぎる所得税率の一部を削減できる。
 また、役員報酬を低く設定して社会保険に加入すれば、国民健康保険を脱退して社会保険総額も削減でき(※)、国保・国民年金にはない傷病手当金・障害年金・割増の年金等を享受できるメリットがある。

(※)計算例
・国民健康保険(MAX)→約100万円/年(40-64歳)
・国民年金→約20万/年          計120万/年
          ↓
・健康保険→約11万/年(40-64歳・報酬月額8万)
・厚生年金→約19万/年(報酬月額8万)  計30万/年
               ∴90万円削減


これ以上は専門的になるので省略するが、このような個人事業と法人をヨコでつなぐ方法は、規模を拡大させずに小金持ちを目指すスタイルにはピッタリであり、副業が当たり前になってきつつある昨今、今後需要が増してくるものと思われる。

■おわりに

今回いくつか例を挙げさせて頂いたが、いくらでも応用は効くアイデアだと考えられる。

特に、2大論争となっているようなもの(新卒or中途、賃貸or購入etc)については、二択から脱却し、物事の位置関係を変えて捉えることで、新しい視点を持てるのではないかと思われる。

第一回「現状突破の一つのアイデア/中間地点を自分で作る」で言うところのリビタの「試住(タメ/スム)」例はその最たる例である。賃貸→購入というようにサービスを上手くタテで繋いでいる。

ーー悩んだら、タテとヨコを意識してみる。

現状突破の一つのアイデアとして、活用して頂けたら幸いである。



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