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なぜユニオンサンプルロースターなのか

どうもidenz Coffee Roasterのtakaです!
Baseにてスタイリッシュなネルドリッパーを販売しています
チェックしてみて下さい


今回は手網焙煎からそろそろ切り替えたいなと思っている方や、焙煎に手を出してみたいなと言う向けの記事になります

現在、自家焙煎を趣味もしくは生業にする方が増えたお陰で様々な家庭向け焙煎機が登場していますが
ユニオンサンプルロースターはそんな中でも昔からありながらも未だに人気の高い焙煎機です

それにはちゃんとした理由があります

私が6年以上使っている理由と、この焙煎機の特徴について書いていこうと思います

メリット

この焙煎機をオススメするのは何よりも私が長いこと満足して使えているからです
別に変なこだわりがある訳でもなくストレスなく使えると言うのが一番良い製品だと思っています

年季が入ったマイロースター

信頼性が高い

完成度が高くとにかく頑丈で、ちょっとやそっとでは壊れることはありません

ステンレス性のドラムにズッシリとした鋳物の土台が特徴的なこの焙煎機は
メインテナンスが楽でドラムの洗浄と潤滑油を塗るだけで完了です

私は食品用のグリスを塗ってます
普通の食品用油でも代用できます

パーツも単純なので分解清掃も楽です

また消耗品であるベアリングもついていません

電動モーターや、電気式だと故障やトラブルがつきもので、質の悪いものだとモーターやベアリングが熱源に近く、すぐに壊れてしまうものもあります
それに比べ、一度買ったら10年は余裕で使えます

この信頼性こそが最も愛される理由でしょう

焙煎機界のAK47やブローニングM2です

蓄熱性が高い

この焙煎機は二重ドラム構造なので、外気の影響を受けにくく安定した温度で焙煎ができます

常に均一に豆に熱を加えられるのでムラが発生しにくく、仕上がりはふっくらとした感じになります
多少の火力の誤差を補正できるのは強いメリットです

これにより、連続焙煎でも再予熱の際に使う燃料の節約にもなります

たまに外側のドラムを外している人がいますがオススメはしません

温度測定と予熱ができる

手廻し焙煎機にありがちなのは予めチャンバー内に豆を入れてからでは無いと焙煎ができないタイプが多いことです

製作が簡単なので値段も安いのですがこれらは近年のスペシャルティコーヒーを焙煎するのに必要不可欠な予熱と温度測定が出来ません

予熱ができないと焙煎時間が伸び、平気で20分や30分も焙煎をすることになってしまいます
すると香りが飛んで特徴も何も無い平凡なコーヒーが出来上がってしまいます

正に安物買いの銭失いです


因みに今の流行りの焙煎は大体10分前後で行われるので時代に沿ってません

対してユニオンは投入口が開放されており、温度計を差し込みながら予熱して、好みの温度になったらいつでも豆を投入できます

なので業務用焙煎機に似たプロファイルでの焙煎が可能です

無論温度計は別売りです

容量が大きい

家庭用焙煎機は大体が100〜200g程度の生豆しか焙煎できない機種がほとんどなのですが
ユニオンは最大450g程度まで焙煎可能です
500g以上となると焙煎が進むにつれて豆があふれてくるので注意です

これにより、焙煎をする回数を減らすことができ小さいカフェやコーヒー豆のネット販売をされている方であれば、業務用としても使えます

熱源を選ばない

多くの焙煎機はプロパンガスや電気を熱源としているのですが
ユニオンはガスコンロで焙煎ができます
屋内や庭先でも焙煎可能です
その代わり高カロリーのガスコンロを選ぶのがベストです

テストスプーンが使える

これも大きなメリットで、付属の鋳物のテストスプーンを使って豆の状態をよく確認できます

ドラムが傾斜している

横から見ると分かりますがドラムが傾斜しています
このメリットは一般の熱源の口径でも大容量の焙煎ができる事を意味しています

と言うのも、この傾斜により豆が一箇所にある程度集中するため加熱部位を限定的にしつつもより多くの豆に均一にカロリーを与えられると言うメリットがあります
そのため煎りムラがほとんど発生しません

デメリットについて

メリットばかり書いてきたのでここからはデメリットです
どんな焙煎機にもメリットデメリットがあるのですが
私が長いこと使ってきて常々思うデメリットを書いていこうと思います

安定した焙煎には熟練が必要

これはどんな焙煎機にも当てはまるのですが、慣れが必要です
特に火加減が大事で、温度計を見ながら1分間にどれだけ温度が上昇したのか(RoRと言います)をよくチェックして、最適な火加減を探りましょう

