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潰れない会社をつくるために必要な、たった一つの考え方

最近、家の近くの飲食店が閉店した。

それなりの内装をしていて、開店から1年も経たないことからみても、移転ということはまずないだろう。

ただ、正直な話、遅かれ早かれこうなるような気がしていた。

開店したての頃に一度だけ妻と入ったことがあったのだが、開店したてのバタバタを差し引いても、あまりにも気になる部分が多かった。

メニュー、陳列、内装、接客。 

当たり前だが関与先ではなくただの顧客なので、意見を申する立場にはない。

ただ、一人の創業者を目の前に、何とも言えないもどかしさを感じたのは事実。

■一つの間違いは、起こるべくして起きている

税理士という仕事を通じて多くの中小企業を見ていると、成長する会社とそうでない会社はある程度見分けられるようになる。

もちろん、経営の全てを見れているとは限らないので、100%とは言えないし、何らかの根拠に基づいて判断しているようなものではない。

ただ、経営の勘どころに触れるような間違いをしてしまっているケースは、外から見ていても結構わかるものがあったりする。

成功には多くのパターンがあるが、失敗のほとんどはワンパターンである。

例えば、成長しない会社では、成長する会社ではまず出会えない接客に出会うことがある。

それはたまたまで起こりうるようなものでは、ほとんどの場合ないというのが私の持論である。

何故なら、その間違った接客は、そのスタッフ個人の問題ではないからである。

その接客を見聞きしているにもかかわらず、何も指摘をしない他のスタッフにも問題があるだろうし、それらの改善を促したり共有できていない組織を作れていない責任者にも問題があるからである。

つまり、現場での一つの過ちは、あくまで氷山の一角で、他の問題が積み重なって生まれているということである。

一つの間違いは、起こるべくして起きていることがほとんどである。

そして、それは最終的にはすべて社長に繋がっていく。

最近のジャニーズの問題にも通ずる部分があるが、中小企業は、社長の考え方ひとつと言っても過言ではない。

そのようにして現場と社長までを一つの線として結べたなら、問題の所在が明確になってくる場合が多い。

それが『当たり前の教育がなされていれば、どう間違ってもあの接客にはならない』ということに繋がってくるのである。

■潰れる会社と残る会社を分けるもの

成長する会社の社長は、経験からこのことを誰よりも良くわかっている。

なので、例外なくこの部分を妥協せずに徹底している。

そうでない会社とは、明確に異なるのは、その徹底の度合いである。

経営は、派手なマーケティング展開や、フォロワー数の多さなど、目に見えるものだけで決まるわけではない。

実際には、もっと奥の、陽の当たらない地味なところで決まっている。

ーー当たり前のことを、当たり前にできているかどうか

潰れる会社と残る会社を分ける部分は、この部分の徹底度合いにあると感じている。

スタッフとのコミュニケーション一つとっても、かけている時間と熱量がそもそも違うのである。

そもそも問題に向き合っていないというケースも意外とあったりするし、向き合っていたとしても、次回からは気を付けてで終わってしまうケースもあるだろう。

それが、どの判断軸はケースバイケースだが、致命傷になるという勘どころは徹底して向き合うという”嗅覚”が成長する会社の社長にはある。

自分では解決し得なかったとしても、誰かにアドバイスをもらってでも、試行錯誤はするはずである。

■おわりに

起業して10年後に残る会社は数パーセントみたいなことを耳にすることがあったが、正直とても疑問だった。

なぜかと言うと、前職から多くの会社を見てきたが、実際に潰れる会社をほとんど目にしたことがないからである。

税理士に依頼できるくらいお金がある会社だから潰れないのだという意見もあるかもしれないが、問題の本質はそこではないと考えている。

当たり前のことを、当たり前にできているかどうかを身近に聞くことができる人がいなかったから、結果、潰れてしまったのではないだろうか?

逆に言えば、それさえ外さないように進むことができれば、よっぽどのことがない限りは潰れることはないと言える。

今回は、少し厳しめの内容だったが、起業家には大切な話、『潰れない会社をつくるために必要な、たった一つの考え方』というテーマで書かせて頂きました。

それでは、また!

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あさがお税理士事務所
代表税理士 伊藤貴文

あさがお税理士事務所 | 東京代々木の税理士事務所 - 親切丁寧な経営者のパートナー (asagao1011.online)
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