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「怒られ侍」の経験から見た、顧客対応術

こんにちは!

みなさんは映画『謝罪の王様』をご覧になられたでしょうか?私が観た時には思わず吹き出してしました(笑)

それもそのはず「謝り倒して何でも解決するプロフェッショナル!」というタイトルに「おいおい、それじゃ解決できないよ。」と。

私は医療機器メーカーのサービスエンジニアやサービスマネージャーの経験が長く、これまで幾度となく謝罪をしてきました。

広島時代は中四国のサービス技術部責任者という立場から、病院の院長から経営層、担当ドクターから事務長、看護師長など、様々な立場の方への謝罪と原因の説明および対策を語ってきました。

医療機器の故障やトラブルは、一歩間違えれば患者さんの生死にかかわる事態になりかねませんので、お怒りはごもっとも!

当時、このポジションには全国で8人いましたが、皆「怒られ侍」と卑下していました。😅

緊張の連続

あるとき、重要な検査中にたびたび医療機器の故障が発生し、原因の説明と対策を翌日の医局のカンファレンスで説明するように呼ばれました。

翌朝に伺うと、そこにはドクターをはじめ看護師さんらがズラッと十数名います。その前で、謝罪と簡単な故障原因と今後の予防対策を説明します。

医局長から「もう二度と故障しないんだな!絶対に大丈夫なんだな!」  と言い詰め寄られます。

全員が望んでいる答えはわかっています「もう二度と、絶対に故障しない」

しかし、私は心の中で「物事に絶対はない」と叫びます。

息が詰まる思いをしているところへ、全員からの冷ややかな目線が浴びせられます。

「もう二度と故障しません」と言えればこの場から逃れることができる。

そんな感情が芽生えました。が、一度でも言い逃れすると信用はガタ落ちになります。

約束できないことは、言わない。心の中でそう決めています。

「申し訳ございませんが、機械なので絶対に故障しないということをお約束できません。ただし、万一の故障に備えて迅速な対応ができる体制を整えます。」

医局長から大きな声が飛び交い、その場の空気が固まります。

その場を察して、院長が助け船を出してくれます。

「数日、様子を見ようじゃないか」

数日間、検査室の前でサービスマンが万一の故障に備えて張り付き状態になります。その後、数か月間は安定稼働することで、お客様から信頼を得ることができました。

怒りのポイントを見極める

謝罪などで訪問した際、大切なことはお客様の怒りのポイントを見極めることです。

相手は何に対して怒っているのか、何を求めているのか、お客様の声をしっかりと受けとめます。

それを見極めることは、その後の顧客満足度に大きく左右されます。

✅ 要求の内容は正当か。

✅ 無理難題はないか。

✅ 要求に応えられる体制がとれるか。

✅ 代替案はあるのか。

✅ できることは最低限ではなく、最大限のできることをする。

✅ できないことは絶対に約束しない。

人はついつい自分を良く見せたいという衝動に駆られるため、安易な約束をすることがありますが、安易な約束は会社の負担にもなります。

身内からソッポを向かれたらおしまいですし、会社にとっても不利益です。

「NO!できません」と言うには相当な勇気が必要です。

それを言うことで離れてしまうお客様もいるでしょう。もしそれでお客様が離れてしまったら、そういうお客様だったということで割り切るしかありません。

謝罪時の顧客対応術で大切なことは、お客様の怒りのポイントを見極め、相手は何に対して怒っているのか、何を求めているのか、お客様の声をしっかりと伺い受け止め、そのあとで「できること、できないこと」を説明し理解していただくことです。

謝罪するときには「NO!できません」と言える勇気を持ちましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。           次号に続きます。

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