使う熱源やメーカーによっても異なるのでガス圧云々は当てになりません
適当な豆をいくつかサンプルローストして探りましょう
あまり火加減はいじらず一定の火力で適当なRoRを保つのが理想です

回してると腕が疲れる

当たり前ですが腕が疲れますがそのうち慣れます

自分はモーターだと自己暗示しましょう

テストスプーンを使う際に温度計を外す必要がある

これは結構なデメリットです
このため頻繁に豆の状態を確認することが出来ず、焙煎終了間近となると完全に温度計を抜いた状態で記録を終えることになります

なので最後まで正確なプロファイルの記録はほぼ出来ません

この点に関して言えることは

まぁ気にしなければどうと言うことはありません

大事なのは自分の狙った豆の状態を見極められるかなので、焙煎のラストスパートにおいて温度なんかより豆の状態を確認しましょう

私は1ハゼが来る予想時間までテストスプーンは使いません

味が曇りやすい

この焙煎機最大のデメリットなのですが、排気がないので内部で発生する水蒸気や煙、チャフを効率的に排出できないため
内部で豆に水蒸気が付着してしまいそのせいで風味が曇ることがよくあります

この点に関しては、焙煎時間を短くすると言うのが一番簡単な解決方法です

極端な話、5〜6分で焙煎を終える高温短時間焙煎をやれば単純に水蒸気に暴露される時間が減るので風味も損いにくくなりますが、1ハゼを9分前後で迎えられるようにすればそうそう不味いコーヒーはできません

短時間で焙煎を切り上げるプロファイルを選ぶのがベストです

まぁ昔ながらのコーヒーが飲みたい方にはあまり関係ないかも知れません

強制排気機能がない

当たり前ですがこの焙煎機には強制排気装置がありません
しかも豆の投入口しか穴が空いてないので水蒸気や煙、チャフが中に篭りやすい構造になってます

これの解決策は3つあって
1つ目は前面の蓋に、ドリルで穴あけして排気量を増やすこと
もう一つはナチュラルなどのチャフが大量に発生する豆を選ばない事
もう一つ目は強制排気装置を自作して豆の投入口に近づけてやることです

一つ目をやるだけでも水蒸気の量が変わります

テストスプーンを差し込めば直ぐにわかると思いますが、穴あけ前は1ハゼが始まる頃なんてスプーンがビショビショになるくらい湿度が高かったのですが、穴あけ後は気にならない程度まで改善します

また、チャフは後ろのフタ部分に穴あけすると勝手に落ちていくので多少はマシになります

その代わりチャフが舞うので掃除が大変になるデメリットがあるのであまり推奨しません

そのためにもウォッシュドなどのチャフが生じにくい豆を選ぶのがいいと思います

三つ目はそのうちやりたいと思ってます

煙の量がすごい

先程排気がないと言う話をしたのですが、普通の業務用焙煎機では排気はダクトを通って外に排出されるので屋内ではあまり深い焙煎度を選ばなければ煙まみれになることは無いのですが

ユニオンの場合、全ての煙がその場に排出されるのでフレンチやイタリアンローストなんてやった日にはヌルヌルの油を含んだ煙が蔓延して大変なことになります

特に豆の冷却時には大量の煙が発生します

なので、隣人トラブルを避けるためにも
隣人が少ない田舎で焙煎をやる人以外は、あまり深い焙煎度は選ばないのが無難です
やってもフルシティーローストが限界だと思います
私はハイロースト〜シティーローストくらいが多いです
ハイロースト以降が得意な焙煎機だと思っています

最後に

いかがでしたでしょうか?
手廻し焙煎機はお金に余裕がない初心者向けと考える人もいますが、使い方次第でそこら辺のロースターに引けを取らない焙煎ができるものです

爽やかさを重視するミディアムロースト以下の焙煎度にはそれほど向いている焙煎機とは思いませんが、プロファイルを考えてその通りに焙煎する能力があれば浅煎りでも普通に美味しいコーヒーが焙煎できます
十分長く使え、特に味に不満がないのがこの焙煎機です

安定して同じプロファイルを維持するのは難しいと言われていますが
それは単に使い慣れず熟練しないまま、この焙煎機を手放してしまった人の意見だと思います

特に豆の量を増やすと焙煎時間が伸びると言っている方がいますが、それは単に予熱してないか、カロリー不足なだけか、火加減が下手なだけです

高カロリーのカセットコンロを買いましょう
業務用のプロパンコンロはあれば良いですが、そこまで必要性を感じません
第一普通のご家庭にそんなものはありません

無論200gと450gでは火力は違いますが、ちゃんとRoRを見て火力の調節が適切に出来ればしっかりと焙煎できますのでご心配なく

モノは使い様ですので是非検討してみて下さい

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