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トンプキンズ広場のジャズ

スイングするビートにのって、サックス、ピアノ、ベースとソロがくりひろげられていく。
たった1メートルの鼻先で軽やかにふきあげているサックスに、スローシャッターを切った。

ジャズがきこえる写真を撮りたかったのだ。


人種のサラダボールのニューヨークでも、その色合いがこく、いろんな階層がまじりあう街、
イースト・ビレッジ。
人種と階級のごったまぜが、この街を時代に先取りするアートの先端発信地とした。

地下鉄  許可がいる            1994


一見バラックと思える実験劇場LaMaMa(ラ・ママ)。
オフ・オフ・オフ・ブロードウェイの老舗。

かずかずの名作と人材を生み、いまなお前衛劇場のメッカだ。
東京キッドブラザースもここから巣立った。

高くなった家賃のせいか、アーティストがブルックリンなどへ逃げだし、
この街に昔ほどの輝きはない。
が、ボヘミアンの雰囲気がただよい、僕の好み。


深夜のアベニューAのトンプキンズ広場。

地元に住む知人が、この広場より東へ、夜行くなと警告した
ギリギリ7丁目のジャズスポットDEANNS。

30の席に40人ほど詰めこみ、客が重なりあっている。
奏者も客のなか。
アドリブのかけあいで奏者と客が一体で熱気はうなぎ登り。
客のドラマーのとび入りで最高潮となった。

名言「ジャズに名曲はない。名演奏があるのみ」。
即興は、奏者の個性や技量がつよくにじみ出る。
アドリブこそジャズの醍醐味。

地下鉄のホーム 1994


ビレッジのスイート・ベイジルマッコイ・タイナーのピアノに
かぶりつきの幸運から、クラシックもジャズも好きになってしまった。

夜もふけ零時をまわった。
目のまえのサックスが握手をもとめてきた。
感激。
また、ここに来るぜ。


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