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日本のコーヒー文化の有り難さ


いつでも飲みたいコーヒーが飲める環境

これほど恵まれた環境はありません。

普段日本に住んでいるとあまり感じないかもしれませんが

多様性と職人気質なこだわりに満ちた風土、そして高度な物流網と、清潔な上水道
何でも手に入る環境と言うのはコーヒーラバーにとって非常にありがたい環境であると言うのは紛れもない事実です。


皆さんは海外に遊びに行った経験はありますか?

僕は何年か前にカナダのトロントに1ヶ月くらい遊びに行ったことがあり
日本のコーヒー文化の有り難さに気がつかされました。


と言うのも日本のように自分好みのカフェを見つけるのが大変だったと言うのが正直なところでした。

僕が当時ネルドリップ偏愛家だったこともあり、こだわりのあるお店に行きたいと思い色々探しては足を運んでいました。

ですが、向こうではコーヒーにやたら拘ったカフェと言うのは殆どなく
抽出方法もエスプレッソが主体で、日本のようなハンドドリップで淹れてくれるお店はごく僅かでした。

もちろん浅煎りがメインです。


深煎りのコーヒーが飲みたいと思っても、近くにあるのはティムホートンの煮えたぎった不味いコーヒーか、スタバしかなく
ハンドドリップで深煎りのコーヒーを淹れてくれるお店は見つけられませんでした。

向こうのライフスタイルとして、コーヒーは朝目覚めの一杯としてや、仕事の合間の小休止としてコーヒーを飲むと言うのが主体で

ただ、趣味としてこだわりの一杯を飲むと言うのはあまり馴染みがないのかもしれません。


日本であればちょっとググれば
ネルドリップやサイフォン、ハンドドリップ、エスプレッソなど多種多様な抽出方法でコーヒーを提供している専門店はすぐにヒットしますし

それも一店舗ではありません。

そこから更に掘り下げれば、自家焙煎専門店や、深煎り専門店や浅煎り専門店など

人の数だけ、その需要を満たすお店が何店舗も存在します。

そしてもれなくその器具を使いこなす著名なプロが何人もいます。


また、コーヒー器具に関しても
近くのホームセンターや大型スーパー、百貨店、雑貨屋などに行けば

それはもう多種多様なコーヒー器具が売られていますし、おそらくそこまで遠出しなくても古今東西あらゆるコーヒー器具が並んでいます。


日本では当たり前の光景ですが、トロントでは違いました。

基本的にコーヒーマシンやモカエキスプレスくらいしか並んでいません。


僕がこだわり過ぎなのかもしれませんが
このマニアックな需要にも容易に応えてくれる環境ほど豊かなものはありません。


それだけ日本人がコーヒーにうるさいと言う証拠なのかも知れませんが、これほどまでに差があるとは思いませんでした。


日本のコーヒー文化は遅れていると言う人もいますが、日本ほど色んなタイプのコーヒーが飲める国も少ないと思います。


もちろん、東京では本場のイタリアのエスプレッソだって飲めますし、北欧のノルディックローストのコーヒーも飲めます。

オーストラリアのフラットホワイトも飲めますし、ベトナムコーヒーも飲めます。

韓国のダルゴナコーヒーや、トルコのイブリックコーヒーも飲めます。

僕が知る限り、基本的に味わえないコーヒーはほとんどありません。

この選択肢の広さもちゃんと需要があるから出来ることだと思います。

今ではInstagramなどで世界中のコーヒーのスタイルを見れますが
それを大体カバーできるだけの日本のコーヒー業界の広さと、その需要を支える消費者の知識や趣向の広さがあります。


もちろん、日本人好みなスタイルに改良されてはいますが
スタイルこそ変われども、そもそもそう言った多様なコーヒーが気軽に飲める環境
と言うのは本当に良いところです。


今日は深煎りのネルドリップが飲みたいな〜と思ったら
すぐに高級な磁器と共に高いクオリティーの一杯が出てくる美味しいカフェが見つかる環境と言うのは贅沢極まりありません。


あの時の経験は今の僕のスタイルにも影響を与えており

自分の気分で自分が飲みたい美味しいコーヒーが手に入る言う環境を皆さんに提供したいと思いながら、日々コーヒーのラインナップを考え、焙煎しつつ、ネルを作っています。


お金さえ払えば自由に何でも手に入る環境は、海外だとあるようでありません。

お金を払うどころかそもそもそんなお店を見つけることが難しい、もしくは無いのが普通です。


日本の戦後のコーヒーブームは、日本のコーヒー文化に様々な多様性と、新しいものでも柔軟に適応させられるだけの土壌を作りました。

その恵まれた環境に生まれたからこそ、僕たちは少し手を伸ばせば、簡単にそれを手にすることが出来るわけです。


日本のコーヒー業界は常に新しいものを柔軟に取り入れながら、独自の土壌で成長し続けています。

もちろん良いところもあれば悪いところもありますが
「環境」と言うものは長い時間をかけて形成されるものです

日本のコーヒー文化の良さ、もっと味わってみませんか?




僕のショップは浅煎りから深煎りまで広く対応できる飲みやすく、高いグレードのコーヒーを中心に扱っています。

オリジナルのネルも日本のコーヒー文化へのリスペクトのエッセンスを混ぜつつ独自の改良がされています。

よかったらチェックしてみて下さい。



人気のためネルフィルターの在庫が少なくなってきたため、残りわずかとなっています。
再入荷の目処は今のところありませんのでご了承ください。




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